荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

江戸川球場

2015年07月14日 | 散文
高校野球夏の甲子園大会地区予選が好きです。
本大会より好きかも知れません。
近くに江戸川球場があって20数年通っています。
私と同じような野球好きが沢山います。
「贔屓のチームがあるわけでは無いが只々高校野球が好き」な人達です。
有名校が出る訳でもない平日にこの観客です。
まだ、1回戦ですよ!



(エピソードー1)
母校の応援をしている野球部OBが居ます。
1人は社会人、後の2人は大学生のようです。
学生が先輩を見つけて最敬礼で挨拶すると、先輩が自分の席の隣りに2人を呼びました。
暫くしてからの会話です。
「先輩の所へ会社訪問させてください」
「そういう意味でお前らを呼んだわけじゃないんだ。いいか、絶対に来るなよ!」
来られると不味いのでしょうか?

(エピソードー2)
小父さんが贔屓のチームを鼓舞しようと投球練習をしているピッチャーに「お~い○○、球が速くて見えないぞ!」と声を掛けました。
ピッチャーは帽子が飛ぶほど腕と頭を振って投球練習を終えました。
さて、先頭バッターの1球目を、思い切り手前(ピッチャープレートとホームベースの真ん中あたり)に叩きつけました。
失笑が起ります。
2球目、狙い澄ました強烈なセンター前ヒットを打たれました。
ガックリとうなだれたピッチャーは、その後ずっと調子が戻らず、フォアボールを連発して交代させられました。

(エピソードー3)
守備位置に走るナインを励まそうと小父さん(上記と違う人です。以下同様)が声を掛けました。

「頑張れ~!飛雄馬あ!」
球場全体が、「あ、その名前付けたんだ・・・」という雰囲気になりました。
偉大な名前は重荷のようです。
一人だけ俯いて走っている選手がいたので、すぐ誰か分かりました。
ベイスターズに飛雄馬選手が居ますが、彼は大阪出身なので、別人だと思います。


ノックを見ると、だいたい勝つチームが分かります。

(エピソードー4)
帝京高校の相手チームの近くに座っていました。
グランドでは帝京高校が守備練習中です。
相手チ-ムの野球部OBが言いました。
「すげえ、野球が簡単に見えるよ!」

(エピソードー5)
内野ノックの後、元気のいい監督が声を張り上げました。
「次、外野!いくぞ~!」
一際大きいその声に観客が注目した第1球。
彼は、ノックをレフトスタンドに叩き込みました。
すかさず小父さんの声。
「お前がホームラン打ってどうするんだよ!」

(エピソードー6)
母校の応援に来ている2人の会話です。
両人ともどこかのチームで監督かコーチをやっているようです。
「先輩は、キャッチャーフライは最後に上げますか?」
「うん、キャチャーフライで締めるね」
「うわっ、勇気ありますねえ!僕は内野ノックの時に打ちます。キャッチャーフライの当たり損ねが内野フライノックです」

最近、キャッチャーフライを上手く打つと、観客席から拍手が起こります。


チアリーディングは高校野球の華です。
球児に取ってどれだけ励みになるか計り知れません。
勿論小父さんも好きです。

(エピソードー7)
「チアは青学がいいよな」
「俺は二松がいいな」
両校ともチアリーディング全国大会で活躍しています。
小父さん達お目が高いです。

一方、チアもブラスバンドも無い学校もあります。

その場合は、控えの野球部員が声を揃えて、メガホンで叫びます。
「パッパラパッパ、パッパッラパッパッパパー、カットバセエ○○!」
・・・色々な青春があります。


5回裏が終わるとグランド整備が行われて、水が撒かれます。
観客席まで涼風が吹き渡ります。

小父さん達のビールタイムです。
こんな風に先ず野球が好きで、その他、球場内で起こる何でも楽しむ小父さんが多く居ます。
・・・はい、私も含めます。
コメント
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