現地14日(日)にインテルラゴス・サーキットを舞台に開催されたシーズン第19戦ブラジルGP決勝レースは大逆転を果たしたメルセデスのハミルトンが優勝を飾った。
スプリントクオリファイイングが採用された週末のため、レースのスタート位置を決める争いの前に、初日に予選が実施され、そのタイムオーダーに従ってスプリントクオリファイイングに臨むはずだったが、トップタイムを刻んだハミルトンがリアウイングの技術違反で失格処分となり、先頭にはライバルのフェルスタッペン(レッドブル)、2番手に相棒のボッタスが並んで短距離走に挑んでいる。ソフトを履いてスタートダッシュを決めたボッタスがラップリーダーの座を奪取し、終盤に持ちの良かったミディアムタイヤで追い上げたフェルスタッペンを振り切ってポールポジションを獲得した。フェルスタッペンはフロントローから、3番グリッドにはフェラーリのサインツが並んでいる。
ハミルトンは今季5基目の内燃機関(CIE)を投入したことで5グリッド降格処分を受けており、10番グリッドから決戦に挑んだ。
これまでの2日間と違い、晴れ間が広がったインテルラゴス・サーキットは気温23.3℃、路面温度53.9℃、湿度61.3%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。1周4.309kmとショートコースのインテルラゴスのレースは71周で争われ、全車が自由選択だったタイヤはアルファタウリの角田だけがソフトタイヤを選択し、それ以外はミディアムタイヤを第1スティントに選んでいる。なお、サスペンションとリアウイングのアッセンブリを交換したアルファロメオ・レーシングのライコネンがピットレーンスタートとなった。
注目の蹴り出しはボッタスとフェルスタッペンともに良かったものの、ターン1を先に通過したのはフェルスタッペンだ。その後方では発進が遅れたサインツをかわそうとしたマクラーレンのノリスがフェラーリマシンと接触し、ノリスはタイヤにパンクチャーを抱えてコースオフを喫している。さらに混み合うコース上ではボッタスやフェラーリコンビがコースを飛び出してしまい、そのスキに3番手に上がっていたレッドブルのペレスが2番手に浮上、ボッタスは3番手に下がり、フェラーリのルクレールが4番手、サインツは5番手にまで後退した。
パンクチャーに見舞われたノリスはなんとかピットへの帰還を果たし、ハードタイヤに履き替えて最後尾の位置で隊列に復帰している。
後方集団ではアストンマーティンのストロールと角田が接触し、ターン1への飛び込みで前を取っていたストロールがコーナリングでドアを閉じた結果、インサイドから引かずに突っ込もうとした角田にぶつかる格好となり、角田のアルファタウリマシンはフロントウイングにダメージを受けた。角田は緊急ピットインしてノーズを交換、タイヤはソフトからハードに履き替えている。
複数のインシデントが発生した一方で、好スタートでポジションアップを成功させていたハミルトンがフェラーリ勢を追い抜き、メルセデスの指示もあって前にいたボッタスを5周目のターン1で追い抜いて3番手に上がった。
ただ、角田のフロントウイングの一部を含むデブリがレーシングライン上に散らばっていたことから、6周目にはセーフティカーが出動し、隊列を率いてピットレーンを通過しながら清掃の完了を待つ。レッドブル勢が築いたリードが白紙に戻る中、9周目の終わりにセーフティカーが解除され、迎えたリスタートではフェルスタッペンがリードをキープしてペレスも2番手を死守、ハミルトン、ボッタス、ルクレール、サインツ、7番手にベッテル(アストンマーティン)、アルファタウリを駆るガスリーが8番手、アルピーヌのオコンに続いてマクラーレンのリカルドが10番手につけていたが、リカルドがオコンに対するオーバーテイクを成功させてポジションをひとつあげている。
