作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

4月23日(火)のTW:いくつかの社説を読んでの感想

2013年04月24日 | ニュース・現実評論

「今さらながらに」と言うべきか「相変わらず」と言うべきか、朝日新聞論説委員の「思想(信仰)・信条・言論」の「自由の価値」に対する感度、認識の低さに驚き果てる。戦後民主主義のなれの果てか。朝日新聞:【社説 靖国問題―なぜ火種をまくのか】t.asahi.com/6k6

 

朝日新聞社説


靖国問題―なぜ火種をまくのか
 2013年4月23日

 近隣諸国との関係改善が必要なときに、安倍政権はいったい何をしているのか。
 麻生副総理・財務相ら3閣僚が、春季例大祭に合わせて靖国神社を参拝した。安倍首相は参拝を控えたが、神前に捧げる供え物「真榊(まさかき)」を奉納した。

 これに反発して、韓国は今週末に予定していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日を取りやめた。中国外務省も日本に「厳正な申し立て」をしたと発表した。

 菅官房長官は会見で「影響を外交に及ぼすべきではない」と語った。だが、靖国参拝は歴史認識に関わる問題であり、両国の反発は当然、予想されたはずである。

 日本外交にとって、いま最も優先すべき課題のひとつは、核・ミサイル問題で挑発を強める北朝鮮に日中韓が結束して当たることだろう。韓国外相の来日もその調整の一環だった。

 たしかに、日本と中韓両国とは尖閣や竹島問題をめぐって緊張が続いている。中国の監視船が尖閣周辺の日本領海を侵犯するなどの行為に対して、抗議するのは当然だ。
 同時に、首相自身が「大局的な観点から関係を進める」と語ったように、粘り強く関係修復をはかる。そうした微妙な時期である。

 それを、靖国問題でことを荒立てるのでは、方向が逆ではないか。
 これによって関係改善が遠のくようなことになれば、国益を損なうだけだ。

 首相はもともと靖国参拝が持論だ。だが、第1次安倍内閣のときは参拝を見送り、悪化していた両国との関係を打開した経緯がある。

 今回、首相は閣僚の参拝について「自由意思に基づいて行うことだ」と、それぞれの判断に任せたという。自身が参拝しなければ乗り切れると思っていたとすれば、甘すぎると言わざるを得ない。

 首相は再登板後も、歴史問題をあまり前面に出さず、経済再生を優先してきた。
 しかし、このところ気になる言動が目立ち始めている。

 2月の国会答弁では「(前回の)首相在任中に靖国参拝できなかったのは痛恨の極みだ」と語った。

 きのうの国会では、過去の植民地支配と侵略へのおわびと反省を表明した村山談話について「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と述べた。
 高い支持率で、緊張感が薄れているのではないか。閣僚の言動も含め、自制を求めたい。


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「外国は日本人の心に介入すべきではない。内政干渉しないことは両国関係の基本である。安倍首相は靖国参拝について「私が指導者として尊崇の念を表することは国際的にも当たり前のことだ」と述べた。」【主張】靖国と韓国 外相の訪日中止は残念だ - sankei.jp.msn.com/politics/news/…

 

産経新聞社説
【主張】
靖国と韓国 外相の訪日中止は残念だ
2013.4.23 03:12

 韓国外務省当局者が、今月末をメドに日本と調整していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日と岸田文雄外相との会談を中止することを明らかにした。また、韓国外務省は、安倍晋三首相が靖国神社に真榊(まさかき)を奉納したことや麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が靖国神社に参拝したことに「深い憂慮と遺憾を表明する」との論評を発表した。
 外相の訪日中止は、首相の真榊奉納などに対する抗議の意思表示とみられる。極めて残念で大人げない韓国の対応である。
 尹氏の訪日と日韓外相会談は、日中韓3カ国外相会談の見通しが立たないことから、韓国側が積極的に進めていたとされる。
 日韓間には、北朝鮮の核、ミサイル問題や拉致問題など、共通する重要課題が山積している。
 尹氏は今月の韓国国会で、朴槿恵政権の対日政策について、歴史・領土問題で譲歩しないとしつつ、「これとは別に、両国の互恵的な分野や人的交流分野では(協力を)続ける」と述べている。
 日本と同じ自由を重んじる価値観を持つ隣国として、成熟した対日外交を求めたい。


中国・朝鮮など諸外国からの日本への内政干渉を止めさせ、戦後民主主義によって教育された一方的な「侵略戦争史観」という洗脳から国民が覚めれば良いだけの話では?:靖国の例大祭 閣僚参拝は無神経だ- 毎日jp(毎日新聞) p.tl/q6c3

 

