13日(日)、シーズン第17戦アブダビGP決勝レースが開催され、レッドブルのフェルスタッペンが危なげない走りでポール・トゥ・ウインを達成した。
今年最後の予選セッションで1分35秒271をたたき出してポールポジションを獲得したフェルスタッペン。メルセデス勢も匹敵するペースを見せたものの、100分の数秒差でボッタスが2番手、ハミルトンが3番手となった。トップ3ドライバーはいずれもQ2をミディアムタイヤで突破しており、他に6番グリッドに並んだマクラーレンのサインツと、前戦のペナルティで12番手スタートになったフェラーリのルクレールがユーズドのミディアムタイヤを第1スティントに履いている。
全長5.554kmのヤス・マリーナ・サーキットの決勝レースは55周で争われ、夕刻を迎えたアブダビは気温23.4℃、路面温度30.2℃、湿度50.6%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。タイヤを自由に選択できる予選11番手以下の面々はルクレールのグリッド降格によって10番手からスタートしたルノーのオコンが新品のミディアム、相棒のリカルドは新しいハードのセットを装着した。
オーバーテイクが難しいとされるアブダビは蹴り出しがポジションアップのチャンスとなるが、上位勢は概ね順当に発進を決めており、ターン1はフェルスタッペンが先頭で駆け抜けている。トップ10スタートの中でポジションを上げたのはアルファ・タウリのガスリーをかわして9番手に浮上したオコンだ。ただ、2周目にはガスリーがホイール・トゥ・ホイールのバトルに持ち込み、オーバーテイクを成功させて9番手の座を取り戻した。
ラップリーダーのフェルスタッペンは快走して徐々にリードを広げ、5周目に入った時点でボッタスとのギャップは2.5秒近くあり、ハミルトンはそこからさらに3秒ほど離れた位置に陣取った。
4番手のノリス(マクラーレン)はレッドブルを駆るアルボンからプレッシャーを受け、一度はアルボンが前に出たものの、すぐさまノリスが巻き返す攻防戦を披露。それでも、ペース的にはレッドブルの方が良かったようで、アルボンが再び追い抜いて4番手を確保している。前が開けたアルボンは1分43秒台のペースで後続を引き離しにかかり、ノリスから後方はレーシング・ポイントのストロールやアルファ・タウリ勢、ルノー、フェラーリの各車が連なる行列状態でレースが進んだ。
規定数を超えるエンジンコンポーネントを投入した関係でグリッドペナルティを受けたレーシング・ポイントのペレスは最後列からスタートしたあと、順調にフィールドを駆け上がり、9周目にはアルファロメオ・レーシングのライコネンをオーバーテイク、フェラーリ勢から2秒ほど離れた14番手まで巻き返していた。しかしながら、メカニカルトラブルに見舞われてしまい、コース脇にマシンを停めて万事休す。前戦のウイナーが10周目にして戦線離脱することになった。すでに今季でチームを離れることが決まっているペレスは悔しさをにじませながらパドックへと帰還した。
ペレスのインシデントにより黄旗が振られたあと、バーチャルセーフティカーが発令されたのを受けてフェルスタッペンをはじめ、上位勢が順番にピットインしてタイヤを交換していく。メルセデスはダブルストップを敢行し、前回のレースで犯したミスを繰り返すことなくボッタスとハミルトンのタイヤをハードのセットに変えてコースへと送り出している。
ハードでスタートしたルノーのリカルドはステイアウトを選んで5番手に上がり、フェラーリのベッテルとルクレールもピットには入らずコースにとどまったため、ハードに履き替えたノリスに次ぐ7番手の位置にベッテルがつけ、ルクレールが続き、サインツは9番手に下がった。
レーシング・ポイントマシンの撤去作業のため、結局、セーフティカーが出動することになり、フェルスタッペンが築いたリードは白紙に戻る。13周目の終わりにセーフティカーが解除されると、大きなアクシデントが起きることなく各車が加速していき、先頭集団にオーダーの変化はなかったものの、サインツがルクレールをかわして8番手に上がっている。ユーズドのミディアムを履き続けるルクレールはストロールにも追い抜きを許したが、すぐさまトウを使ってサイド・バイ・サイドに持ち込んでポジションを取り戻した。
ピットストップの際に不必要にピットレーンを低速走行したとしてサインツが審議対象になったことが公表された直後、ベッテルがステアリングを握る2台目のフェラーリもオーバーテイクしたサインツが7番手に上がり、4秒ほど前を走っていたチームメイトの背中を追いかけ始める。そのノリスは来季のチームメイトになるリカルドと接近戦を繰り広げており、DRSを生かして何度か攻撃を仕掛けていったが、リカルドの防御にあって簡単には前に出させてもらえない。