11番手以降はオーダー変化が激しく、ストロールがアロンソ(アルピーヌ)をかわしたほか、一時は最後尾に後退していたノリスが15番手に、ピットレーンスタートのライコネンを挟んで角田が17番手につけていた。リスタート後にライコネンとサイド・バイ・サイドになったハースF1のシューマッハがコーナリングでアンダーステアに見舞われたようで、アルファロメオ・レーシングのマシンにぶつかってしまい、ノーズにダメージを受けている。パーツがマシンの下に入っていたため、それを抱えたままの走行を強いられたシューマッハだが、自力でピットに帰還してパーツを交換し、20番手の位置でレースを続行した。
このインシデントでコース上にデブリが散らばったため、今度はバーチャルセーフティカーが発令されたが、14周目には解除されて本来のペースに戻すことが認められた。その直後、ストロールとの接触を引き起こしたとして角田に10秒のタイムペナルティが科され、次のピットストップのタイミングで10秒間の停止が命ぜられる。ライコネンとシューマッハの一件は制裁措置の必要なしとの判断が下っている。
フェルスタッペンが必死にマシンをプッシュしてリードを広げようとするさなか、ホームストレートでハミルトンがペレスに並んで2番手に上がるも、DRSゾーンでメルセデスマシンのトウを生かしたペレスがオーバーテイクを成功させてポジションを奪い返す。2人のバトルはこれに終わらず、次の周回でもハミルトンはターン1への飛び込みで追い抜きを狙い、今度はペレスの反撃もうまく回避して2番手のポジションを確保した。
20周目を迎えて先頭はフェルスタッペンのまま、3.8秒差でハミルトンが続き、1.8秒後方にペレス、ボッタスはコンマ数秒差でレッドブルマシンを追いかけていた。フェラーリコンビとガスリーの後方、8番手のポジションをめぐってはベッテルとリカルドが激しい攻防戦を繰り広げ、一度はリカルドの追い抜きに反撃してポジションを取り戻したベッテルだったが、リカルドの再度のオーバーテイクではあらがえず、ガスリーから2.5秒差の8番手にはリカルドがつき、ベッテルは9番手に収まっている。とはいえ、2人のギャップは1.4秒ほどしかなく、後ろには2秒弱の差でオコンも迫っている状態だった。
序盤にセーフティカーが導入されたことで、ピットストップのタイミングは多少の調整が入ったと考えられるものの、2ストップ戦略が最速とされるレースの3分の1を終え、フィールド全体が接近する中で、それぞれの立場でライバルとの駆け引きが続いていた。フェルスタッペンから「ちょっとスライドし始めた」との報告を受けたレッドブルだが、すぐに呼び入れることはなく、姉妹チームのアルファタウリが26周目にガスリーをタイヤ交換に呼んでいる。
次の周回ではメルセデスがハミルトンにピットインを指示、フェラーリもサインツのタイヤ交換を済ませてコースに送り出した。ライバルの動きを見ていたレッドブルは28周目に入るタイミングでフェルスタッペンのピットストップを完了し、フェラーリももう1台を駆るルクレールのタイヤを交換した。メルセデスはボッタスをステイアウトさせたが、レッドブルはフェルスタッペンに続いてペレスのピットストップも終えている。
ガスリーがフレッシュタイヤを生かしてノリスをオーバーテイクした直後、ストロールのマシンから破損したパーツが外れ、ホームストレートにデブリが飛散したことから一時的にバーチャルセーフティカーが発令される。これを受けてすぐさまメルセデスはボッタスをピットインさせ、マクラーレンもまだスタートと同じタイヤを履いていたリカルドを呼び入れている。
バーチャルセーフティカー中のピットストップがメルセデスとボッタスにとっては好機となり、ハードタイヤに履き替えたボッタスはペレスの前、3番手でコースに戻り、トップ4のオーダーはフェルスタッペン、ハミルトン、ボッタス、ペレスに変わった。この時点で6番手につけていたアロンソが最初のピットストップに向かった結果、5番手以下はルクレール、サインツ、ガスリー、リカルド、ノリス、角田と並ぶトップ10だったが、序盤に履き替えたハードタイヤで30周以上を走る角田はタイヤ交換を終えたばかりのオコンの攻撃に耐えられず、オコンが10番手に上がり、角田は11番手に後退している。