毎日新聞社説:
靖国の例大祭 閣僚参拝は無神経だ
 2013年04月23日 02時32分

 国の内外の人々がわだかまりなく戦没者を追悼できるようにするには、どうしたらいいか。この重い課題に政治が答えを出せないまま、今年も靖国神社の春季例大祭が巡ってきた。これまでに麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が参拝し、安倍晋三首相は参拝は見送ったが、供え物の真榊(まさかき)を奉納した。

 韓国外務省は今回の事態を受けて、今月中に予定していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日を中止した。

 北朝鮮が弾道ミサイル発射の構えを崩さず、日米中韓が連携して北朝鮮の暴発を食い止めるべき時だ。靖国参拝をすぐに外交問題に発展させる韓国側の対応は冷静さを欠いている。だが、緊迫した状況下で「安倍内閣ナンバー2」の麻生副総理ら閣僚が靖国参拝に踏み切り、首相もこれを容認したことは、北朝鮮問題での中韓との連携を難しくし、結局は日本の国益を損ないかねない。無神経な行動と言わざるを得ず、極めて残念だ。

 第1次安倍内閣で首相は、在任中、靖国に一度も参拝しなかった。前任者の小泉純一郎元首相の参拝で悪化した日中関係を改善するためで、「行くとも行かないとも言わない」という「あいまい戦略」をとった。

 麻生氏も外相、首相として在任中は参拝しなかった。両氏とも自制的に対応したと言える。

 しかし首相は、前回の首相在任中に参拝できなかったことを「痛恨の極み」と語り、後悔しているようだ。今回の内閣では参拝したいという意思表示とも受け取れる。安倍政権を支持する保守層は、終戦記念日よりも、靖国の秋季例大祭での首相参拝を重視し、実現を狙っているようだ。今回の首相の真榊奉納と麻生副総理の参拝が、夏の参院選対策や、在任中の首相参拝への布石だとしたら、受け入れられるものではない。

 首相や閣僚の靖国参拝の是非について国論が割れてきたのは、(1)憲法20条の政教分離原則に抵触する疑いがある(2)極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国への参拝は中国などから侵略戦争の肯定と受け止められる−−という主に二つの観点からだ。首相は、日本が東京裁判を受諾した歴史的事実は受け入れる立場を示しているが、東京裁判については「連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた」と疑問を投げかけている。

 A級戦犯の分祀論や無宗教の国立追悼施設の建設案にも、首相は慎重とみられている。靖国参拝をどう考え、今後、どう解決していくつもりか。国民への説明をあいまいにしたまま、既成事実を積み重ねるようなやり方は許されない。首相は自らの言葉で語るべきだ。      

 

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中国・朝鮮のいずれの国家も、先ず「反日教育」という全体主義国家の思想統制を自国民に強制せず、国内に「言論の自由」が完全に実現した成熟した民主主義国家に成長すること、それが先決だ。【沖縄タイムス 社説[韓国外相訪日中止]歴史問題を直視しよう article.okinawatimes.co.jp/article/2013-0…

 

「沖縄タイムス」社説
[韓国外相訪日中止]歴史問題を直視しよう
2013年4月23日

 韓国政府は、尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日をとりやめた。安倍政権の現職閣僚が相次いで靖国神社に参拝したためだという。

 尹外相は今週末、岸田文雄外相と会談し、ミサイル発射などの挑発を繰り返す北朝鮮への対処を話し合う予定だった。
 中国外務省も閣僚の靖国参拝に抗議したことを明らかにし、韓国と足並みをそろえた。5月下旬にソウルで予定されていた日中韓首脳会談は、中国側が難色を示し、先送りすることがすでに決まっている。

 日中韓3カ国の協調と連携が求められるこの時期に、外交日程の取り消しや先送りが表面化したことは、安倍外交にとって大きな痛手だ。政権発足時から危ぶまれていたことが表面化したとみることもできる。

 靖国神社の春季例大祭にあわせ、新藤義孝総務相、麻生太郎副総理、古屋圭司拉致問題相が相次いで参拝。安倍晋三首相は21日、神前にささげる供物の「真榊(まさかき)」を内閣総理大臣名で奉納した。

 韓国、中国が日本の首相や閣僚の靖国参拝に反発する最大の理由はA級戦犯が合祀(ごうし)されているからだ。

 中韓両国に過度に配慮すれば、安倍政権を支持する保守層の離反を招き、逆に、保守層の主張を過度に取り入れると、中韓が反発する。歴史問題は安倍政権のアキレスけんである。

