福岡県芦屋町の航空自衛隊芦屋基地内の井戸で、発がん性が指摘される化学物質「 PFASピーファス 」が高濃度で検出された問題で、県は3日、基地周辺で行った水質調査の結果を公表し、5か所の井戸で国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム)を超えたことを明らかにした。最大約11倍超の濃度が検出され、県は町内の井戸水の飲用を控えるよう呼びかけている。
県によると、調査したのは基地東部周辺の一般の井戸16か所のうち7か所。調査の結果、5か所から1リットルあたり84~570ナノ・グラムが検出された。国の暫定目標値を超えた井戸のうち、1か所は飲用水として利用されていたという。これまでに健康被害は確認されておらず、県は芦屋基地内の地下水が影響した可能性が高いとみている。
県は今後、基地北東部周辺の井戸でも調査を行う。5~12日にかけては、町内全戸約6000軒に井戸水の飲用を控えるよう呼びかけるチラシを配布する予定だ。県は芦屋町や岡垣町、遠賀町と協議し、九州防衛局や芦屋基地に対して原因究明を求める要請も行う方針。