細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

「PC構造の原点フレシネー」より (その1)

2014-07-17 17:09:37 | 勉強のこと

フランス滞在中にぜひ読みたい本の一つであった「PC構造の原点フレシネー」(建設図書)ですが、一通り読破はしましたが、現在、フレシネーの構造物を見学する機会も活用して再読しています。

フレシネーがプレストレストコンクリートを明示的に発明する以前の部分からの、気に入った文章です。

p.88
「実際には、私の観察事実に反する実験結果は何もなかった。コンクリートはより大きな変形に耐えられ、規準で許されている以上に塑性的なことは事実であった。数学ばかりで知恵のないまぬけでなければ、日ごろから簡単に観察できる事実なのである。」

--> クリープによる橋梁のたわみの問題に関してです。コンクリートアーチの中央ヒンジについては、フレシネーは設計規準の不備も見抜いていました。

p.89
「確実に間違っているといえるのは、規準の草稿を、その訓練と考え方ゆえ、独裁者のように管理しようとする、技術に対して全く無知であるだけでなく、それを永久に理解することも無い、数学者に任せたことにある。」

p.91
ブチロン橋に関しては、悪い思い出しかない。ル・ヴァートル橋とともに、『力業』であり、少し際立ち過ぎていた。・・・・・・ 結局のところ、この2つの橋を造ったことにより、『力業』は避けなければならないことを学んだ。・・・・・・ ヴィルネヴ シェルロット橋も、プルガステル橋も『力業』ではなく、それゆえ、これらの橋は以降、模倣され、同じ形式の橋が今度は規模が大きくなって再び建造されたのである。」

p.164
「ル・コルビュジェは、建築の学生にメッセージを送り、そこで、『フランスは、アイディアの実験室であるが、ずっと以前から発明家に対し、軽蔑と無視、拒否と失望を与えては得意になっている』と言っている。後に、彼は、ペレを誉めているが、フレシネーをほとんど覚えていない(フレシネーのことにほとんど触れていない、の方が適訳でしょうか)。」

プレストレストコンクリートの発明に関する言葉は、その2以降で!


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