 歴史問題に正面から向き合い、政治的知恵でコントロールし、日中韓の協調と連携を実現することが、優先すべき外交課題である。

    ■    ■

 靖国参拝問題といい、尖閣、竹島の領有権問題といい、いずれもサンフランシスコ講和条約と密接にかかわる。

 極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯について安倍首相は、国会答弁で「連合国の勝者の判断によって断罪」された、との見解を明らかにした。

 東京裁判の評価は歴史家の間でもさまざまであるが、日本は、講和条約第11条に基づいて、国と国との関係においては、東京裁判の結果を「受諾」している。それが政府の公式見解だ。

 戦前の日本は植民地帝国だった。1895年から台湾を統治し、1910年からは朝鮮半島を統治した。南洋諸島を委任統治したほか中国の関東州を租借地とし、満州国を間接統治した。

 講和条約によって日本は、これらの領域に対するすべての権利を放棄したが、尖閣諸島や竹島、南沙・西沙諸島などの帰属先は条約には明記されていない。

    ■    ■

 中国や南北朝鮮は、被害国であるにもかかわらず講和会議には招かれなかった。

 日中、日韓の間に横たわる歴史問題は、いわばサンフランシスコ講和条約で処理することのできなかった「未解決の問題」といってもいい。

 政府は、条約が発効した4月28日を「主権回復の日」と位置づけ記念式典を開く予定だが、同条約によって沖縄が切り離されたことや、「アジア不在」の講和だったことなど、条約の別の側面を忘れるわけにはいかない。

 
 

【歴史問題を直視する】ことには大賛成だ。戦後70年、「東京裁判史観」「階級闘争史観」から一度離れて、20世紀初頭の東アジアの歴史をあらためて「直視」してみてはどうか。沖縄タイムス | 社説[韓国外相訪日中止]歴史問題を直視しよう article.okinawatimes.co.jp/article/2013-0…

 

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現在の沖縄の西北に、強大な軍事大国である中国の人民解放軍、共産主義全体主義的国家と、北朝鮮先軍政治の金正雲独裁国家が存在していなければ、このチョムスキー氏の提言もいいかも知れませんがね。知識人特有の無責任だ。それに踊らされる何とか。【移設問題の民主的制御を - 琉球新報 】- ryukyushimpo.jp/news/storyid-2…

 

琉球新報
社説
チョムスキー氏提言 移設問題の民主的制御を
2013年4月23日

 ジャパン・ハンドラーと呼ばれる知日派が主導する米国の対日政策を民主的に制御するのは不可能なのか-と半ば絶望視していた人々にとって、この「知の巨人」の提言は大いなる救いとなろう。

 世界的に著名な言語学者、ノーム・チョムスキー博士(米マサチューセッツ工科大名誉教授)が琉球新報のインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について「私が知る限り、沖縄の人々は県内移設を望んでいない。沖縄のことは沖縄が決めるべきだ」と強調した。日米両政府に対し、沖縄の自己決定権を尊重せよとの主張は、県民にとって心強い限りだ。

 1996年の普天間返還合意以来、両政府は県内移設に固執しているが、沖縄では知事選、国政選、県議選、市長選など各種選挙を通じて熟議を重ね大半の県民が「辺野古移設反対」の意思を示した。

 普天間について、仲井真弘多知事は「県外移設」を、県内41市町村の首長、議会は安倍晋三首相に提出した「建議書」で閉鎖・撤去を求めている。沖縄側はあらゆる民主的手続きを踏んだ。これに対し日米は代替案をろくに検討もせず、県民要求を無視している。

 チョムスキー博士はこうした状況も踏まえ、米外交について「帝国主義そのものだ。東南アジアや中東など外国に対する政策は民主主義を傷つけてきた」と批判。米国民主主義の精神が沖縄問題に反映されていないとの考えも示した。
 日米は沖縄で民主主義を機能させるどころか、事故率の高いオスプレイの強行配備、辺野古埋め立て申請と、強硬策を続ける。とりわけ自国民には民主主義の意義を語り、沖縄では民意を顧みない米政府の二重基準は罪深い。
 
米国では近年、有力政治家や安全保障研究者、メディアの間で、辺野古移設に対する疑義や在沖海兵隊の撤退論が浮上するなど、普天間問題の解決策をめぐる意見が多様化している。米国民主主義の懐の深さ、真価が今後の米外交で問われる。

 チョムスキー博士は、沖縄の基地過重負担の軽減方法について「意味のある抗議行動が物事を動かす唯一の力になる。非暴力を貫き、沖縄以外の人々とも協力すべきだ」と、日米など国内外の市民との連携の意義を説いた。日米の壁は厚いが、沖縄側の主張には民主主義的な正統性がある。県民が気後れすることは全くない。


 
 
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