花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

Jr.出番です

2021年09月13日 | 研究
研究の場と発表の場を提供する約束で
春からフローラハンターズのもとで研究活動に励んできたJr.。
1学期は先輩と同じコマツナとレタスの栽培に挑戦しました。
環境班なら研究期間が2年あるため、1年目は大胆に攻めていけますが
Jr.はこの1年間だけ。何としても成功体験をさせたいというのが親心。
心配しましたが1学期の研究結果は上々。
想定内ではありますが区の間で差があらわれ、いい感じです。
しかしこれだけだとまだデータ不足。そこで先輩同様、
秋の約1ヶ月間は別の野菜で試してみることになりました。
チャレンジするのはホウレンソウとネギ。
ホウレンソウの水耕はわかりますが、果たしてネギはどうなるのでしょう。
2学期は1学期にある程度結果が出たということもあり、
違い手堅く進めるだけではなく、ちょっとチャレンジする要素も加えてみました。
2学期も先月下旬にスタート。そこで1学期に片付けた
Jr.用の水耕栽培装置がまた引っ張り出されました。
装置も異常なく、あとはJr.が植えるだけ。試合再開です。
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夜の花の誘惑

2021年09月13日 | 研究
少し日の暮れた野原に咲くのはマツヨイグサ。
月見草という人もいますが、まったく別の植物なのでお気をつけください。
鮮やかな黄色の花なので、遠くからでもすぐわかります。
夕方から咲き始めるマツヨイグサ。こんな黄色なら少しぐらい薄暗くても
その存在をきちんとアピールすることができそうです。
ところで夕方から咲くとはなんて変わり者でしょう。。
実はマツヨイグサが誘惑しているのはチョウではなく蛾。
みんながチョウやハチをあの手この手で誘う日中を避け
あえて虫は少ないけれど競争相手も少ない夜に咲くとは大胆な作戦です。
しかしいかに目立つ黄色の花とはいえ、虫を誘うにはちょっと弱すぎます。
そこで考えたのがご馳走と香り。とにかく蜜が多いのです。
触るとネバネバしているのでご注意ください。
甘い香り、たっぷりのご馳走、そして艶やかな黄色い衣装。
これぞ正真正銘の「夜の花」です。
さてここまではすでにわかっていますが、かつてこんな実験をしたことがあります。
それはネクターガイド「蜜標」です。ネクターガイドは花が虫たちに
密のありかを示すサインですが、私たちの目にははっきり見えません。
なぜなら虫たちは紫外線が見ているから。つまり虫が見ている
紫外線に反応するようにできているのです。
しかし夜は太陽が沈んでおり、紫外線などありません。
そこでネクターガイドはないと予想を立てて特殊写真の撮影に挑みました。
するとどうでしょう。はっきりとネクターガイドが浮かび上がったのです。
生徒ともども首を傾げてしまいました。しかし後日、理由がわかりました。
マツヨイグサは蛾の中でも「スズメガ」という蛾をよく呼んでいるのです。
この蛾は少し明るい夕方から飛び始めるため、紫外線がまだあるのです。
夕方や朝方はネクターガイドでスズメガを誘い
紫外線がなくなる夜は甘い蜜と香りで誘惑する。
確かこんな結論で実験を終えたのを覚えています。
まさか夜咲く花にもネクターガイドがあるとは思っても見ませんでした。
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