花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

装置いろいろ

2021年09月21日 | 研究
これはフローラハンターズの水耕栽培装置。
実験のためなので生産用の大型装置は持っていませんが、
毎年のように誰かが水耕栽培をテーマにするので
気がつくと根にシャワーのように養液を噴射するもの、
養液槽の上に砂のように小粒の軽石を敷き詰めてそこで礫耕するものなど
いろいろなタイプの栽培装置が10台ぐらいは揃っています。
この装置もちょっと変わっています。
一般的な家庭用の小型装置は大きな養液槽がひとつあって、
そこに作物を植え付けるという単純な作りですが
これは養液槽が上段と下段の2つに分かれているのです。
下段に貯めた養液をポンプで植物が植えられている上段に吸い上げ、
オーバーフローした養液は穴からまた下段に戻るという仕組みです。
ここは下段から送られた養液が上段に出てくる部分。
小さな噴水のように溢れてきます。
したがってこの装置にはエアレーションが不要で便利です。
現在、この装置を使っているのはJr.の女子。
環境を変えた2台並べて栽培比較をしています。
ではどのような違いを設けたのでしょうか。見てみましょう。

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Cooling System

2021年09月21日 | 研究
Jr.が栽培を行っている小型水耕栽培装置。
2台並べて栽培環境を変えて比較試験を行っています。
こちらはちょっと手を加えた試験区。
2本のチューブが出ています。
そのチューブが繋がれているのが奥に見えるシルバーの箱。
なんと観賞魚用のクーラーです。
1本のチューブで養液を吸い上げクーラーに送り、
中で冷えた養液をもう1本のチューブで返すという仕掛けを考えました。
もちろんそんな水耕装置などありません。
したがってカッターなどを使って装置に穴を開けて自作しました。
養液の水温は15℃。真夏では小さな養液槽しかないこの装置では
水温が上昇してしまいますが、秋になった今は
思う通りの水温を維持することができます。
低温ストレスを受けた野菜はポリフェノールなど抗酸化物質を合成します。
地元ではハウスで栽培したホウレンソウなどを
真冬の寒気に当てて機能性成分を増やす「寒締め栽培」が
定着していますが、冬場しか栽培できません。
さらに養液が凍ってはいけないので水耕栽培ではこんな無茶はしません。
つまり彼女はまだ寒くなる前に養液をクーラーで冷やし、
一年中高機能性野菜を栽培する技術を模索しているのです。
彼女がこの結果を発表するのは来年3月の予定。
じっくり取り組んでいます。
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