R 04.03.12 認 知 症 14 NO.3420
その子は、私に安全で幸福な家庭を求めました。 30歳になると子供
はみるみる大きくなり、永遠に続く絆で母子は結ばれていました。
50歳でもう一度赤ん坊が膝の上で遊びました。
私の愛する夫と私は、再び子供に出会ったのです。
でも、暗い日が突然訪れました。 夫が間もなく死んだのです。
先のことを考えると、不安で震えました。
息子たちは、みな自分の子供を育てている最中でしたから、そこで私は、過
ごしてきた年月と愛について考えました。 私がおばあちゃんになりました。
自然の女神は残酷です。 老人をまるで馬鹿のように見せるのは、自然の女神
の悪い冗談。 体はボロボロ優美さも気力も失せ、かつて心があったところに
は、石ころがあるだけ。
でも、今古ぼけた肉体の残骸には、まだまだ少女が住んでいます。
・・・続く