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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ニセアカシア・エンジュなど - マメ科

2023-05-12 16:00:00 | みんなの花図鑑
アカシアの雨の季節がやってこようとしています。
その前に 4月のマメ科の花から

ソフォラ・ダビディ(アオバナエンジュ)

5月5日、安城デンパークにて



デンパークの樹名板には「ソフォラ・ダビディ」とありましたが、これは学名をカタカナ読みしたものです。
園芸店では「アオバナエンジュ」の名で売られていることもあるようです。
あとででてきますが、「ソフォラ」というのは「エンジュ属」のシノニムです。




「アオバナエンジュは、中国南西部原産のマメ科エンジュ属の落葉中木です。エンジュ(Sophora japonicum)は、落葉高木でとても大きくなりますので、個人の庭に植えることは困難ですが、このアオバナエンジュは、剪定をすれば比較的コンパクトな樹形に抑えることができます」(園芸植物 育て方と花の写真「アオバナエンジュ」)










ハリエンジュ(ニセアカシア)

ハリエンジュはマメ科ハリエンジュ属(Robinia)の木で、花期は5月~6月です。
(後に出て来るエンジュは約一か月遅く花を咲かせます。)



ハリエンジュは「ニセアカシア」とも言い、「アカシアの雨」の歌に出て来る「アカシア」はこの花のことです。



「田園に、蜜源となるレンゲソウが少なくなり、養蜂家はハリエンジュから蜜を集めるが、この樹も伐採されてしまうので困っている、と言う話を聞く。」(樹木図鑑「ハリエンジュ」)



「アカシヤの雨に打たれて」「このまま死んでしまいたい」という西田佐知子の歌は我々の世代にはあまりにも有名ですが、
「アカシアの雨」とはニセアカシアに雨が降っているさまではなく、ニセアカシアの花が散るさまのことです。(後述)





シダレエンジュ

シダレエンジュはマメ科エンジュ属の木です。花期は7月のおわりです。











ミツバチが訪れています。



マメ科の花は蝶形花といって、3種類の花弁からできています。
上弁の大きくよく目立つ一枚が旗弁といい虫に蜜の在りかを知らせる旗振り役をしています。



下側の花弁は二重で、左右で一組になっていて 内側の一組が舟弁(竜骨弁とも)、しべを守る役目をしています。
それを翼弁という左右一組の弁が覆っています。翼弁の役目はハチが止まる足場の役目と言われています。



ミツバチが来て翼弁に止まると、翼弁と内側の舟弁が押し下げられ、中のシベが露出しハチの腹部に花粉が付く仕組みになっています。










エンジュ

前後しますが、枝垂れていないほうのエンジュ(学名: Styphnolobium japonicum シノニム:Sophora japonica)の木と花です。
(2020年7月23日 愛知県緑化センターにて)
エンジュとハリエンジュ(ニセアカシア)とどう違うのかと言えば、文字通り、棘のあるのがハリエンジュ、無いのがエンジュってことです。




花は受粉が終わると、めしべだけ残してそっくり地上に落下します。
これはエンジュの雨ですが、ニセアカシアも同様でその様を「アカシアの雨」と読んだわけです。風流ですね。




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