角田よりも早く2セット目のタイヤを履いていたノリスは38周目に2度目のピットストップを敢行し、第3スティントもハードタイヤを選択した。角田はタイヤの状態がかなりきついなかで懸命に周回を重ねていたが、後方から迫ってきたベッテルとアロンソのチャンピオン経験者2人に追い抜かれた後、ピットに向かい、10秒のタイムペナルティを消化した後、2セット目のハードタイヤを履いてコースに戻っている。
さらに、先頭からフェルスタッペンがピットインして新しいハードタイヤを装着。これに対してメルセデスはボッタスを呼び入れ、こちらもハードタイヤの別のセットに履き替えた。続く43周目にペレスが2度目にして最後のピットストップでハードタイヤに交換し、その翌周にハミルトンがピットに向かう。注目された位置関係はフェルスタッペンがリードを維持し、ハミルトンは2.6秒のギャップでライバルを追いかけることになった。ピットアウトしたハミルトンはこの戦略に不満が残っているようで、「アンダーカットするのはダメだったのか?」と問いかけるシーンが見られた。ハミルトンはミディアムタイヤを希望していたようだが、路面温度の高さを考えるとデグラデーションが激しいと予想され、メルセデスはハードを履かせている。
レッドブルがフェルスタッペンにタイヤをケアするよう指示した一方で、ハミルトンはファステストラップを刻んでフェルスタッペンとの差を詰めにかかる。48周目にはサイド・バイ・サイドに持ち込むも、ターン4で2台ともコースを飛び出してしまい、ポジションはそのまま入れ替わっていない。この一件はスチュワードに報告されたものの、審議の必要なしとの判断に至った。
スプリントクオリファイイングが採用されたグランプリ週末――イギリスとイタリア――はいずれもレースで接触を喫したフェルスタッペンとハミルトンだが、ブラジルでは少なくともマシンをぶつけ合うことはなく、ラスト20周の攻防戦に全集中していく。
数周にわたって1秒前後のギャップをキープしていたハミルトンが動きを見せたのは59周目。一気に加速してフェルスタッペンに並ぶと、圧倒的なパワーを見せてオーバーテイクを決めた。フェルスタッペンはタイヤに苦戦しているのか、ハミルトンについていけず、2人のギャップはすぐに2秒以上に広がっている。
3番手を走るボッタスはすでに上位2人から10秒以上離されていたため、4秒後方に控えるペレスとの終盤のバトルに備える。ペレスと5番手のルクレールはすでに34秒の差が開いており、入賞圏内ではこの時点で1ストップだったアルピーヌのアロンソとオコンを、フレッシュタイヤを履くガスリーが猛追していた。まずオコンを料理したガスリーは、史上最高のドライバーと評されるアロンソとのバトルも制して7番手の座を手に入れている。アルピーヌとアルファタウリはコンストラクターズ選手権5位タイでサンパウロの週末に臨んでおり、角田がポイント圏外にいるアルファタウリにとってはガスリーがひとつでも上位でフィニッシュすることが重要だ。
ポイント圏内の最後のひと枠にはノリスがつけていたが、前のオコンとは8秒以上の差が開き、11番手のベッテルまでは4秒ほどのリードがあった。マクラーレンはリカルドがテクニカルトラブルでリタイアを喫しており、アストンマーティンもストロールがマシンダメージのひどさが理由で戦線離脱を余儀なくされている。
残り2周を迎えてレッドブルはフリーストップが可能だったペレスをピットに呼び入れ、ソフトタイヤを履かせてファステストラップを狙う戦略に打って出る。その狙い通り、ファイナルラップでペレスが1分11秒010の最速ラップをまとめ上げた。
最終的に10秒以上のリードを築いたハミルトンがトップチェッカーを受け、フェルスタッペンが2位、3秒遅れてボッタスが3位で表彰台に上った。4位以下、入賞したペレス、ルクレール、サインツ、ガスリー、オコン、アロンソ、ノリスがポイントを獲得している。
完走は11位から順にベッテル、ライコネン、ラッセル(ウィリアムズ)、ジョビナッツィ、角田、ラティフィ(ウィリアムズ)、マゼピンとシューマッハのハースF1勢が2周遅れながら17位と18位でゴールした。
ホンダPU勢、残念ながらフェルスタッペンが2番手、ペレスが4番手、ガスリーが7番手、角田はインシデントのペナルティもあって15番手の結果でした。
次の戦いの第20戦カタールGPに期待しましょう!
