駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

井山が負けた、NHK杯戦

2016年02月09日 | 趣味

                    

 一昨日の囲碁NHK杯戦で井山六冠が河野臨九段に敗れた。河野臨九段は実力者で番狂わせというわけではないが、井山離婚のニュースの後なので、何となく気になった。碁の内容も河野の強さが目立つ内容で、精彩を欠いた井山にやはりなどと思ってしまった。

 井山にしてみれば余計なお世話ということだろうし、ファンなら黙っているのが礼儀かも知れない。私は井山、河野どちらのファンというわけではなく、55%程度井山が勝てばという気持ちで観戦していた。

 井山は中国韓国に分が悪くなった日本囲碁界で、数少ない勝てる代表なので貴重な存在だし、何よりも前人未踏の七冠奪取が目前の最強者なのだ。さほどファンではないと書いたが井山も河野もファンには分かりにくい人だ。内向的と言えばよいのだろうが、考えていることや人間が殆ど表に出てこない。ひょっとして99%囲碁で出来ているのではないかと感じることもある。

 その道の名人達人といわれる人達の中には、俗世間の混じり気がなく純粋にその道だけでできあがっているように感じられる人が居る。特に内向的で外に自分が出ない人だと、余計にそう感じられる。囲碁や将棋のような頭脳競技だからそうなるというわけでもないようだ。というのは将棋の大山升田羽生、囲碁の坂田藤沢超治勲など、際立つ個性派も多いからだ。尤も。若い時は内向的な印象だったのが、タイトルを取ってからは自信がそうさせるのか、はっきりものを言われるようになった人も居られ、基本的には内向的な人の方が頭脳ゲームには向いているのかもしれない。

 競技を仕事にし勝負に生きる人と結婚は非常に重要と見ている。どのような伴侶がと一口には言いがたいが、やはり内からそれとなく支えることの出来る人がいいように思う。 

 まあ余計な事を書いたかも知れない。プロの業技術の妙が分からないので、人に目が行くと大目に見て貰らおう。

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日曜の朝から脅し

2016年02月08日 | 町医者診言

              

 久しぶりにのんびり出来た日曜日だったのだが、朝から凶行のニュースが飛び込んできた。北朝鮮ミサイルが沖縄の上空を通って、宇宙空間まで飛んでいったらしい。狙いは不正確にしても十分アメリカまで届く能力があるというわけだ。これでアメリカも脅威を感じ本腰を入れるだろうか。

 近隣どころか陸続きで国境を接する中国は北朝鮮が武力行使あるいは自壊した場合の被害を想定してか、強い制裁に踏み出せないようだ。しかし、刃物をちらつかせて譲歩和解に応じない国なのは明白過ぎるほど明らかになっている。いつまでもこの危険な均衡が続けられるとは思えない、最小被害で手を打つ時期に来ていると思う。平和裏に解決はできないことは火を見るよりも明らかだ。

 中国もソ連もアメリカに対して北朝鮮をクラブのジャック程度の切り札に使ってきたが、持ち札が手が付けられない凶札なのが分かってきたと思う。中ソ米が力を合わせれば、手が打てるはずだ。三すくみでは刈り上げ男の思う壺だ。

 外交というのは素人と玄人の差が少ないのではとまで思う。あの手があるではないかと、多くの人は考えているのではないか。まあ、しかし背後の大問題は中国なのは私でも分かる。中国は駄目な国と悪く言っても問題は何一つ解決しない。専門家は知恵を出してこそ専門家と申し上げたい。

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これを偏見というのか

2016年02月07日 | 町医者診言

       

 今朝はちょっと眩暈がした。ゆっくり起きれば良かった。十年くらい前から年に二三回左から右へ物が流れる眩暈がすることがある。暫くじっとしていれば収まるので、慌てはしないのだが、今日は大人しくしていようと思う。頭位変換性眩暈の範疇に入る病態だと思うが、こうした軽微な症状は以外に確定診断が難しい。

