アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

タマガヤツリ - 今年もまた?

2020-09-26 11:55:40 | みんなの花図鑑

しばらく見てないと、どれも同じように見えてくるカヤツリグサ科。




この草はカヤツリグサ科の中でも最も特徴的な形をしているので「タマガヤツリ」ではないかと思った。




で、確認した。

なにで?


スマホの Google Lensアプリで! (^^)/





名前が分かれば こっちのもの!
「タマガヤツリ Cyperus difforis L. は、ごく普通な中型のカヤツリグサ属の植物の一つ。湿地に生え、全体に柔らかい。くす玉のような穂をつける。」(wiki 「タマガヤツリ」)




球状のタマを「小穂(しょうすい)」と呼びます。「小穂は10~20個の小花からなる。」(谷城勝弘『カヤツリグサ科入門図鑑』)なんて表現します。
鱗片についている黄色いものは おしべの花粉でしょうか?
あまりに小さくて分かりませんが、いっしょに、めしべの柱頭も伸びていると思います。





マルバルコウ - 花粉は砂糖か?

2020-09-25 18:33:34 | みんなの花図鑑

午後3時に撮ったマルバルコウ(マルバルコウソウとも)の花です。花弁は閉じていますが、シベは外に飛び出したままです。




花径は1cmくらいですが、花筒の長さは3cm以上あります。




その長い花筒から さらに長いシベが伸びています。




中央のいっそう白い球状のシベが めしべ(丸い部分が 柱頭、ここで花粉を受け取る)です。





以前 ルコウソウのアップ画像を乗せたとき、「砂糖のよう」と形容してくださいましたが、仲間の マルバルコウですから、やはり砂糖のような花粉です。




花弁のほうに花粉が落ちています。 風で落ちたのか、虫が落としたのか??




もっと拡大して見たいとも思うのですが、マクロレンズの限界です。これ以上は 顕微鏡の域でしょう。
でも、最近、あまり拡大して見たいとも思わなくなりました。
なぜって?!
ここに 花粉の顕微鏡写真があります。私は これを見て コロナウィルスかと思いましたので (´・ω・)




アズキ、ノアズキ - ひねくれ舟弁?

2020-09-25 11:10:09 | みんなの花図鑑

アズキは知っていても、その花なんて見たことない人多いのでは? (´∀`)

さて 副題の「ひねくれ舟弁」ですが、そもそも「舟弁」ってなんだ?!という方のために、マメ科の蝶形花の花弁の名前を以下のアレチヌスビトハギでご紹介しておきましょう(^^)/

蝶形花は3種類の花弁から構成されていて、上にある大きくて一番目立つ花弁を 旗弁といいます。虫に花はここにあるよ!と知らせるフラグ(旗)の役目を担当します。
下側の旗弁よりは小さい2種類の花弁は左右2枚で構成され、外側の2枚を翼弁といいます。これは花を訪れた虫が停まるための足場を提供します。
中央の、左右から翼弁に挟まれた舟の形をしている花弁を舟弁または竜骨弁といいます。舟弁(竜骨弁)は翼弁に包まれていますが、舟弁はその中に しべ を包んでいます。
アレチヌスビトハギでは 舟弁は ひねくれてません。
アズキの仲間の蝶形花では 舟弁がねじれていることを観察しようというのが今日の目論見です(^^♪



アズキの花に近づいてみました。像の耳みたいな大きいのが 旗弁ですね。
その前の より黄色い2枚が 翼弁です。すでに翼弁がねじれています。問題の舟弁は この絵では見えませんが、翼弁がねじれているのは 囲んでいる舟弁がねじれているからなのです。
(アズキでは舟弁がよく見えなかったので、次の ノアズキでそのことを確認します)




