“びわ湖の深呼吸”ともいわれる「全層循環」という現象がこのほど確認されました。
滋賀県によりますとこの現象が確認されるのは5年連続です。
「全層循環」は、冬場の冷え込みと風の影響で、表面の水と湖底の水とが混じり合って酸素濃度や水温が均一になる現象で、“びわ湖の深呼吸”とも呼ばれています。
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが高島市今津町の沖合の水深90メートルの5つの地点を調べたところ、いずれも1リットルあたり、10ミリグラムを超える酸素濃度を確認しました。
そして、後日、改めて調査したところ、酸素濃度も水温もともに均一になり、「全層循環」が確認されたということです。
県によりますと「全層循環」が確認されるのは5年連続です。
びわ湖の酸素濃度をめぐっては、去年(令和6年)9月に、一部の地点が「無酸素状態」になっていることが確認されていましたが、範囲が拡大することはなく、生き物や水質への大きな影響は見られなかったということです。
県琵琶湖保全再生課の寺内俊二 主査は、「例年並みの時期に全層循環が確認できてよかったが、気候変動の影響で近年は未完了や遅れる年も出ているので影響を注視していきたい」と話していました。