20周を超えても第1スティントを継続するルクレールはタイヤに苦しんでいる様子で、11番手に後退してなお、DRS圏内にオコンとクビアトが控えており、オコンにオーバーテイクを食らったあと、ピットレーンに飛び込んでハードタイヤに履き替えた。ルクレールは最後尾の19番手でコースに復帰し、この時点で前のフィッティパルディ(ハースF1)とは7秒以上のギャップが開いていたが、フィッティパルディよりも3秒から4秒速いペースで追い上げ、3周ほどで18番手にポジションアップしている。
一方、6秒以上のリードを築いて先頭を走るフェルスタッペンが「今のタイヤで最後まで行くのは無理かも」と言えば、3番手のハミルトンも同意見をメルセデスのピットウオールに伝えており、それぞれタイヤ管理を徹底しながら周回を重ねているものの、レース終盤には2回目のピットストップが予想された。
残り25周となってフェルスタッペンのリードは約7.5秒に広がり、2番手のボッタスは後方のチームメイトに2.4秒差をつけ、ハミルトンとアルボンのギャップは6秒以上、5番手以下はさらに17秒離れた位置を走っていたため、トップ4の顔ぶれはこの時点でほぼ固まったと言えよう。
中団グループで気を吐いたのがガスリーだ。ストロールをかわして9番手に上がると、ハードタイヤでロングスティント中だったベッテルとのバトルも制してまたひとつポジションアップを成功させた。ただ、そこから前方のサインツまでは12秒以上のギャップがあり、ラップタイムもマクラーレンの方がやや好調だったことから、前との差はなかなか縮められなかった。
ガスリーに抜かれた後のベッテルはストロールやオコン、クビアトを引き連れて行列を作りながらもポジションを譲ることなく走り続け、フェルスタッペンが36周目に入ったタイミングで、最初で最後のタイヤ交換を完了する。新品のミディアムタイヤを履いてチェッカーを目指すことになったベッテルは15番手の位置で隊列に戻り、周辺のマシンよりも速いラップタイムを刻みながら前進を目指した。
残り15周を切ってようやくルノーがリカルドをピットに呼び入れ、ハードからミディアムに履き替えたリカルドは7番手の位置でコース復帰。前を行くサインツとは15秒近いギャップがあり、フレッシュタイヤの利点を生かしてチャージをかけていきたいところだったが、ハードのときに見せていたペースが影を潜めてしまったようで、むしろサインツとの差は開き、後方のガスリーに接近を許してしまう。ただ、5周を経てようやくパフォーマンスが改善され、前のラップよりも4秒以上速いペースでガスリーを引き離しながらサインツに近づいていった。
ラスト10周を迎えてフェルスタッペンが12秒のリードを築く一方、ハミルトンが若干ギアを上げてボッタスとの差を詰めにかかるも、それに応じるようにボッタスもペースを調整したため、最後まで走り切るという絶対的な目標がある中で2人とも無理はせずにゴールを目指している。
最終戦はフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを達成し、ボッタスが2位、ハミルトンが3位で表彰台に上った。4位以下、入賞はアルボン、ノリス、サインツ、最後に1分40秒926のファステストを刻んだリカルドが7位フィニッシュとなり、ガスリーに次いでゴールしたオコンとストロールがポイントを獲得している。
クビアトは惜しくもポイントにとどかなかたものの11位で完走、ライコネン、ルクレール、ベッテル、ラッセル(ウィリアムズ)、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、ラティフィ(ウィリアムズ)に続き、マグヌッセンとフィッティパルディのハースF1勢が18位と19位でチェッカーフラッグを受けた。
なお、サインツがピットレーンで低速走行した一件はレース後に審議されたが、おとがめなしの裁定が下り、レース結果に変更はない。
当初の予定より数は減ったものの、2020年に組まれた全17戦を完走したF1サーカスが、次にグランプリサーキットに戻ってくるのは来年3月の予定だ。ただし、週明けには最終戦の舞台と同じヤス・マリーナ・サーキットでテストセッションが実施されるため、チームは引き続きアブダビにとどまる。ガスリーの残留のみが決まっている状態のアルファ・タウリは角田裕毅と佐藤万璃音の日本人ドライバー2人をドライブさせる予定で、オフシーズンに入ってもF1サーカスからは目が離せそうにない。
ホンダPU勢、最終戦で優勝したフェルスタッペン、4位のアルボン、8位ガスリー、惜しくもポイントを逃した11位リカルドと善戦しました。
