トウダイグサ科の 杯状花序 の観察、その3 はオオニシキソウ。
杯状花序の特徴である 杯(カップ、ワイングラス)が 赤く色づいてきました!
いま、杯からは 雄しべが出ています(葯の色は黄褐色)。
オオニシキソウは 雌性先熟といって、雌花=雌しべの展開が先なので、
このように雄しべが出ているということは、
それ以前に 受粉を終えた 雌しべの子房が
どこかに あるはずです。
この写真は ピントを雄しべに合わせているので 分かりにくいですが、
雄しべを咲かせているカップの後ろ(向こう側)には
大きな果実(子房の発展形?)がひとつづつ付いています。
反対側から見てみると こんどは果実がよく分かりますね。
オオニシキソウの雌しべは 受粉すると 子房が
カップ(杯、ワイングラス)のなかに 収まりきらなくなるほど 大きくなるので、
カップの横に柄を出して飛出し、下垂するのです。
白い花びらのようなものが カップの口にいくつかついています。
(写真では分かりにくいですが)くちびる形の腺体に付属するので 付属体 と呼ばれています。
腺体が蜜を出すとき 虫の目印になるので、花弁と同じ役割を果たしているように見えます。
雌花のアップです。
果実(子房が大きくなったもの)の先にある花柱は
すでに役目を終えて 萎みかけています。
さて、もういちど 赤いワイングラス(杯、カップ)が
よく見える方向からの観察です。
いちばん右のカップは 雌しべの柱頭がカップから顔を出し始めたばかりです。
「花柱は3個、先が1/2まで2裂する。」(三河の植物観察)
この根もと(カップの口)に小さいツブツブが見えますが、
これが腺体で、蜜を出しています。ただし、花弁のような
付属体は まだまだ 小さいです。
右から2番目や、一番左の花序は カップから雄しべを出しています。
これらは すでに 雌性期を終え、大きな果実をカップの外にぶらさげています。
それで・・・
分からないのが、中央のいちばん大きい花序の
船のマストのように立っている棒です。
これは何なんでしょう??
全くの仮説ですが、 これは 果実が爆(は) ぜて
種子を放出したあとの、果実の残骸ではないでしょうか('_')
先ほど見たように、果実は重いし大きいので 杯の外に出て下垂します。
なんらかの理由で 種子を放出し 軸だけになった果実は 軽いはずです。
それで リバウンドして カップの中に 軸だけ戻ってきて
上を向いているのではないでしょうか??