キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

ブータン

2009年06月04日 | Weblog
昔からチベット、インドそしてブータンに行ってみたかった。
その中のブータンの話。

初めてブータンを知ったのは小学生の頃。
社会の授業で、おもしろい名前の国を探す授業があり、ポーランドとブータンを見つけておもしろいな、どんな国だろうと思った記憶がある。

その後、中国に興味がわき、それがチベットへ移り、自然の流れとしてブータンも視野に入った。
少しずつ、ブータンが他の国と違う、かなり特殊な国だということ、その特殊性がやたら僕にとって「いいなあ」と思わせることがわかってきた。

それをある意味象徴するのが、「国内全面禁煙」。
うーん、すごい。
僕がタバコを吸わないからとか、他の国に先駆けての先駆的法律だからいいと思うんじゃなくて、こういうことを国王が政策に従って決めて、それを国民が守るという、小国寡民のフレキシブルさが面白いと思う。

ブータンの国策はまず第一に、文化と環境を第一優先させること。
この二つを優先した政策をとり続ければ、国民は幸せに生活を送れるという考え。
例え、GNPが低くても、工業や技術が発展していなくても、周りの国から貧困国と言われても。
もちろん、技術開発やGNPが上がるに越したことはないけれど、それはあくまでも文化と環境への政策が十分に充実しているという前提。

ブータンは敬虔なチベット仏教国で宗教と生活が完全に一体となっているので、ここでいう文化を尊重させるとはすなわち宗教を尊重させると言うこと。
その一つの表れが、外国人観光客が訪れることのできるお寺はほんの一部だけ。写真撮影もお寺内は全面禁止。
その理由は、お寺は常に地元の人が生活の一部として使っているもので、観光客によってそれを阻害されるのは許せないという国民の要望だったそうだ。
日本を含め、他の国とは随分異なった政策だと思う。

宗教と文化を守るために国王が決めたルールを国民が一体となってそれに従う。
国の経済開発よりも自国の文化と自然環境保全を優先させる政策。
貧しさゆえに電気がないのではなく、電気を必要としない生活をあえて続ける国民。

そして、極めつけは「GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)」という国のスローガン。
経済の発展を数字で示すGNP、この数字が大きくなれば果たして国民は精神的にも幸せになっていくのか。
という、世界中がぼんやりと抱えているつかみ所のない疑問に真っ向から挑んだ政策だと思う。

そんなブータンへ一ヵ月後に行ってくる。