大型クレーンでつり上げられる脱線車両(福井県勝山市で)
えちぜん鉄道勝山永平寺線で2日に発生した勝山発福井行き列車(2両編成)の脱線事故で、同社は10日、車両の移動や線路の修復などの復旧作業を本格的に開始した。だが、事故原因となった落石は撤去できなかったため、運休している山王―勝山間の運転再開は12日以降になるという。
作業は同社などの作業員約30人が参加して午前9時頃に始まった。現場に近い福井県勝山市の道路に大型クレーンを止めた上で、脱線した1両目の台車につり金具を固定。二つの台車を順次つり上げ、約1時間かけて線路上に戻すなどした。車両はその後、別の車両で勝山駅まで 牽引けんいん された。
続いて作業員が線路の状況を確認。レールに目立った損傷はなかったものの、枕木8本が損傷していたため、同日中に全てを交換したという。
一方、市が破砕作業を進めていた落石の撤去は延期された。クレーンでつり上げるには、まだ大きすぎ、落下の危険があるためという。今後は列車の走行の邪魔にならない程度の大きさまで破砕して運転を再開させ、改めて撤去を目指すとしている。
同社の佐々木大二郎・営業開発部長は「ご迷惑をおかけしている。なるべく早く運転を再開できるよう、安全確保に努めながら、復旧作業を進めていく」と話していた。