アズキの葉です。左右に大きな裂けめがありますが、同じ株でも成長期によって裂けめの程度は変わっていくようです。





こちらが 洪水調整池のフェンスに絡みついていた ノアズキ になります。
奥の大きいのが旗弁、手前の角みたいなのが 舟弁ですね。それを挟んでいた翼弁が ここではだらしなく垂れ下がっています。




ここのノアズキは 受粉を終えた花のようで、畑のアズキのほうではよく見えなかった舟弁が むき出しになっています。こんな風に大きく捻じれているので、それを包む翼弁も捻じれていたというわけです。




ノアズキにそっくりな花に ヤブツルアズキというのがあって、豆や葉が違うんですが、花はそっくりです。
「右の翼弁は舟弁(竜骨弁)の基部をとり巻く」とありますが・・・
よく分からないですね~~




蜜は その舟弁の基部にあるのですが、虫たちは シベが顔を出している側からでないと中へ入れません。当然、シベに接触します。




舟弁の突起部に虫が止まったとき、反対側の開口部がシーソーのように揺れ動いて、雌しべに雄しべの花粉がつくメカニズムも舟弁がねじれているからできる芸当なんですね





マルバハギ - 舟弁のはたらき

2020-09-24 22:54:40 | みんなの花図鑑

マルバハギは本州以南に分布するマメ科ミヤコグサ亜科の落葉低木です。野焼きなどをして管理されているススキ草原や林縁に生えることが多いです。また・・・




コマツナギと同様に土留めのため種子の吹きつけなどにより植栽されることが多く、造成地などでもよく見られる。(三河の植物観察「マルバハギ」)




花はマメ科に特徴的な蝶形花で、 3種類の花弁より構成されています。
一番奥の一番大きいのが 旗弁。ハチに花のありかを知らせるフラグの役割をしています。
手前の中央にあるのが舟弁。
それを両側から包んでいるのが 翼弁で、虫のとまり場の役目をしています。




舟弁の役割を説明してませんでした。
舟弁は おしべ・めしべを包んでいます(一枚上の絵では それが見えませんでしたが、この絵では 舟弁の中から シベが顔を出しています。)



ハチが蜜を吸おうと旗弁の下に頭を突っ込むと、翼弁が下り、翼弁に包まれていた舟弁が割れ、雌雄のシベが露出し ハチの体に付く仕掛けになっています。




おしべは合着し 筒になっていて、この雄しべ筒の中を雌しべの花柱が伸びて 先に柱頭を展開しています。


イタドリ - 雌しべは樹氷

2020-09-24 16:11:20 | みんなの花図鑑

イタドリは 雌雄異株で、その花は他のタデ科の花同様、とても小さい花なのですが、近くに寄ってみると これが雄花、雌花で風景が全然違います。(ということに今日気が付きました)
これは雌花ですが、まるで 樹氷のようです。




赤みを帯びて色づいているのが 雌しべの子房です。樹氷の正体は その上についている 柱頭だったのです。




さらに寄ってみました。柱頭が氷細工のようです。
「柱頭は3個、先端が房状に細裂する。」(日本の野生植物)(松江の花図鑑「イタドリ」)




子房の周囲に 白いものが出ていますが、これが半分退化したおしべでしょうね。
今では 雌しべの引き立て役です(^^ゞ




上が 結実した子房です。やがて、雌花の外側の花被片3個が翼になって張り出して 果実(そう果)を包みます。




雌花と果実のそろい踏み。



オシロイバナ - 花は夜開く

2020-09-24 08:48:18 | みんなの花図鑑
午後4時の撮影です。(正確に言うと 4時19分から24分までの5分間 !(^^)!)


