駒師「日向」のブログ 本店

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将棋駒作家のつぶやき

角落ち上手戦記 下手矢倉定跡風1~その6~

2019年06月08日 | 対局日誌
●第11図までの指し手
△3三歩
▲同歩成
△同銀左
▲6八角
△2三歩
▲2九飛
△3四歩


前譜で▲2四歩は本筋の手と言いましたが、同時にこの手は上手が待っていた手でもあります。狙いの△3三歩が実現しました。
さて、ここで形勢判断です。
一連のやり取りで、上手は2歩を回収しました。
駒の損得は上手「金(8点)」対下手「銀と桂(10点)」の交換です。
上手+2点と下手-2点ですから、出入りで4点の差が縮まりました。上手の玉は銀3枚に守られ堅くなりましたので、当初の角落ちが香落ちぐらいのハンディになっているかも知れませんが、それでもまだ下手有利ですので、反撃を控え局面を落ち着かせます。

●第12図までの指し手
▲7五金
△6三金
▲6五歩
△同桂右
▲6六銀
△6四歩


正面から攻めてもなかなか攻略できない下手は、焦ったのか、側面攻撃に変えてきました。しかし、これは多分方向違いかと思います。持ち駒の金を手放した罪も大きいでしょう。
そういう心理を捉え下手を更に焦らせる手が△6三金です。善悪は分かりませんが、私はこういう手が好きです。
上手から次に△7四歩がありますので、下手は更に焦り△6五歩から堅陣を崩してしまいました。△6四歩と桂馬を支えたところで第12図、あいかわらず上手から△7四歩が残っています。
コメント
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