 Tさんは74才の小柄なお爺さんだ。ごま塩頭の短髪で年よりも少し老けて見える。数ヶ月前から通院してくるようになった。いつもニコニコというかニヤニヤしながら あれこれ訴える。訴えるというよりは、一寸聞いてみようと昨日から便が出ないとか、鼻がぐずぐずするとかやって来る。最初の内は色々な病気を想定して診察していたのだが、これが十回にも及ぶと成る程こういう人かこういうことになっているのかと、カルテの表書きをじっと見てしまう。

 どんな患者さんも、同じように診察したいと考えて何十年やって来たが、100%そうすることは難しい。刺青や多少の智慧遅れには99%等しく心が揺れることもなく診て来れたと思うが、Tさんのような生活保護の人には若干の苛立ちを覚えてしまう。医者に掛かると鼻がむずがゆくても、今日は未だ便が出ないでも、そこそこの料金が掛かる訳で、もし無料でなければ三日と置かず受診することはないだろう。

 Tさんの生活史を知らず、失礼を承知でいい加減にして欲しいと、老いた指の剥げてきているマニキュアを見ながら思ってしまう。悪や狡に比べれば、咎め立てする筋合いのものではないかも知れないが、39Cの発熱や血圧が190の人も待っているのだと思ってしまう。

 駅前の小さな医院にも世の理不尽の旋風が吹いている。

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変郎も混じるお遍路さん

2016年02月06日 | 町医者診言

               

 週休二日制で土曜日の電車は空いており、余裕で座れるのだが、今朝は部活の女子高生七八人がロゴ入りのジャージで席の片側を占拠していた。体育系のせいか眠いせいか、おしゃべりはさほどでもなく、大人しくぼんやり座っていた。

 元プロ野球選手清原が覚醒剤所持で逮捕された。持っているだけでなく使用していたらしい。現役時代は大きな身体と目立つキャラクターで立派な実績を残した選手だったが、引退後はさしたる活動実績もないまま流される生活を送っていたようだ?。昨年、心機一転と巨体を白装束に包み、お遍路に出掛ける写真を見た記憶がある。

 自分はお遍路さんに出掛けたこともなく、碌な知識は無いが、心機一転とお遍路に出掛ける人は多いようだ。殆どの人には何某かの御利益というか効果があるのだろうが、どうも清原のお遍路姿が菅元首相のお遍路姿にダブってきて、お遍路さんのなかには変郎も混じっているんだなと思えてしまう。

 生半可のことでは、人間は変わることが出来ないようだ。勿論、変われないとは言わない。ただ、修行やお参りをすればというのは少し違うような気がする。清原にはまだ立ち直るチャンスはあるし、立ち直る義務があると思う。

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シャープ社長は熟慮して英断を

2016年02月05日 | 政治経済

                

 経営不振にあえぐシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ることを検討していると報道されている。それに対して、技術流失などの懸念があるなどとして牽制する動きがあるようだ。グローバル化の時代と唱えてきたからには、日本の企業が外国企業の傘下に収まる場合も想定していたはずと思う。

 力強い支援や信頼もなく?、辞めてしまえと怒声を浴びせられた社長が熟慮の末にフリーハンドで生き延びる道を選択をするのは当然のことだと思う。流出が懸念されるほどの技術を持つ会社が、なぜ左前になったのだろうか。貧すれば鈍するということにしても、それなりの経緯があったのだろうと思う。

 元より経済経営評論家ではなく実際の経営不振の原因は不承知だが、鴻海ではけしからんという声が澎湃と起こるのには如何なものかと感じる。私も五年前までは迂闊に台湾のことをよく知らなかった。青春と読書に乃南アサさんが美麗島紀行と題して台湾のことを書いておられる。それを読んでも、台湾は麗しい島のようだ。相手を知り己を知って、高橋興三社長は英断を下されれば良いのではと、外野席で観測する。

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