2024/12/04 読売新聞オンライン
JR浜坂駅前のかつてのにぎわいを伝える商店街などのチラシ(新温泉町で)
浜坂にあった映画館の案内チラシなど(新温泉町で)
JR浜坂駅前のかつてのにぎわいを商店街のチラシなどで伝える企画展が、新温泉町浜坂の町文化財センター・味原川文化伝承館で開かれている。昭和30~50年代の折り込み広告や映画館の上映案内、観光協会のポスターを展示。1970年開催の大阪万博に買い物客を抽選で招待する企画のチラシもあり、往時をしのばせる。来年1月31日まで。入場無料。
展示史料は同センターの収蔵品で、旧浜坂町の町史編集などに携わった元浜坂駅職員の下田英郎さんが集めたもの。亡くなった後に遺族が新温泉町に史料として寄贈し、整理した中から約40点を紹介している。
展示などによると、浜坂地区は鉄道が開通するまで海運の玄関口だった岸田川河口から味原川沿いが主に栄えていたが、1911年(明治44年)の同駅開業以降は駅前を中心に発展。飲食や宿泊、金融など様々な業種が集まり、昭和初期には200軒を超える商店が立ち並び、昭和40年代頃までは商店街だけで全てのものがそろったという。
館内に並ぶチラシは、但馬三大祭りの一つとして今も続く「 川下かわすそ 祭り」の協賛大売り出しや、プロ野球・南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の来町に合わせた記念セールの実施告知などがあり、当時の町の活気が感じられる。
また、1970年代までは浜坂にも映画館があり、上映作品や演劇の案内チラシには懐かしい名前を見ることができる。
同町教育委員会生涯教育課は「商店の中には閉店した店もあれば、現在も営業している店もある。かつての浜坂のにぎわいや、商店街の様子を知る貴重な史料を見てほしい」としている。
午前10時~午後4時。土日祝日と12月28日~1月5日は休館。問い合わせは同センター(0796・80・7325)。