5日は、二十四節気の1つで冬眠していた虫が穴から出てくるころとされる「啓ちつ」です。
彦根市の国宝・彦根城では、松を害虫から守るために冬の間、巻かれていた「こも」を外す作業が行われました。
こも巻きは、松を枯らしてしまう害虫が冬の間、寒さから逃れようと暖かい場所を求めて移動する習性を利用して、木の幹に巻いた「こも」の中に誘い込む伝統的な駆除方法です。
5日の朝は小雨が降る中、彦根城の管理センターの職員11人が、城内にあるおよそ100本の松の木に巻きつけていた「こも」を手分けして外しました。
このうち堀に沿った松並木では、職員たちがひもをハサミで切って「こも」を外し、虫が入っているかどうか確認していました。
「こも」の中にはクモやカメムシなど数種類の虫が確認され、例年と比べて数が多かったということです。
彦根城運営管理センターの宮川敏明所長は「こも外しは、春を迎えるイベントだと思っています。世界遺産登録への機運が高まっている彦根城にぜひ来てほしいです」と話していました。
外された「こも」は、このあと焼却されることになっています。