スプリントクオリファイイングが採用された週末のため、レースのスタート位置を決める争いの前に、初日に予選が実施され、そのタイムオーダーに従ってスプリントクオリファイイングに臨むはずだったが、トップタイムを刻んだハミルトンがリアウイングの技術違反で失格処分となり、先頭にはライバルのフェルスタッペン(レッドブル)、2番手に相棒のボッタスが並んで短距離走に挑んでいる。ソフトを履いてスタートダッシュを決めたボッタスがラップリーダーの座を奪取し、終盤に持ちの良かったミディアムタイヤで追い上げたフェルスタッペンを振り切ってポールポジションを獲得した。フェルスタッペンはフロントローから、3番グリッドにはフェラーリのサインツが並んでいる。
ハミルトンは今季5基目の内燃機関(CIE)を投入したことで5グリッド降格処分を受けており、10番グリッドから決戦に挑んだ。
これまでの2日間と違い、晴れ間が広がったインテルラゴス・サーキットは気温23.3℃、路面温度53.9℃、湿度61.3%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。1周4.309kmとショートコースのインテルラゴスのレースは71周で争われ、全車が自由選択だったタイヤはアルファタウリの角田だけがソフトタイヤを選択し、それ以外はミディアムタイヤを第1スティントに選んでいる。なお、サスペンションとリアウイングのアッセンブリを交換したアルファロメオ・レーシングのライコネンがピットレーンスタートとなった。
注目の蹴り出しはボッタスとフェルスタッペンともに良かったものの、ターン1を先に通過したのはフェルスタッペンだ。その後方では発進が遅れたサインツをかわそうとしたマクラーレンのノリスがフェラーリマシンと接触し、ノリスはタイヤにパンクチャーを抱えてコースオフを喫している。さらに混み合うコース上ではボッタスやフェラーリコンビがコースを飛び出してしまい、そのスキに3番手に上がっていたレッドブルのペレスが2番手に浮上、ボッタスは3番手に下がり、フェラーリのルクレールが4番手、サインツは5番手にまで後退した。
パンクチャーに見舞われたノリスはなんとかピットへの帰還を果たし、ハードタイヤに履き替えて最後尾の位置で隊列に復帰している。
後方集団ではアストンマーティンのストロールと角田が接触し、ターン1への飛び込みで前を取っていたストロールがコーナリングでドアを閉じた結果、インサイドから引かずに突っ込もうとした角田にぶつかる格好となり、角田のアルファタウリマシンはフロントウイングにダメージを受けた。角田は緊急ピットインしてノーズを交換、タイヤはソフトからハードに履き替えている。
複数のインシデントが発生した一方で、好スタートでポジションアップを成功させていたハミルトンがフェラーリ勢を追い抜き、メルセデスの指示もあって前にいたボッタスを5周目のターン1で追い抜いて3番手に上がった。
ただ、角田のフロントウイングの一部を含むデブリがレーシングライン上に散らばっていたことから、6周目にはセーフティカーが出動し、隊列を率いてピットレーンを通過しながら清掃の完了を待つ。レッドブル勢が築いたリードが白紙に戻る中、9周目の終わりにセーフティカーが解除され、迎えたリスタートではフェルスタッペンがリードをキープしてペレスも2番手を死守、ハミルトン、ボッタス、ルクレール、サインツ、7番手にベッテル(アストンマーティン)、アルファタウリを駆るガスリーが8番手、アルピーヌのオコンに続いてマクラーレンのリカルドが10番手につけていたが、リカルドがオコンに対するオーバーテイクを成功させてポジションをひとつあげている。
11番手以降はオーダー変化が激しく、ストロールがアロンソ(アルピーヌ)をかわしたほか、一時は最後尾に後退していたノリスが15番手に、ピットレーンスタートのライコネンを挟んで角田が17番手につけていた。リスタート後にライコネンとサイド・バイ・サイドになったハースF1のシューマッハがコーナリングでアンダーステアに見舞われたようで、アルファロメオ・レーシングのマシンにぶつかってしまい、ノーズにダメージを受けている。パーツがマシンの下に入っていたため、それを抱えたままの走行を強いられたシューマッハだが、自力でピットに帰還してパーツを交換し、20番手の位置でレースを続行した。
