作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

鳥居と月

2023年09月08日 | 日記・紀行

鳥居と月


2023(令和5)年9月8日(金)曇りのち晴

夜たまたま車で出かける用事がありました。その帰途のこと、夜中の十一時頃だったでしょうか、上賀茂神社の前を通り過ぎようとしたときでした。御薗橋を渡ろうとする車のフロントガラスのちょうど正面に、闇の中に浮かび上がるようにして、神社の第一鳥居が立っており、またその上の暗い空に黄白の下弦の月が浮かんでいました。

闇のうちにたたずむ朱塗りの鳥居と、その真上に浮かぶ下弦の月との取り合わせが一幅の日本画のようでした。このとき、すぐに上賀茂神社と月を愛した西行のことを思いました。この光景を眺めれば、西行はどのような和歌を詠んだだろうと。

夜闇に浮かんだこの鳥居と月が忘れがたく、しかし、スマホもデジカメもなく写真にその光景を残すこともできませんでした。それで、せめて和歌にでも残して、この記憶をながく留めておきたいと思いました。

 

夜闇の 奥にたたずむ 上賀茂の  

      鳥居の上に  かかる月かな 

 

 


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