散歩の帰り道で線路際に白色のオシロイバナが咲いていました。オシロイバナというと 濃いピンクや咲き分けや絞り咲きまで種類がありすぎて昔からカメラに撮るのは敬遠してましたので、このブログでは オシロイバナを取り上げたことはほとんどなかったと思います。
でも今の関心は シベ !
踏切で電車の通過を待っていたら 横にこの白いオシロイバナがあったので咲きかたを観察してみました。
長いロト状の花筒がありますが、これは萼片で合着して筒になっているのだそうです。
で下のほうで筒を支えている萼のような部分は 苞 という葉の変化したものということです。




オシロイバナは英語で「 Four o’clock(午後4時)」と呼ばれてるそうです。花は夏から秋の午後4時ごろ咲くためです。咲き始めの シベはこのように クルッと巻いています。




今回は たった5分間だけの撮影なので、その後の花の展開が分かりませんが、このあと おしべとめしべは伸びてしゃんとしていきます。
18時30分くらい、おしべとめしべが伸び切ったころ、おしべの葯が割れて花粉を出すそうです。
オシロイバナはスズメガという夜行性の蛾に花粉を運んでもらっています。スズメ蛾の口吻は長く、オシロイバナのラッパ状の花筒にマッチしています。(夜の写真はありません)




その後、おしべとめしべはまたクルッと丸まって萼の中に納まります。実はこのとき 自家受粉を促しているのだそうで、用意周到です。




オシロイバナの別名は ユウゲショウ(夕化粧)。「夕方に美しい花が咲くさまと、 夕方にオシロイを塗って美しく化粧をして出かける夜の女性の姿を重ね合わせて 名づけられたものと思われる」(あるブログより)





オシロイバナの名は、黒い種子を割ると、胚乳にあたる部分に白い粉質のものがあり、それが白粉(おしろい)の粉のようなところからといわれていますが・・・
白粉(おしろい)というと、私自身はミャンマーの女のひとが顔につけている「タナカ」のことを思い出します。ところ変われば 化粧の仕方も変わるというわけで、ビルマのタナカは、私などには、可愛い人がそれを隠すためにしている「反化粧」ではないかと 初めてこの国を訪れたとき思ったものです。実際、化粧というより日焼け止めの効用がほとんどではないかと思います。タナカの原料は 何種類かある「タナカの木」の樹皮で、オシロイバナの胚乳ではありませんでしたが・・・



ハナミズキ、ガマズミ - 続・木の実は小粒

2020-09-23 18:12:52 | みんなの花図鑑
ハナミズキ

9月21日、東浦町於大公園で撮った木の実の つづきです。




ハナミズキは ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。別名、アメリカヤマボウシ。




仲間のヤマボウシと 花のときはよく似ていますが、果実になると全然変わります。



ガマズミ

ガマズミはレンプクソウ科(クロンキスト体系ではスイカズラ科)ガマズミ属。




「ガマズミ」の名前の由来は諸説ありますが、鎌の柄に用いられたことから「ガマ(鎌)」、酸っぱい実をつけるので「ズミ(酸実)」との説が私は好きです。




表面に白い粉を拭くようになれば食べごろ。酸いけどおいしいですね



マユミ

マユミ(檀、真弓、檀弓)は、ニシキギ科ニシキギ属の木本。




果実は直径約1.3cm、外側のピンク色は仮種皮。




仮種皮は熟すと4裂し、真っ赤な種子が出てきます。



ヒメユズリハ

「ヒメユズリハ(姫譲葉、学名: Daphniphyllum teijsmannii)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。海岸付近に多く、トベラやウバメガシと共に海岸林の重要な構成樹種である。」(wiki)




葉柄がきれいな赤に色づかない。(同上)




11月頃に果実は黒紫色に熟する。(同上)
果実は夏に黒紫色に熟し、果柄が赤色を帯びることが多い。(三河の植物観察)


アオギリ、イイギリ - 木の実は小粒

2020-09-23 09:29:31 | みんなの花図鑑

アオギリは桐がつきますが、桐とは別のアオイ科アオギリ属。




その果実も 独特なものです。
「果実は蒴果で草質、秋(10月ころ)に熟すが、完熟前に5片に裂開し、1片の長さが7 - 10センチメートル (cm) ほどある舟の形のような裂片(心皮)の縁辺に、まだ緑色のエンドウマメくらいの小球状の種子を1 - 5個ほど付ける。」(wiki 「アオギリ」)
以上、8月27日、愛知県緑化センターにて。




