花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

おもちゃでいいんです

2021年06月09日 | 環境システム科
環境システム科は名久井農業高校の中で最も新しい学科。
水耕栽培や農産物販売の知識や技術、
施設設備に関わる電気や配管などの工業技術を学ぶ全国でも珍しい学科です。
施設園芸の中で特に水耕栽培がメインとなるため、
露地栽培中心の生物生産科とはちょっと違う装置が備えられています。
このピンク色の小さな装置もそのひとつ。遠心分離器です。
たしか生物工学実験室にもあったような気がしますが
それに比べるとずいぶん可愛らしいものです。
なぜなら滅多に使う機会がないから。
だから3千円もあると買えるおもちゃのようなもので構わないのです。
これを使うのはビタミンCの測定。
水耕栽培で育てるのはトマトやレタスなどの野菜ですが
光や栽培方法の違いによって成分が大きく変化します。
したがってビタミンCぐらい自分たちで測定できるように
学科を立ち上げる際、簡易なキットを用意してもらいました。
その分析にどうしても必要なのが遠心分離器だったのです。
立ち上げてもう5年以上経ちますが、授業や課題研究で
分析したという話をまだ聞いたことがありません。
そんなことでもっぱら使ってきたのはフローラだけ。
かつてJr.が野菜を育てた際とフローラがブルーベリーに光を照射した際に
使わせていただきました。遠心分離器は測定するための下準備で使うもの。
でも実際、どんな装置で測定するのでしょうか。ご紹介します。
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高校生はつらいよ

2021年06月09日 | 環境システム科
こちらが環境システム科が所有している簡易光度計。
筆箱ぐらい小さなものですが、お値段は結構するようです。
環境班フローラもなけなしの金をはたいて買った光度計をもっているので
同じような項目の測定は可能ですが、
この装置じゃないと分析できないものがあります。
それが食品に含まれるビタミンCの含有量。
環境班を含め、名農の研究班は成分分析をする際は
比較的安価にやってくれる県の試験場に依頼しています。
とはいっても分析委託の費用というのは高いもので、
ビタミンCは確か1サンプル4千円以上もします。
もし5つの区の野菜のビタミンCを測定しようとするとこれだけで2万円。
もちろん高校の研究班にはそんな予算はありません。
そんなことでフローラは指導者のポケットマネーや
班員がお金を出し合って必要最小限のサンプル測定をお願いしていました。
そこで環境システム科が誕生する際、ぜひにと導入をお願いしたわけです。
フローラが初めてこの装置を使ったのは5年ほど前。
いざ使おうと思い、箱を開けたら英文の説明書。
これには参りましたが、日本の説明書がダウンロードできたので問題はクリア。
しかし次なる課題が発覚。いくら光度計があっても
それを分析する専用の試験紙がなければ測定できないのです。
調べてみるとビタミンCの試験紙はなんと1個7千円以上と高額。
お金のない高校生の研究班。結局ポケットマネーで試験紙を購入する羽目になりました。
「金の切れ目が活動の切れ目」。予算がなければどんな研究もできません。
宝くじでも買いますか。
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