花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

不思議な秩序

2012年07月25日 | 学校
プランターのイチゴが収穫期となりました。
しかしこのイチゴ、収穫しているところを一度も見たことがありません。
それどころが第3農場の実習に向かう生徒たちが
このイチゴを時々勝手に食べているというのです。
そこで管理している先生に話を聞いてみました。
すると驚きの答え!
このイチゴやトマトは生徒たちにつまみ食いさせるために
わざと作っているのだそうです。
大々的に食べてくださいと告知すると
あっという間になくなるので黙っていますが
これは先生方から実習で頑張っている生徒たちへの秘密のプレゼントだったのです。
それを知っているのか生徒も食べごろの実をほんの少ししか食べません。
だからいつでも食べごろの実がついています。
ここには農場と生徒の間に不思議な秩序が保たれているのです!
盗み食いする楽しさまで教えてくれる名農農場部。
花が受粉を手伝ってくれる昆虫に蜜や花粉を提供するのに何か似ています。


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待宵草の誘惑

2012年07月25日 | 学校
黄色がきれいなマツヨイグサです。
この花は虫媒花。
つまり虫に受粉を手伝ってもらう植物です。
しかしこの花は夏の夕方から夜に花を咲かせます。
つまり受粉してくれるハチはもういません。
それではどんな虫を呼ぶのでしょうか?
夜活動する昆虫、ご想像のとおり「蛾」です。
しかし夜だと太陽がないため紫外線に反応して
蜜のありかを示すネクターガイドは役にたちません。
そこでマツヨイグサの選んだ作戦はたくさんの蜜を準備して
匂いの強い花を咲かせて虫たちを呼び寄せるというものです。
マツヨイグサがねばねばしているのはこの蜜のせいです。
ところが以前行った実験ではこの花にもネクターガイドがあったのです。
なぜなのかいろいろ調査していくと「スズメガ」の存在を知りました。
マツヨイグサはスズメガという蛾にも受粉を手伝ってもらいますが
スズメガは蛾ですがまだ明るい夕方から飛び回ります。
つまりスズメガ飛び回るこの時間帯ではネクターガイドが機能するのです!
夕方に飛ぶ蛾にはネクターガイド、
夜飛ぶ蛾にはたくさんの蜜と芳香。
夜、黄色に怪しく咲くマツヨイグサは
あの手この手で虫を誘惑しています。
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