来シーズンは、日本人ドライバーが参戦できるか楽しみです。
今年最後の予選セッションで1分35秒271をたたき出してポールポジションを獲得したフェルスタッペン。メルセデス勢も匹敵するペースを見せたものの、100分の数秒差でボッタスが2番手、ハミルトンが3番手となった。トップ3ドライバーはいずれもQ2をミディアムタイヤで突破しており、他に6番グリッドに並んだマクラーレンのサインツと、前戦のペナルティで12番手スタートになったフェラーリのルクレールがユーズドのミディアムタイヤを第1スティントに履いている。
全長5.554kmのヤス・マリーナ・サーキットの決勝レースは55周で争われ、夕刻を迎えたアブダビは気温23.4℃、路面温度30.2℃、湿度50.6%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。タイヤを自由に選択できる予選11番手以下の面々はルクレールのグリッド降格によって10番手からスタートしたルノーのオコンが新品のミディアム、相棒のリカルドは新しいハードのセットを装着した。
オーバーテイクが難しいとされるアブダビは蹴り出しがポジションアップのチャンスとなるが、上位勢は概ね順当に発進を決めており、ターン1はフェルスタッペンが先頭で駆け抜けている。トップ10スタートの中でポジションを上げたのはアルファ・タウリのガスリーをかわして9番手に浮上したオコンだ。ただ、2周目にはガスリーがホイール・トゥ・ホイールのバトルに持ち込み、オーバーテイクを成功させて9番手の座を取り戻した。
ラップリーダーのフェルスタッペンは快走して徐々にリードを広げ、5周目に入った時点でボッタスとのギャップは2.5秒近くあり、ハミルトンはそこからさらに3秒ほど離れた位置に陣取った。
4番手のノリス(マクラーレン)はレッドブルを駆るアルボンからプレッシャーを受け、一度はアルボンが前に出たものの、すぐさまノリスが巻き返す攻防戦を披露。それでも、ペース的にはレッドブルの方が良かったようで、アルボンが再び追い抜いて4番手を確保している。前が開けたアルボンは1分43秒台のペースで後続を引き離しにかかり、ノリスから後方はレーシング・ポイントのストロールやアルファ・タウリ勢、ルノー、フェラーリの各車が連なる行列状態でレースが進んだ。
規定数を超えるエンジンコンポーネントを投入した関係でグリッドペナルティを受けたレーシング・ポイントのペレスは最後列からスタートしたあと、順調にフィールドを駆け上がり、9周目にはアルファロメオ・レーシングのライコネンをオーバーテイク、フェラーリ勢から2秒ほど離れた14番手まで巻き返していた。しかしながら、メカニカルトラブルに見舞われてしまい、コース脇にマシンを停めて万事休す。前戦のウイナーが10周目にして戦線離脱することになった。すでに今季でチームを離れることが決まっているペレスは悔しさをにじませながらパドックへと帰還した。
ペレスのインシデントにより黄旗が振られたあと、バーチャルセーフティカーが発令されたのを受けてフェルスタッペンをはじめ、上位勢が順番にピットインしてタイヤを交換していく。メルセデスはダブルストップを敢行し、前回のレースで犯したミスを繰り返すことなくボッタスとハミルトンのタイヤをハードのセットに変えてコースへと送り出している。
ハードでスタートしたルノーのリカルドはステイアウトを選んで5番手に上がり、フェラーリのベッテルとルクレールもピットには入らずコースにとどまったため、ハードに履き替えたノリスに次ぐ7番手の位置にベッテルがつけ、ルクレールが続き、サインツは9番手に下がった。
レーシング・ポイントマシンの撤去作業のため、結局、セーフティカーが出動することになり、フェルスタッペンが築いたリードは白紙に戻る。13周目の終わりにセーフティカーが解除されると、大きなアクシデントが起きることなく各車が加速していき、先頭集団にオーダーの変化はなかったものの、サインツがルクレールをかわして8番手に上がっている。ユーズドのミディアムを履き続けるルクレールはストロールにも追い抜きを許したが、すぐさまトウを使ってサイド・バイ・サイドに持ち込んでポジションを取り戻した。
ピットストップの際に不必要にピットレーンを低速走行したとしてサインツが審議対象になったことが公表された直後、ベッテルがステアリングを握る2台目のフェラーリもオーバーテイクしたサインツが7番手に上がり、4秒ほど前を走っていたチームメイトの背中を追いかけ始める。そのノリスは来季のチームメイトになるリカルドと接近戦を繰り広げており、DRSを生かして何度か攻撃を仕掛けていったが、リカルドの防御にあって簡単には前に出させてもらえない。
