アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヒメムカシヨモギとオオアレチノギク

2021-11-01 18:01:47 | みんなの花図鑑
やり残した宿題、まだありました。
これは10月というより9月の宿題なのですが、
キク科の ヒメムカシヨモギとオオアレチノギクの区別法です。


9月は 犬も歩けば ヒメムカシヨモギか オオアレチノギクに当たる状態でした。

手あたり次第、全体像と花の様子を写真に撮っておき、分かりやすいものから分類していきました。
分かったことは 当地では ヒメムカシヨモギのほうが 多数派だということでした。
ただし、ネット上の記事では、オオアレチノギクは「関東地方以西で勢いがよく、北海道や本州北部ではヒメムカシヨモギが普通」とあります。


全体の形は ヒメムカシヨモギのほうが派手でワット放射状に咲く感じ。
オオアレチノギクは 頂上が3角形になる傾向があるということです。


ヒメムカシヨモギは明治維新のころ渡来したので、“ご維新草”、“明治草”の別名がある。また、明治政府の重要な仕事であった鉄道敷設に伴って広がっていったので、“鉄道草”の名もある。」(芝地の雑草の見分け方と防除(6))




オオアレチノギクはずっと遅く1920年前後に入り、先に(1890年前後)渡来したアレチノギクを駆逐しながらほとんど全国的に広がった。」(同上)





ヒメムカシヨモギの花の特徴は 小さいながらも明らかな白い舌状花があるということです。
オオアレチノギクの花の特徴は 花序を包む総苞が立派で 舌状花を覆うほどに大きいということです。





そのため、ヒメムカシヨモギの花は細長い俵型ですが、オオアレチのほうはずんぐりトックリ型をしていることが多いです。


イヌホオズキの仲間、ワルナスビ

2021-11-01 11:28:42 | みんなの花図鑑
もう11月ですけど、10月中に撮ったもので 名前が同定できず放っておいた植物があります。
きょうは 残務整理の日とします。
第1回は ナス科のイヌホオズキの仲間です。


イヌホオズキの仲間

イヌホオズキの仲間と言われているものには、イヌホオズキのほかに、オオイヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキなどがあります。



花はどれもよく似ています。
黄色い長細い葯の石部に囲まれて、中から 薄緑色の柱頭のめしべがツンと前へ伸びています。



白い花弁の重なり具合(裂け具合)とか、花弁の反り返りの度合いによって区別できそうな気がするのですが…



それらの違いは 時期的なものなので、種の区別には使えないようなのです。



イヌホオズキの仲間は 果実で区別する方法がよく採用されます。



たとえば、イヌホオズキとオオイヌホオズキの果実は球形~やや細長いが、アメリカイヌホオズキは 整った球形だとか、
イヌホオズキの萼は「軽く反り返り、梅の花型のような形」ですが、
アメリカイヌホオズキの萼は「果実にぺたっと貼りつき 果柄がおおむね一点から出ているように見える」
とか、特徴があると言われてます。
でも実際には、目の前に並べて比較してみないとなかなか区別できないものです。
上の若い果実の画像も、1枚目は1点から出ているように見えるのですが、2枚目の(最後の)画像のように上から見れば、段々に出ていたりとか、なかなかぱっと見では区別できないのです。




ヒロハフウリンホオズキ

これはナス科のヒロハフウリンホオズキですが、よく似たホオズキに センナリホオズキがあります。



ヒロハフウリンホオズキは薄黄色の花で、花の内面中央が褐色を帯びます。
それに対して、センナリホオズキの花は、花の内面中央は濃紫色の斑があります。
ただ、この区別ほうも センナリの「濃紫色の斑」がどの程度はっきりしたものか、実物を見ていないと、一見しては分からないと思います。



それに対し、果実による区別は 明瞭かつ簡単です!
ヒロハフウリンホオズキのホオズキ(宿存萼)は、脈が紫褐色を帯びています。(血管が走っているように見えます)
センナリホオズキは 熟しても脈が紫褐色になりません。




よって、この個体は ヒロハフウリンホオズキのほうです。





ワルナスビ

これは 愛知県緑化センターのヤブサンザシの畑のワルナスビです。
一緒に写ってる赤い小粒のミカンのような果実は コミカンソウの果実です。
ヤブサンザシもちゃんとたくさん果実をつけているのですが、その下で、このワルナスビとコミカンソウが他の雑草を駆逐して我が世を謳っていました (^^ゞ



ワルナスビの果実は このように イヌホオズキの花にそっくりです。(2019-7-09 撮影)




それが、果実になると、イヌホオズキのほうは 小粒の黒い実をつけるのに対し、ワルナスビは ソラヌムなんとかのような 観賞用ナスのような実をつけるのです。




でも、ワルナスビには 花のときからそれとわかるはっきりとした特徴があります。




それがこの誰も寄せ付けない牙のような棘なのです。
果実が黄色くなると手に取ってみたくなるほどかわいいのですが、このトゲがあるので、おいそれとは触れません。





おまけで ツノナス 

JA産直の切り花コーナーに置いてありました。(スマホでパチリ)
ツノナスは別名カナリアナスやフォックスフェイス(Fox Face)とも呼ばれ、秋の花材として最近人気があります。
学名Solanum mammosum で れっきとしたソラヌム属のナス科です。