

写真1・写真2 2段耕プラウ。前ボトム(Front bottom )と後ボトム(Rear bottom)が装着されたプラウ(Plow)
前ボトムで耕起し、さらに後ボトムで深く(約40cm)耕起する。すなわち、2段に耕起する
ボトムは①スキトコ、②スキサキ、③スキヘラなどで構成される個別の犂・プラウ
スキサキで作土を切り起こしてスキヘラ・撥土板(Mouldboard)へ送り反転させる
スキトコ・犂床は作土の中で高低なく進みボトム・犂の安定を保つ

写真3 前ボトムと後ボトムは左右に少しずれて耕起の幅を広げる。作業能率は上がる

写真4 まず、向こう端まで耕起。次に、ボトム(スキサキ・スキヘラ)の方向を反転し、後ボトムが直前に起こし開けた溝に片方の車輪を入れて戻りながら耕起。この往復耕起を繰り返す

写真5 2往復目の戻りの耕起

写真6 「日の本号二段耕犂」(上熊本駅前・東洋社製。久喜市立郷土資料館所蔵・2001年12月01日撮影)
1940年代後半から1950年代、歩行型自動耕耘機導入まで牛馬が牽いていた
2段耕プラウの前ボトム、後ボトムを装着。ただし、前ボトムのスキトコはない
④のハンドルを使い、ボトムを左右に反転できる。在来犂の最高発展段階。二段耕プラウへ継承される
①:スキトコ、②:スキサキ、③:スキヘラ

写真7 「高北式畑用双用犂」(伊勢崎市赤堀歴史民俗資料館所蔵・2002年撮影)。畑用犂の③スキヘラは格子状が多い
「双用」とはボトムを左右に反転できることをいう。このため、直前に開けられた溝を牛馬が歩いて戻りながら耕起できる。作業能率は向上
写真1~写真5の2段耕プラウは「株式会社タカキタ」製。当社は1912年創業の当写真「高北」を継承
①:スキトコ、②:スキサキ、③:スキヘラ

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牛糞堆肥を平地林に積んでいたTさん(弊ブログ2016年02月12日)
その堆肥をキャベツやカボチャの栽培予定畑に散らして撹拌耕起し砕土整地
さらに、散らした堆肥や茎葉残渣などを下層へ、下層の良質作土を上層へ反転
この深さ40cmほどの反転天地返しが2段耕プラウを使った写真1~写真5の作業
地力の維持増進を図る
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:写真1~写真5;2016年02月19日 撮影地:栃木県下野市