花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

お別れの仕方

2021年06月05日 | 学校
毎年この季節になるとご紹介するのがツツジのトピアリー。
名農の正門から校舎に続く陽のあたる坂道にあります。
NAKUIという文字になるよう10年以上も前に
当時の園芸科学科で製作した作品ですが
春は優しい緑、夏は濃い緑、秋は茶色、そして冬は
砂糖をまぶしたような白と色合いを変えながら
1年間を通して名農生を楽しませてくれます。
中でも一番華やかで鮮やかになるのが初夏。
ツツジが咲き始めるのです。明るい緑にピンクの配色は
明るいポップカラーで、学校全体を元気にしてくれます。
近づいて見ると花が少しずつ咲き始めており、これからが楽しみです。
さらにトピアリーの上にはチームフローラフォトニクスが
2018年にストックホルム青少年水大賞で準グランプリを受賞した記念に
作ってもらった横看板が堂々と建っています。また看板の奥には
チームの本拠地である馴化温室も見えています。
昨年のグランプリの看板は正門横、準グランプリは校舎まで続く坂道に。
すでにフローラもトレジャーハンターズも卒業、解散してしまいましたが
今なお存在感を示しています。
さて環境システム科では第1回生が卒業する際、実習棟のそばに
学科誕生の記念の桜を植樹しました。ただ卒業間近の青森はまだ冬。
もっと早く準備すればよかったと反省したものです。
今年度は園芸科学科が閉科。終活ではありませんが、
名農の緑化を牽引してきた学科なので存在した証として記念の庭園を作るなど
園芸科学科らしい粋なお別れを考えてはいかがでしょうか。
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繰り返す風景

2021年06月05日 | 研究
机に向かって何やら数えているハンターズの女子。
いったい何をしているのでしょう。
実は彼女の前にあるのは細菌試験紙。
細菌がどの程度存在するのかを推測するリトマス試験紙のようなもの。
色が変わるのではなく、赤い斑点が現れてくるのです。
実はこの実験風景を見るのは、フローラにとっては2度目。
2011年、ご存知、東日本大震災によって津波被害を受けた塩害土壌を
微細な気泡であるマイクロバブルを含む水で洗い流す実験をした時です。
塩害を受けると土壌は通気性がなくなり、
有用微生物の繁殖が抑制されてしまうという問題を抱えていました。
単純にたくさんの気泡を含んだ水を土壌に流し込んだら
酸素が送り込まれるので、絶対微生物が増えるはずだと考えた
先代チームフローラフォトニクスは土壌細菌をこの試験紙で確かめたのです。
嬉しいことに結果は仮説的中。マイクロバブルで洗い流した方が
赤い斑点がずっと多く、土壌の中に微生物が増えていることを確信しました。
あれから10年経った今、まさか新生フローラが
同じ試験紙を使った実験をするとは思いもしませんでした。
あらためて考えると今年で結成13年にもなりましたが
なんだか同じような実験を何度も繰り返しているような気がします。
もちろん切り口はその都度変わりますが、所詮お釈迦さまの手のひらの中。
人間もチームも自分が思うほど変わるもんじゃないようです。
では彼女の試験紙はどんな斑点が現れたのでしょうか。
ちょっと覗いてみましょう。
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気持ち悪いなんていわないで

2021年06月05日 | 研究
彼女が覗いていたのが、この細菌試験紙。
右と中央の試験紙が真っ白なのに比べ
左端の試験紙がピンク色に染まっているのがわかります。
これは細菌が繁殖している証拠。
もう少し経って再び観察すると小さな赤い斑点がはっきりと見えていました。
この点はコロニーといって細菌の集団。
初めて見るメンバーはみんな気持ち悪いとちょっと引き気味でした。
それにしてもすいぶん差があるものです。
今回の実験は、いかに細菌の繁殖を抑えられるかがポイント。
したがって、この大きな差は大成功の証なのです。
本当なら細菌以外のウイルスでも試験したかったのですが
ちょっと高校の実験室では無理。
でも理屈では同じ結果になるはずです。
春からいろいろな実験をしている彼女ですが、
今のところすべて仮説通りの結果を得ています。
さて5月も過ぎ6月に突入。残すところ大きな実験はあと3つ。
計画では7月中旬にはとりあえず終了する予定です。
名農で一番早く始まった研究ですが、
もう遠くにゴールが見えています。
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