このインシデントでコース上にデブリが散らばったため、今度はバーチャルセーフティカーが発令されたが、14周目には解除されて本来のペースに戻すことが認められた。その直後、ストロールとの接触を引き起こしたとして角田に10秒のタイムペナルティが科され、次のピットストップのタイミングで10秒間の停止が命ぜられる。ライコネンとシューマッハの一件は制裁措置の必要なしとの判断が下っている。
フェルスタッペンが必死にマシンをプッシュしてリードを広げようとするさなか、ホームストレートでハミルトンがペレスに並んで2番手に上がるも、DRSゾーンでメルセデスマシンのトウを生かしたペレスがオーバーテイクを成功させてポジションを奪い返す。2人のバトルはこれに終わらず、次の周回でもハミルトンはターン1への飛び込みで追い抜きを狙い、今度はペレスの反撃もうまく回避して2番手のポジションを確保した。
20周目を迎えて先頭はフェルスタッペンのまま、3.8秒差でハミルトンが続き、1.8秒後方にペレス、ボッタスはコンマ数秒差でレッドブルマシンを追いかけていた。フェラーリコンビとガスリーの後方、8番手のポジションをめぐってはベッテルとリカルドが激しい攻防戦を繰り広げ、一度はリカルドの追い抜きに反撃してポジションを取り戻したベッテルだったが、リカルドの再度のオーバーテイクではあらがえず、ガスリーから2.5秒差の8番手にはリカルドがつき、ベッテルは9番手に収まっている。とはいえ、2人のギャップは1.4秒ほどしかなく、後ろには2秒弱の差でオコンも迫っている状態だった。
序盤にセーフティカーが導入されたことで、ピットストップのタイミングは多少の調整が入ったと考えられるものの、2ストップ戦略が最速とされるレースの3分の1を終え、フィールド全体が接近する中で、それぞれの立場でライバルとの駆け引きが続いていた。フェルスタッペンから「ちょっとスライドし始めた」との報告を受けたレッドブルだが、すぐに呼び入れることはなく、姉妹チームのアルファタウリが26周目にガスリーをタイヤ交換に呼んでいる。
次の周回ではメルセデスがハミルトンにピットインを指示、フェラーリもサインツのタイヤ交換を済ませてコースに送り出した。ライバルの動きを見ていたレッドブルは28周目に入るタイミングでフェルスタッペンのピットストップを完了し、フェラーリももう1台を駆るルクレールのタイヤを交換した。メルセデスはボッタスをステイアウトさせたが、レッドブルはフェルスタッペンに続いてペレスのピットストップも終えている。
ガスリーがフレッシュタイヤを生かしてノリスをオーバーテイクした直後、ストロールのマシンから破損したパーツが外れ、ホームストレートにデブリが飛散したことから一時的にバーチャルセーフティカーが発令される。これを受けてすぐさまメルセデスはボッタスをピットインさせ、マクラーレンもまだスタートと同じタイヤを履いていたリカルドを呼び入れている。
バーチャルセーフティカー中のピットストップがメルセデスとボッタスにとっては好機となり、ハードタイヤに履き替えたボッタスはペレスの前、3番手でコースに戻り、トップ4のオーダーはフェルスタッペン、ハミルトン、ボッタス、ペレスに変わった。この時点で6番手につけていたアロンソが最初のピットストップに向かった結果、5番手以下はルクレール、サインツ、ガスリー、リカルド、ノリス、角田と並ぶトップ10だったが、序盤に履き替えたハードタイヤで30周以上を走る角田はタイヤ交換を終えたばかりのオコンの攻撃に耐えられず、オコンが10番手に上がり、角田は11番手に後退している。
角田よりも早く2セット目のタイヤを履いていたノリスは38周目に2度目のピットストップを敢行し、第3スティントもハードタイヤを選択した。角田はタイヤの状態がかなりきついなかで懸命に周回を重ねていたが、後方から迫ってきたベッテルとアロンソのチャンピオン経験者2人に追い抜かれた後、ピットに向かい、10秒のタイムペナルティを消化した後、2セット目のハードタイヤを履いてコースに戻っている。
