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エノキの雌花を求めて、こんどは 矢作川河川敷に行ってみました。
矢作川河川敷には たくさんのエノキが立っていて、護岸から手の届く位置に枝が伸びている木もあります。マクロを撮るには好都合です。
さて、雌花の前に 何度も観察した 十字型の雄花のほうを再度みておきます。
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雄花は 4枚の萼片の上に 4つの雄しべが伸びた十字型をしたシンプルな花でした。
そして、おしべの花粉をいれた葯は展開するとすぐ弾けて中の花粉を放出するので、よく見るおしべは葯が萎んでしわくちゃに見える、ということでした。
(一枚目の写真に、葯が弾ける前の、つぼみの状態の おしべが写っています。)
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さて、いよいよ雌花です。
雌花はどこにあるのかというと、上の写真で、枝先に伸びている葉のなかに 雌花があります。
(枝の付け根のほうにあるのが 先ほど拡大して見た 雄花 です)
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すこし ズームで見てみましょう。写真中央の 葉の前にあるのが 雌花です。
子房のうえに 2つに分かれた大きな柱頭が伸びています。
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ところが、柱頭と子房の周囲に4つ伸びているのは 雄花で見た おしべそのものです。
おしべもめしべもあるから、雌花というより、両性花といったほうがよいかもしれません。
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雌花(両性花)を拡大して見ます。子房の周囲に 大きな米粒状のものがついていますが、これがおしべの葯です(まだ伸長していません)。
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あちこち回って エノキの花を観察してきました。
エノキの大木でも 花が咲いていない木もある(時期が遅れている)のですが、たいていのエノキは この写真のように 木全体にびっしり花が咲いて、赤っぽくなっています。