三重県の桑名市総合医療センター
三重県の桑名市総合医療センターは7日、20歳代の男性看護師が2023年10月から25年1月にかけて、入院患者40人に処方された内服薬計51回分を患者に投与せず、自分のロッカー内に隠していたと発表した。40人のうち、13人はすでに亡くなっているが、投与されなかったことが影響したかどうかは確認されていないという。
センターによると、1月21日に同僚がロッカーの扉を閉めた際、弾みで隣の男性のロッカーの扉が開き、未開封の内服薬が入っていたのを見つけた。23日に男性に聞き取りした結果、処方する薬をポケットに入れてロッカーに隠していたといい、男性は「業務が忙しくて薬の処方を忘れ、それが積み重なり、怒られたくなくて隠した」と認めているという。男性は現在、休職している。
入院患者に処方されなかった内服薬は、ビタミン剤や胃薬、抗凝固剤など。各主治医からは現時点で、薬を飲まなかったことによる健康被害は確認されていないという。
今後、第三者委員会を設置して健康被害などを調査する。7日の記者会見で、山田典一病院長は「多大な迷惑をかけたことをおわびし、再発防止を行い、信頼回復に努めたい」と謝罪した。