エンドウ豆みたいなのが 9月には こうなります。
「種子は球形で径4 - 6ミリメートル (mm)、のちに黄褐色から茶色に変化し、表面に皺があり硬い。」(同上)





以上、9月21日、東浦町於大公園にて。





イイギリも桐が付きますが、桐の仲間ではありません。
「イイギリ(飯桐、学名:Idesia polycarpa)は、ヤナギ科(クロンキスト体系など従来の分類ではイイギリ科とされていた)の落葉高木。」(wiki「イイギリ」)




まだ青い実が多いですが・・・




やがて 「ブドウの房のように垂れ下がった13-30cmの円錐花序」(同上)を垂らします。




カリガネソウ - 別名「帆掛草」

2020-09-22 20:33:59 | みんなの花図鑑
カリガネソウ(雁草、雁金草)の名は 花の形状が雁に似ている草であることに由来します(wiki)。


別名を「帆掛草」といい、個人的にはこちらの名のほうが好きです。




カリガネソウは もとはクマツヅラ科ダンギク属でしたが、分子系統解析により 現在は シソ科に分類されています。




ハナバチなどが留まったとき、虫の重みで上方に長く突き出した曲がったシベが虫の背中につくように設計されています。









この花など 雌しべが 雄しべの集団から離れています。クサギの花みたいな 雄性期・雌性期があるのかな?




ヒガンバナと、リコリスと、

2020-09-22 17:02:53 | みんなの花図鑑

ヒガンバナ属は Lycoris (リコリス)で同じことなんですが、ヒガンバナ(曼珠沙華)といったら、堤防に自生しているこういう赤い彼岸花のことを自然と思い浮かべます。




「稲作伝来とともに中国から日本に伝わった帰化植物と考えられている。田んぼの畦や堤防などに群生することが多い。かつては飢饉の際に球根を毒抜きをして食用にしてたこともあると言われている。」
(AGSfan - 花と広がるコミュニケーション>特集>リコリス>彼岸花(曼珠沙華)について)




「昔死んだ人を土葬していた時代に、土葬の回りに彼岸花を植え、球根の毒を嫌い
ノネズミや獣をより付けない様にしていたので、彼岸花咲く場所は土葬の跡地でした。」(知恵袋「彼岸花は不吉な花ですか」の回答より)



「でも”まんじゅしゃげ”=天上の花とも呼ばれ相反する言い方もあります。
今では数え切れないくらいの彼岸花の名所があります。
美しい(独特の花びら)花皆んなが鑑賞しています。」(同上)






それに対して 「リコリス」というと 通常、学名リコリス(ヒガンバナ)属のことではなく、園芸品種のことをイメージします。

安城デンパークのグラスガーデンで咲いていたリコリスです。



「従来、ヒガンバナは日本ではあまりよいイメージがなかったため、生産は多くありませんでした。しかし、欧米でのリコリスに対する人気の高まりとともに、その価値が見直されてきました。花色は赤、白、黄、オレンジ、ピンク、紫と豊富で、光沢のある花弁が美しく、園芸品種も多くつくられています。」(NHKみんなの趣味の園芸「リコリス(ヒガンバナの仲間)」)




ここからは 上のリコリスの傍にあった「リコリス Phone(フォーン)」という品種です。




Phone(フォーン)だから「電話」のことだと思うのですが、「リコリス 'フォーン'」でネット検索すると、「Lycoris cv. fawn」という同じ色のリコリスの記事がいくつかヒットします !(^^)!



fawn のほうは 英語だとすると「子鹿」という意味なので、たぶんこの花の色のことを言っているのではないかと類推できるのですが、「電話」という名前のほうは ちょっと由来が分かりません。