15日(日)、上海インターナショナル・サーキットで2018年FIA F1世界選手権第3戦中国GP決勝レースが開催され、セーフティカー導入による予定外の展開でレッドブルのリカルドが大逆転勝利を遂げた。
風が強く、前日よりも気温が下がった土曜日の予選ではフェラーリのベッテルがチームメイトとの接戦を制してポールポジションを獲得。0.087秒差で惜しくもポールを逃したものの、相棒のライコネンがフロントローに入り、フェラーリが1列目を独占している。メルセデスが2列目につけ、レッドブルが3列目に並んだ。
上海の"上"の字をかたどったデザインが特徴の上海インターナショナル・サーキットは全長5,451km、レースは全56周で争われ、気温18℃、路面温度39℃、湿度21%のドライコンディションでスタート時刻を迎えた。11番グリッドに並んだハースF1のマグヌッセンがユーズドのソフトタイヤを選び、トロ・ロッソは15番手のハートレーに新品のウルトラソフト、17番手のガスリーには新しいミディアムタイヤを履かせて決戦に挑んでおり、トロ・ロッソ以外、12番グリッド以降のドライバーはソフトタイヤのニューセットを選択している。
シグナル消灯と同時に好発進を決めたベッテルが先頭をキープしたが、ターン1にかけてはチームメイトを抑えてしまい、その間にメルセデスのボッタスがライコネンを追い抜いた。さらにライコネンはレッドブルのフェルスタッペンにもポジションを奪われたものの、後方のハミルトン(メルセデス)のプレッシャーには何とか耐えている。8番手スタートだったフォース・インディアのペレスが14番手まで後退しており、リプレー映像ではマクラーレンのアロンソとわずかに接触してコース外に飛び出していたシーンが確認された。
ベッテルとボッタスが少しずつペースを上げる中、3番手のフェルスタッペンが遅れ始め、10周目を終える頃には4.9秒の差が開いていた。その後ろをライコネンとハミルトンが追いかける。
最初にピットストップに動いたのはトロ・ロッソ。後方集団に埋もれていたハートレーを呼び入れ、ミディアムタイヤを履かせてコースに送り出した。この時点で残り周回数は45周あり、"失うものはない"状況を踏まえて1ストップに挑戦したと思われる。その後、フォース・インディアとルノーも最初のピットストップを実施し、ルノーはミディアムタイヤを選択したが、フォース・インディアはソフトタイヤを履かせており、この時点では2ストップ戦略を予定していたようだ。
上位勢で最初にピットストップを行ったレッドブルはフェルスタッペンとリカルドのダブルピットストップを敢行し、18周目に無事に2台のタイヤをミディアムに交換した。ベッテルが19周目に入った頃、今度はメルセデスがハミルトンを呼び入れ、翌周にはボッタスもピットストップを完了。どちらもタイヤはミディアムコンパウンドを選んだ。
フェラーリはメルセデスの動きを見てもステイアウトを続け、ベッテルがピットに向かったのは21周目。今週末のタイヤで一番硬いミディアムに履き替えて隊列に戻っている。
しかし、ライコネンはその後もしばらくステイアウトを続け、すでにタイヤ交換を終えたボッタスとベッテルの接近を許した結果、28周目にはラップリーダーの座を譲り、そこでようやくピットに向かった。
そこから2周ほど経過した後、ヘアピンでトロ・ロッソ勢が同士討ちを喫してしまう。前を走っていたハートレーの後ろにガスリーが突っ込み、ハートレーはスピンを強いられてコース上にはデブリが散らばった。ガスリーはハートレーがドアを閉じたと訴えたが、前のウィリアムズマシンを追いかけていたハートレーはレーシングラインを守ってターンインしたように見え、ガスリーのブレーキングが遅すぎた可能性もある。
デブリの清掃のためにセーフティカーが導入され、その合図を見てレッドブルが再びダブルピットストップを敢行。他にも中団グループの一部が同様に2回目のタイヤ交換を済ませたが、フェラーリとメルセデスはタイミングが合わずにコースにとどまった。
35周目の終わりにセーフティカーが解除され、リスタートではボッタスがリードを維持する。フレッシュタイヤを履くリカルドがライコネンへのオーバーテイクを成功させてポジションを上げ、ハミルトンを追いかけていたフェルスタッペンも追い抜きに挑むが、サイド・バイ・サイドの状態から接触を回避するためコースを飛び出さなければならず、コース復帰を果たしたものの、リカルドに先行されて5番手に後退してしまった。