20周を超えても第1スティントを継続するルクレールはタイヤに苦しんでいる様子で、11番手に後退してなお、DRS圏内にオコンとクビアトが控えており、オコンにオーバーテイクを食らったあと、ピットレーンに飛び込んでハードタイヤに履き替えた。ルクレールは最後尾の19番手でコースに復帰し、この時点で前のフィッティパルディ(ハースF1)とは7秒以上のギャップが開いていたが、フィッティパルディよりも3秒から4秒速いペースで追い上げ、3周ほどで18番手にポジションアップしている。
一方、6秒以上のリードを築いて先頭を走るフェルスタッペンが「今のタイヤで最後まで行くのは無理かも」と言えば、3番手のハミルトンも同意見をメルセデスのピットウオールに伝えており、それぞれタイヤ管理を徹底しながら周回を重ねているものの、レース終盤には2回目のピットストップが予想された。
残り25周となってフェルスタッペンのリードは約7.5秒に広がり、2番手のボッタスは後方のチームメイトに2.4秒差をつけ、ハミルトンとアルボンのギャップは6秒以上、5番手以下はさらに17秒離れた位置を走っていたため、トップ4の顔ぶれはこの時点でほぼ固まったと言えよう。
中団グループで気を吐いたのがガスリーだ。ストロールをかわして9番手に上がると、ハードタイヤでロングスティント中だったベッテルとのバトルも制してまたひとつポジションアップを成功させた。ただ、そこから前方のサインツまでは12秒以上のギャップがあり、ラップタイムもマクラーレンの方がやや好調だったことから、前との差はなかなか縮められなかった。
ガスリーに抜かれた後のベッテルはストロールやオコン、クビアトを引き連れて行列を作りながらもポジションを譲ることなく走り続け、フェルスタッペンが36周目に入ったタイミングで、最初で最後のタイヤ交換を完了する。新品のミディアムタイヤを履いてチェッカーを目指すことになったベッテルは15番手の位置で隊列に戻り、周辺のマシンよりも速いラップタイムを刻みながら前進を目指した。
残り15周を切ってようやくルノーがリカルドをピットに呼び入れ、ハードからミディアムに履き替えたリカルドは7番手の位置でコース復帰。前を行くサインツとは15秒近いギャップがあり、フレッシュタイヤの利点を生かしてチャージをかけていきたいところだったが、ハードのときに見せていたペースが影を潜めてしまったようで、むしろサインツとの差は開き、後方のガスリーに接近を許してしまう。ただ、5周を経てようやくパフォーマンスが改善され、前のラップよりも4秒以上速いペースでガスリーを引き離しながらサインツに近づいていった。
ラスト10周を迎えてフェルスタッペンが12秒のリードを築く一方、ハミルトンが若干ギアを上げてボッタスとの差を詰めにかかるも、それに応じるようにボッタスもペースを調整したため、最後まで走り切るという絶対的な目標がある中で2人とも無理はせずにゴールを目指している。
最終戦はフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを達成し、ボッタスが2位、ハミルトンが3位で表彰台に上った。4位以下、入賞はアルボン、ノリス、サインツ、最後に1分40秒926のファステストを刻んだリカルドが7位フィニッシュとなり、ガスリーに次いでゴールしたオコンとストロールがポイントを獲得している。
クビアトは惜しくもポイントにとどかなかたものの11位で完走、ライコネン、ルクレール、ベッテル、ラッセル(ウィリアムズ)、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、ラティフィ(ウィリアムズ)に続き、マグヌッセンとフィッティパルディのハースF1勢が18位と19位でチェッカーフラッグを受けた。
なお、サインツがピットレーンで低速走行した一件はレース後に審議されたが、おとがめなしの裁定が下り、レース結果に変更はない。
当初の予定より数は減ったものの、2020年に組まれた全17戦を完走したF1サーカスが、次にグランプリサーキットに戻ってくるのは来年3月の予定だ。ただし、週明けには最終戦の舞台と同じヤス・マリーナ・サーキットでテストセッションが実施されるため、チームは引き続きアブダビにとどまる。ガスリーの残留のみが決まっている状態のアルファ・タウリは角田裕毅と佐藤万璃音の日本人ドライバー2人をドライブさせる予定で、オフシーズンに入ってもF1サーカスからは目が離せそうにない。
ホンダPU勢、最終戦で優勝したフェルスタッペン、4位のアルボン、8位ガスリー、惜しくもポイントを逃した11位リカルドと善戦しました。
来シーズンは、日本人ドライバーが参戦できるか楽しみです。