アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

延暦寺の僧兵たちが神輿をかついで・・・

2023-05-26 15:00:00 | みんなの花図鑑
アメリカフウロ
見出し画像は、はじけたアメリカフウロの果実です。神輿(みこし)とよく呼ばれます。
アメリカフウロについてはとくにコメントありませんので、以下最初から脱線して「延暦寺の僧侶の強訴」について


日本には飛鳥時代後期以降、「仏法によって国を護ることができる!」という鎮護国家思想がありました。仏教信仰は国策であり、僧侶たちは国に管理され守られていたのです。



各地の寺院はこのような立場や仏教の権威を巧みに利用することで私有地を増やし、莫大な財と人を手中に納めることに成功します。



特に勢力を拡大したのが奈良の東大寺や興福寺、比叡山の延暦寺でした。



これらの寺院が土地争いや税金トラブルに対応するため、ある意味で時代の要請によって登場したのが僧兵だったのです。



当時の日本は、神仏習合と言って日本固有の神と仏教を上手く融合させた日本独自の信仰体系を作り上げていました。



そのため仏教を信仰する僧侶が、日本古来の神々の権威をかざして朝廷に強訴することは決して不思議な話ではありません。



比叡山や興福寺の僧たちは、神木やご神体を納めた神輿を担いで京に下り、朝廷に押し掛け要求を直訴するわけですが、これを強訴といいます。



院政という新スタイルの政治を始め、天皇の父の立場から強大な権力を手中に収めた白河上皇ですが、意のままにならないものが3つありました。

「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」

強大な権力を持ってしても鴨川の氾濫、双六の目(運)、山法師(延暦寺の僧侶)は手に負えない・・・と白河上皇は嘆いているのです。




.