花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

立体栽培 ?

2020年04月25日 | 環境システム科
環境システム科では水耕栽培を学びます。
葉菜から果菜までいろいろ栽培していますが
みなさんが大好きなイチゴも栽培されています。
イチゴの水耕栽培といえば、よくイチゴ観光農園のように
ちょっと高めで長いベッドに植え付けるのが普通です。
ところがこの栽培システムは変わっています。
何とこのエントツというか雨どいのようなパイプが
ほぼ垂直に立っているのです。
数年前、環境システム科ができる時に要望したのは大きなガラス温室。
しかし実際に建てられたのは予算の関係から当初の大きさの半分。
これではイチゴのベッドが入りません。
そこで考えたのがこの立体栽培システム。
面積当たりの株数を確保できるため小面積の観光農園で導入されている装置です。
さてこの装置で栽培したイチゴを担当者以外で最初に食べた人は誰だと思いますか。
答えは学校の目の前にある保育園の子供たち。
みなさんを招待して初物を振る舞ったのです。
また計画ではイチゴやトマトを栽培して、
ジャムやピューレに加工して環境システム科の名物にする予定でした。
ところが学科ができて5年以上経ちますが、実はまだ一度も実現していません。
ぜひ新たな名物となるようチャレンジしてもらいたいものです。
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ゾッとする風景 !

2020年04月25日 | 生物生産科
生物生産科には生物工学研究班があります。
名農のバイオテクノロジーの取り組みは早く、
クリーンルームを持った専用の実験室ができたのも県内では早い方です。
そんな研究班が職員玄関前のコチョウランに変な印をつけました。
実は人工受粉した花に担当者の名前をつけているのです。
受粉が成功したかどうか判断するのは簡単。
これだけ元気で大きな花がすぐ萎れてくるからです。
お客様をお迎えする花を教材にしてしまうあたり
環境班にはない生物工学研究班のたくましさを感じます。
ところで高校に生物工学が入ってきた時の教材は
コチョウランやカトレアなどの洋ラン。
あれから何十年も経ちましたが、どうやら今なお洋ランが主役のようです。
それだけ扱いやすいのだと思います。
さてこの風景を見るてゾッとするのが環境班。
生物工学研究班が試験管内で培養した苗を外気にならすための施設が
現在ハンターズが使っている馴化温室だからです。
コチョウランが試験管から出てくる前に
さっさとトンズラした方がいいかもしれません。
温室返還の日が近づいています。
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花曇り

2020年04月24日 | その他
南部町のサクラがやっと咲き始めました。
確か青森市の今年の開花は20日。
やはり暖冬のため平年より5日ほど早いそうです。
しかし、このところ低気圧が頻繁に通過するため
雨や曇りが多く、なかなか青空の下のサクラを見ることができません。
さらに風が思ったより強く、散ってしまうのではないかと心配です。
さて南部町といえばご存知フルーツの里。
なかでもサクランボは県外からもお客様がやってくる町一番の観光資源でもあります。
町の産直センターはチェリーセンター、農村体験施設はチェリウス、
さらに名久井農業高校の向かいにはチェリー保育園と町中サクランボだらけ。
いかに力を入れているかがわかります。
みなさんお待ちかねのサクランボ祭りは6月下旬から7月中旬頃までで、
その間、観光サクランボ園は1時間食べ放題1000円で開放しています。
自分でハシゴに上り、いろいろな品種の味比べをするのは面白いのでぜひ体験してください。
ところでこのきれいなサクラにもサクランボが実るのでしょうか。
答えは微妙。確かにソメイヨシノにも実が付きますが1cmぐらいの小粒。
食べたことはありませんが、資料によると渋くて食べられないそうです。
私たちが食べているのは同じサクラでも「ミザクラ」という種類。
こちらは実が大きく甘いのが特徴です。
昨年、青森県をあげて育成した大粒サクランボ 「ジュノハート」がデビューしました。
ホームページがあるのでご覧ください。
コロナの影響で今年のサクランボ祭りがどうなるかわかりませんが
人がいなくても、そんなのおかまいなしでサクランボは実ります。
町の観光資源、どう販売していくのか気になります。
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タフ

2020年04月24日 | 研究
ファインダーが潰れ、ボディが歪んだカメラ。
理由は事故。30年以上も前、農道の脇にカメラを置いて
研究班の指導をしていたところ、置いた場所が悪かったのか
なんと自動車にひかれてしまったのです。
もちろんレンズは大破してしまいました。
事故にまったく気づいていなかったので後で発見しびっくりしました。
しかし農業高校では毎日のように研究活動の時間があり
生徒の活動や作物の生育を記録しなければならないため
落ち込んでなどいられません。
急いで同機種を購入して生徒たちの活動を記録していましたが
ある日、壊れたカメラを動かしてみるとなんとシャッターが切れます。
そこで試しにフィルムを入れて撮影したら、ちゃんと写るではありませんか。
専門家が見たら歪みなどあるかもしれませんが
素人の私たちが見る限りは、まったく問題ありません。
昔からNikonのカメラは世界のジャーナリストに愛用され
戦場や災害の様子を記録してきましたが
その理由のひとつは、優れた描写力と酷使に耐えられること。
自動車に踏まれてレンズが破壊されてもボディーが生きているとは驚きです。
おかげでその日から2台のカメラが使えるようになり
とても重宝したのを覚えています。確か20年ぐらいは使ったはずです。
そんなタフな35mmカメラたちは、動くのに今はみんなお役御免。
アナログからデジタル。技術革新はある意味残酷です。
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南高梅

2020年04月23日 | 研究
馴化温室脇で南高梅の花が咲き始めました。
作物にはいろいろな名前がありますが
この「南高梅」というウメの知名度は群を抜いています。
よくスーパーマーケットやデパートで梅干しが並んでいますが
必ずといっていいほど南高梅を使用していると誇らしく表記されています。
地域団体商標制度というものがありますが、この南高梅は第1号登録。
最高級の品質とそれを生産する地域として認められています。
さてなぜ南高梅というかご存知ですか。
和歌山県には南部(みなべ)町というウメの産地があり
いろいろな種類のウメが栽培されていました。
そこでどのウメが一番優れているか数年にわたり調査が行われ
選ばれたのが大きな果実が特徴の通称「高田梅」と呼ばれるものでした。
この調査を行ったのが南部高校園芸科の生徒たち。
そこで南部高校の通称「南高」と高田梅の「高」をとって
あらためて「南高梅」として命名されたのです。
南部高校は農業高校なので、よく農業クラブの全国大会に出場され
ウメの研究発表をしてくれます。
昔、「私たちには自動車を発明した責任がある」という
メルセデスベンツの名キャッチコピーがありましたが、
それと同様で本家本元に大上段でかまえられたら
他は色がかすんでしまい、なかなか太刀打ちできないものです。
そんなトップランナーである南部高校は他の学科が閉科しても
名門園芸科だけは存続させてきました。
しかし平成29年についに園芸科も募集停止。
そして今年、和歌山県は南高梅の後継として新品種「星秀」を発表しました。
時代は流れています。
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