Windows Media Player を悪用する、たちの悪い MIDIファイルへの警告のことを昨日書いたが、この MIDIファイルとはどういうものなのだろう。
MIDI は、 Musical Instrument Digital Interface 規格の略称で、その規格にもとづいて作られたファイルが MIDIファイルと呼ばれている。
このファイルの拡張子は.mid で、マイミュージックのフォルダーを開けてみるといくつかこの拡張子の付いたファイルが入っている。
音楽を自分のディスクに貯めこんでおく趣味を持たないので、私のマイミュージックフォルダーには、ある歌謡曲の1曲分しか入っていなかった。
ファイルの大きさを見ると27KB しかない、ごく軽いものだ。ワードで歌詞だけ書いても、もっと大きくなるだろう。
軽いのもそのはず、 MIDIファイルはいわば楽譜のようなもので、音は入っていないのだった。
音の入っていないファイルからどうして音が出るのか。
楽譜だからそのとおりに演奏すれば音楽になる。
その演奏を Windows Media Player がしてくれることになっているのだった。
楽譜なら持ち運びにも楽なものだが、声を運ぶのは大変なのだ。
こえを運ぶ。ここで妙なことを連想した。
現代人には想像もつかないだろうが、むかしはこえを樽に入れて馬車で運ぶ人が、定期的に各家庭を訪れ、住む人の生活の最終結末処理に力を貸してくれていたのだった。
耳から鼻へ。音声の話から、ゆくりなくもあの馥郁たる香りを思い出すことになった。