快調に飛ばすリカルドはまたもヘアピンで、今度はハミルトンをオーバーテイク。表彰台圏内に入ったリカルドに、レッドブルは「次はベッテルだ」と檄(げき)を飛ばした。当然と言わんばかりにリカルドはベッテルも追い抜いて2番手に上がると、1.7秒前を走っていたボッタスを最後のターゲットにする。
その頃、ハミルトンをかわして4番手にポジションアップしていたフェルスタッペンがヘアピンでベッテルを追い抜こうとして接触し、2台がスピンを喫してしまう。接近していたハミルトンとライコネンはギリギリのところで回避したが、ハミルトンはオーバーランを強いられ、インサイドを通過したライコネンが3番手の座を手に入れる。フェルスタッペンには接触を引き起こしたとして後に10秒のタイムペナルティが科されている。
この時点でまだ先頭はボッタスが守っていたが、0.4秒後方にリカルドが迫り、ライコネンがその5秒後ろ、ハミルトン、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグが6番手、ベッテルは7番手に後退していた。
しかし、45周目が終わる前にはリカルドがボッタスを料理してラップリーダーに躍り出ており、残り5周を迎えて2番手以降に5秒以上のリードを築く。ペースに苦しんだボッタスはライコネンと、ハミルトンを追い抜いて4番手に浮上したフェルスタッペンを真後ろに抱えた状態で防御の走りに集中することになった。
それでも、ボッタスは何とかポジションを死守し、トップチェッカーを受けたリカルドに8.9秒遅れて2位でゴール。ライコネンが3位表彰台に上っている。
フェルスタッペンは4番手の位置でゴールするも、10秒のタイムペナルティが加算された結果、4位ハミルトン、以下、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグ、アロンソ、ベッテル、サインツ、マグヌッセンが入賞を果たした。ベッテルは残り2周でアロンソにオーバーテイクを許し、ファイナルラップではサインツからもプレッシャーを受けたが、8位でフィニッシュしている。
トロ・ロッソのハートレーは結局、終盤にマシンをガレージに入れてリタイアを喫し、ガスリーは18位で完走となった。
トロ・ロッソ・ホンダ、決勝も良い方向にならなかったようで、はたまた、ハートレーとガスリーは同士討ちしてしまいました。
次戦アゼルバイジャンGPでは頑張って欲しいですね!
風が強く、前日よりも気温が下がった土曜日の予選ではフェラーリのベッテルがチームメイトとの接戦を制してポールポジションを獲得。0.087秒差で惜しくもポールを逃したものの、相棒のライコネンがフロントローに入り、フェラーリが1列目を独占している。メルセデスが2列目につけ、レッドブルが3列目に並んだ。
上海の"上"の字をかたどったデザインが特徴の上海インターナショナル・サーキットは全長5,451km、レースは全56周で争われ、気温18℃、路面温度39℃、湿度21%のドライコンディションでスタート時刻を迎えた。11番グリッドに並んだハースF1のマグヌッセンがユーズドのソフトタイヤを選び、トロ・ロッソは15番手のハートレーに新品のウルトラソフト、17番手のガスリーには新しいミディアムタイヤを履かせて決戦に挑んでおり、トロ・ロッソ以外、12番グリッド以降のドライバーはソフトタイヤのニューセットを選択している。
シグナル消灯と同時に好発進を決めたベッテルが先頭をキープしたが、ターン1にかけてはチームメイトを抑えてしまい、その間にメルセデスのボッタスがライコネンを追い抜いた。さらにライコネンはレッドブルのフェルスタッペンにもポジションを奪われたものの、後方のハミルトン(メルセデス)のプレッシャーには何とか耐えている。8番手スタートだったフォース・インディアのペレスが14番手まで後退しており、リプレー映像ではマクラーレンのアロンソとわずかに接触してコース外に飛び出していたシーンが確認された。
ベッテルとボッタスが少しずつペースを上げる中、3番手のフェルスタッペンが遅れ始め、10周目を終える頃には4.9秒の差が開いていた。その後ろをライコネンとハミルトンが追いかける。
最初にピットストップに動いたのはトロ・ロッソ。後方集団に埋もれていたハートレーを呼び入れ、ミディアムタイヤを履かせてコースに送り出した。この時点で残り周回数は45周あり、"失うものはない"状況を踏まえて1ストップに挑戦したと思われる。その後、フォース・インディアとルノーも最初のピットストップを実施し、ルノーはミディアムタイヤを選択したが、フォース・インディアはソフトタイヤを履かせており、この時点では2ストップ戦略を予定していたようだ。
