分厚い灰色の雲に覆われたシルバーストン・サー
キットで15日(土)、2017年FIA F1世界選手権第
10戦イギリスGP予選が実施され、メルセデスの
ハミルトンがポールポジションを獲得した。
初日同様、メルセデスコンビが100分の数秒を争
う展開となるも、最後のフリー走行はフェラーリの
ベッテルがボッタスを上回って2番手に食い込ん
でいる。とはいえ、ハミルトンとボッタスのタイム差
は0.074秒しかない。
ただ、ボッタスは予定外のギアボックス交換を強
いられて5グリッド降格が決まっており、また、レッ
ドブルのリカルドも同様にギアボックスを交換して
ペナルティを受けている。
加えて、マクラーレンのアロンソは初日にエネル
ギー貯蔵を、土曜日に先だっては今季8基目の
ターボチャージャーを含む複数のコンポーネント
を載せ替えたため、合計30グリッド降格処分を科
されることになった。
午前中から雨がパラパラと降り続けるシルバース
トン・サーキットは気温17℃、路面温度21℃、湿
度86%のウェットコンディションで予選スタートを
迎える。ピットレーンオープン前に出口に並んだ
レッドブルのフェルスタッペンはインターミディエイ
トを選択したが、スーパーソフトタイヤを選ぶドラ
イバーも多く、メルセデスは後者だった。
しかしながら、アウトラップを終えて各車ともイン
ターミディエイトタイヤの適した路面コンディション
だと判断したようで、ドライタイヤを選択した面々
はピットに戻って雨天用のタイヤに履き替えてい
る。
スーパーソフトでアウトラップを走ったザウバー勢
がしばらくガレージにとどまった後、インターミディ
エイトタイヤに履き替えて合流した直後、リカルド
がトラブルに見舞われてコース脇にマシンを止め
てしまい、約5分間にわたって赤旗中断となった。
リカルドは走行中に突然、すべてが止まってし
まったようでターボチャージャーの不具合が疑わ
れている。
再開後はノータイムだったザウバー勢を先頭に各
車がコースに向かうも2番手タイムを残していた
ヒュルケンベルグ(ルノー)、トラブルを抱えたリカ
ルドの僚友で当時4番手につけていたフェルス
タッペン、15番手のアロンソは動かない。数分を
経てフェルスタッペンが出陣し、アロンソは残り5
分を切ってコースに向かった。ヒュルケンベルグ
は他車のタイム更新によって徐々にポジションを
落とし、10番手まで下がったところで出陣の判断
を下している。
リカルド以外のドライバーがタイム更新を続け、
フォース・インディアのオコンがスーパーソフトタイ
ヤに切り替えた後、107%ルールに届いていな
かったアロンソも同様にドライタイヤを投入。Q1終
了のギリギリのタイミングでコントロールラインを
通過したアロンソが1分37秒598をたたき出し、Q1
の最速タイムを記録した。
Q1でノックアウトされたのは16番手以下、ストロー
ル(ウィリアムズ)、マグヌッセン(ハースF1)、ウェ
―レイン、エリクソン(共にザウバー)と問題を抱
えたリカルドだ。
日本時間21時30分にスタートしたQ2は全車がド
ライタイヤを履いてコースイン。ボッタスだけがソ
フトタイヤを選び、それ以外のドライバーはスー
パーソフトを装着した。トロ・ロッソサインツはマシ
ン修復が必要になったようで序盤のアタックには
参加しなかったものの、残り5分を切ってコースに
向かった。
最初のアタックラップが完了した時点でトップに
立っていたのはハミルトン。スーパーソフトタイヤ
で1分29秒097をマークし、ソフトタイヤを履いた
ボッタスが0.590秒差のタイムで2番手に続いてい
る。
時間の経過とともに路面コンディションが改善し
て行く中、ドライバーたちはラップごとにタイムを
伸ばし、タイムシートのオーダーは目まぐるしく入
れ替わっていく。トラフィックにはまり、思うように
ペースを伸ばせなかったドライバーも多かったが
最終的にQ2で予選を終えることになったのは11
番手のパーマー(ルノー)以下、クビアト(トロ・ロッ
ソ)、アロンソ、サインツ、マッサ(ウィリアムズ)
だった。
Q2最速はハミルトンが最後のアタックでたたき出
した1分27秒893.ボッタスは2セットのソフトタイヤ
を使って2番手に並び、Q3へとコマを進めている。
予選最終セッションはボッタスを先頭に開始早々
から10台が動き出し、ハミルトンが1分27秒231を
たたき出してトップの座を確保すると、0.199秒差
でベッテルが追い上げ、ボッタスが3番手に並ぶ
恰好で勝負のラストアタックに挑むことになった。
予選で最もコンディションが良かった最終局面で
はフェラーリ勢がペースアップに成功するも、それ
以上にタイムを削ってきたハミルトンが1分26秒
600をたたき出すと、グランドスタンドの観客は大
歓声で迎える。ライコネンが0.547秒差でフロント
ローに並び、ベッテルが0.756秒遅れの3番手に
つけた。5グリッド降格が決まっているボッタスは
4番手だったため、スタート位置は9番手に下がる
予定だ。
5番手にフェルスタッペン、ヒュルケンベルグ、ペ
レス、オコン、バンド―ルン、ハースF1のグロー
ジャンが10番手だった。
マクラーレン・ホンダにとって、ホームグランプリで
バンド―ルンは、ボッタスの5グリッド降格処分に
よって8番手スタート。アロンソは30グリッド降格処
分により最後尾スタート。パワーサーキットのシ
ルバーストンでも好結果を期待したいですね!