さらに、先頭からフェルスタッペンがピットインして新しいハードタイヤを装着。これに対してメルセデスはボッタスを呼び入れ、こちらもハードタイヤの別のセットに履き替えた。続く43周目にペレスが2度目にして最後のピットストップでハードタイヤに交換し、その翌周にハミルトンがピットに向かう。注目された位置関係はフェルスタッペンがリードを維持し、ハミルトンは2.6秒のギャップでライバルを追いかけることになった。ピットアウトしたハミルトンはこの戦略に不満が残っているようで、「アンダーカットするのはダメだったのか?」と問いかけるシーンが見られた。ハミルトンはミディアムタイヤを希望していたようだが、路面温度の高さを考えるとデグラデーションが激しいと予想され、メルセデスはハードを履かせている。
レッドブルがフェルスタッペンにタイヤをケアするよう指示した一方で、ハミルトンはファステストラップを刻んでフェルスタッペンとの差を詰めにかかる。48周目にはサイド・バイ・サイドに持ち込むも、ターン4で2台ともコースを飛び出してしまい、ポジションはそのまま入れ替わっていない。この一件はスチュワードに報告されたものの、審議の必要なしとの判断に至った。
スプリントクオリファイイングが採用されたグランプリ週末――イギリスとイタリア――はいずれもレースで接触を喫したフェルスタッペンとハミルトンだが、ブラジルでは少なくともマシンをぶつけ合うことはなく、ラスト20周の攻防戦に全集中していく。
数周にわたって1秒前後のギャップをキープしていたハミルトンが動きを見せたのは59周目。一気に加速してフェルスタッペンに並ぶと、圧倒的なパワーを見せてオーバーテイクを決めた。フェルスタッペンはタイヤに苦戦しているのか、ハミルトンについていけず、2人のギャップはすぐに2秒以上に広がっている。
3番手を走るボッタスはすでに上位2人から10秒以上離されていたため、4秒後方に控えるペレスとの終盤のバトルに備える。ペレスと5番手のルクレールはすでに34秒の差が開いており、入賞圏内ではこの時点で1ストップだったアルピーヌのアロンソとオコンを、フレッシュタイヤを履くガスリーが猛追していた。まずオコンを料理したガスリーは、史上最高のドライバーと評されるアロンソとのバトルも制して7番手の座を手に入れている。アルピーヌとアルファタウリはコンストラクターズ選手権5位タイでサンパウロの週末に臨んでおり、角田がポイント圏外にいるアルファタウリにとってはガスリーがひとつでも上位でフィニッシュすることが重要だ。
ポイント圏内の最後のひと枠にはノリスがつけていたが、前のオコンとは8秒以上の差が開き、11番手のベッテルまでは4秒ほどのリードがあった。マクラーレンはリカルドがテクニカルトラブルでリタイアを喫しており、アストンマーティンもストロールがマシンダメージのひどさが理由で戦線離脱を余儀なくされている。
残り2周を迎えてレッドブルはフリーストップが可能だったペレスをピットに呼び入れ、ソフトタイヤを履かせてファステストラップを狙う戦略に打って出る。その狙い通り、ファイナルラップでペレスが1分11秒010の最速ラップをまとめ上げた。
最終的に10秒以上のリードを築いたハミルトンがトップチェッカーを受け、フェルスタッペンが2位、3秒遅れてボッタスが3位で表彰台に上った。4位以下、入賞したペレス、ルクレール、サインツ、ガスリー、オコン、アロンソ、ノリスがポイントを獲得している。
完走は11位から順にベッテル、ライコネン、ラッセル(ウィリアムズ)、ジョビナッツィ、角田、ラティフィ(ウィリアムズ)、マゼピンとシューマッハのハースF1勢が2周遅れながら17位と18位でゴールした。
ホンダPU勢、残念ながらフェルスタッペンが2番手、ペレスが4番手、ガスリーが7番手、角田はインシデントのペナルティもあって15番手の結果でした。
次の戦いの第20戦カタールGPに期待しましょう!
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