上位勢で最初にピットストップを行ったレッドブルはフェルスタッペンとリカルドのダブルピットストップを敢行し、18周目に無事に2台のタイヤをミディアムに交換した。ベッテルが19周目に入った頃、今度はメルセデスがハミルトンを呼び入れ、翌周にはボッタスもピットストップを完了。どちらもタイヤはミディアムコンパウンドを選んだ。
フェラーリはメルセデスの動きを見てもステイアウトを続け、ベッテルがピットに向かったのは21周目。今週末のタイヤで一番硬いミディアムに履き替えて隊列に戻っている。
しかし、ライコネンはその後もしばらくステイアウトを続け、すでにタイヤ交換を終えたボッタスとベッテルの接近を許した結果、28周目にはラップリーダーの座を譲り、そこでようやくピットに向かった。
そこから2周ほど経過した後、ヘアピンでトロ・ロッソ勢が同士討ちを喫してしまう。前を走っていたハートレーの後ろにガスリーが突っ込み、ハートレーはスピンを強いられてコース上にはデブリが散らばった。ガスリーはハートレーがドアを閉じたと訴えたが、前のウィリアムズマシンを追いかけていたハートレーはレーシングラインを守ってターンインしたように見え、ガスリーのブレーキングが遅すぎた可能性もある。
デブリの清掃のためにセーフティカーが導入され、その合図を見てレッドブルが再びダブルピットストップを敢行。他にも中団グループの一部が同様に2回目のタイヤ交換を済ませたが、フェラーリとメルセデスはタイミングが合わずにコースにとどまった。
35周目の終わりにセーフティカーが解除され、リスタートではボッタスがリードを維持する。フレッシュタイヤを履くリカルドがライコネンへのオーバーテイクを成功させてポジションを上げ、ハミルトンを追いかけていたフェルスタッペンも追い抜きに挑むが、サイド・バイ・サイドの状態から接触を回避するためコースを飛び出さなければならず、コース復帰を果たしたものの、リカルドに先行されて5番手に後退してしまった。
快調に飛ばすリカルドはまたもヘアピンで、今度はハミルトンをオーバーテイク。表彰台圏内に入ったリカルドに、レッドブルは「次はベッテルだ」と檄(げき)を飛ばした。当然と言わんばかりにリカルドはベッテルも追い抜いて2番手に上がると、1.7秒前を走っていたボッタスを最後のターゲットにする。
その頃、ハミルトンをかわして4番手にポジションアップしていたフェルスタッペンがヘアピンでベッテルを追い抜こうとして接触し、2台がスピンを喫してしまう。接近していたハミルトンとライコネンはギリギリのところで回避したが、ハミルトンはオーバーランを強いられ、インサイドを通過したライコネンが3番手の座を手に入れる。フェルスタッペンには接触を引き起こしたとして後に10秒のタイムペナルティが科されている。
この時点でまだ先頭はボッタスが守っていたが、0.4秒後方にリカルドが迫り、ライコネンがその5秒後ろ、ハミルトン、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグが6番手、ベッテルは7番手に後退していた。
しかし、45周目が終わる前にはリカルドがボッタスを料理してラップリーダーに躍り出ており、残り5周を迎えて2番手以降に5秒以上のリードを築く。ペースに苦しんだボッタスはライコネンと、ハミルトンを追い抜いて4番手に浮上したフェルスタッペンを真後ろに抱えた状態で防御の走りに集中することになった。
それでも、ボッタスは何とかポジションを死守し、トップチェッカーを受けたリカルドに8.9秒遅れて2位でゴール。ライコネンが3位表彰台に上っている。
フェルスタッペンは4番手の位置でゴールするも、10秒のタイムペナルティが加算された結果、4位ハミルトン、以下、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグ、アロンソ、ベッテル、サインツ、マグヌッセンが入賞を果たした。ベッテルは残り2周でアロンソにオーバーテイクを許し、ファイナルラップではサインツからもプレッシャーを受けたが、8位でフィニッシュしている。
トロ・ロッソのハートレーは結局、終盤にマシンをガレージに入れてリタイアを喫し、ガスリーは18位で完走となった。
トロ・ロッソ・ホンダ、決勝も良い方向にならなかったようで、はたまた、ハートレーとガスリーは同士討ちしてしまいました。
次戦アゼルバイジャンGPでは頑張って欲しいですね!