花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

絶対に負けられない戦いがここにある

2021年06月26日 | 学校
「赤い宝石」といわれるサクランボ。
全国有数の産地、青森県南部町では
先日から収穫が始まっていましたが、
とうとう我が名久井農業高校でもスタートしました。
このサクランボはもちろん佐藤錦。
酸味と甘みのバランスがとれた食味No.1の品種です。
園芸科学科の生徒の皆さんが一生懸命収穫してくれた
このサクランボは、今年も校内で販売されました。
名農生はそろそろ販売時期なのを知っているので
昼休みや放課後になると販売される職員玄関あたりをウロウロして
狙っていました。そんな努力の甲斐あって
今日は手に入れた人も多かったはずです。
サクランボの販売は数量限定。
運良く買えた人、いいお土産ができました。
また残念ながら逃してがっかりしている人。
負けたと気を落としてはいけません。
来週も少なからず販売されるはず。
野生の勘を研ぎ澄まし、みんなで楽しく勝負しましょう。
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居候

2021年06月26日 | 学校
チームの本拠地である馴化温室脇に咲くこの植物はシラン。
中国や日本付近が原産地の東洋ランです。
現在、野生種は準絶滅種になっていますが、家庭で広く栽培されているので
シラン自体がなくなる恐れは少ないようです。
シランという名は紫の花を咲かせるランということから
漢字では「紫蘭」と書きます。しかしこの写真でも確認できますが
白い花を咲かせる種類もあります。
こちらはハクランとはいわずシロバナシランといいます。
全国的に販売されている「ブラックサンダー」という
子供用のチョコレート菓子がありますが、
北海道版ではホワイトチョコレートを使っています。
その名も「白いブラックサンダー」。
シロバナシランと同じ発想で、いったい何色なのか分からなくなりそうです。
さてではなぜ馴化温室脇にシランがたくさんあるのでしょうか。
実はシランは生物工学の基礎である無菌播種を学ぶ際に
一番多く使われる植物。ファレノプシスなど西洋ランと違い
このように地植えしても元気に育つから管理がしやすいからです。
皆さんきれいだと眺めますが、この花を見ると
チームはいつもドキッとしてしまいます。
なぜならここは馴化温室。ガラス瓶の中に無菌播種して
育てたランを屋外環境に馴らすための施設で、本来ならば
生物生産科生物工学班の持ち物だからです。
チームが結成時、誰も使われていなかったことからここに居候して13年。
家賃も払っていません。もし大家さんである農場や本家本元の生物工学班に
出て行けといわれたら、いつでも明け渡さなければなりません。
シランがきれいな花を咲かせる初夏、チームの肩身は狭くなります。
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もしかしてだけど

2021年06月25日 | 研究
机上にあるのはマグネチックスターラー。
磁石でガラス容器内に入れた金属製の小さな棒を
くるくる回し、液体を攪拌する装置です。
初めて見たときは、自分でやらず機械にかき混ぜさせるとは
なんて怠け者だと思ったものです。
しかし機械がやってくれているうちに次の準備ができるので
今はありがたくその恩恵にあずかっています。
さて容器の中に入っているのはフローラお馴染みのマイクロバブル水。
目に見えないたくさんの微細気泡が入っている特殊な水です。
もうひとつ入っているのはある鉱物。
彼女はこの鉱物に富栄養化した水に含まれる窒素類を吸着させて
水質浄化させる研究を昨年から取り組んでいました。結果は上々。
4月から取り組んできたこともあり、そろそろ終わりに近づいてきましたが、
せっかくなら吸着した窒素を再利用できないかと考えるようになりました。
そこで彼女は鉱物を水洗い。ところがガッチリ吸いつけているのか、
そう簡単に洗っても溶出してきません。
そこで登場したのが懐かしのマイクロバブル。
2011年、東日本大震災で塩害を起こした土壌から塩分を洗い流すのに
優れた効果を上げたチームの秘密兵器です。
もしかしてだけど、この水で鉱物を洗ったら吸着された窒素分を回収でき、
栽培にまた使えるかもしれないと思ってんじゃないの?
使い捨てにしない偉大なる貧乏性。
果たしてもったいない精神が通じるのでしょうか。
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君の努力に花束を

2021年06月25日 | 学校
先日ご紹介したフロリバンダという系統のバラが
とうとう開花しました。フローラ(花)と
バンドル(束)という名の通り、枝先にたくさんついた
蕾が一斉に咲くのでまさにひと枝で花束。圧巻の景色です。
品種の名前はアンジェラ。咲き姿が美しいつるバラです。
さて昨日は2年ぶりに農業クラブの県大会が開催されました。
昨年は開催できなかったのですから、結果はともあれ
今年はどの学校も精一杯努力し、頑張ったのではないでしょうか。
みなさんにバラの花束を差し上げたいぐらいです。
さて先日、今年度で農業関連学科が閉科される津軽のある高校の
最後の3年生がリンゴ研究に一生懸命取り組んでいる様子が
テレビで紹介されました。するとどうでしょう。
今度は名農生が地元の農家を支援するため
巨大なサクランボであるジュノハートの化粧箱作りをしたという
ニュースが立て続けに放映されたではありませんか。
もちろん園芸科学科の生徒たちです。
しかしよく考えると園芸科学科も今年度で閉科。
そういえば県内のある総合学科の高校の農業系列も今年閉じられました。
初めて勤めた時、県内には農業を学べる高校が7つありました。
ところが来年度からはたった4つ、ほぼ半分になります。
将来、いったい誰が日本人の食料を作り、
祭りや風習などの文化を守って行くのでしょうか。
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マスコットキャラクター

2021年06月24日 | 学校
農業高校には生徒会と農業クラブという2つの組織が存在し
生徒はどちらにも所属しています。
もちろんどちらも対等な立場で、校内には生徒会室と
農業クラブ室のふたつの部屋があり、そしてふたりの会長がいます。
先日、農業クラブ室に久しぶりに入ってみると
ご覧のように巨大な赤い着ぐるみと目があってしまいました。
リンゴのように見えますが、特産のサクランボのようにも見えます。
リンゴかサクランボかわかりませんが、この着ぐるみのルーツは知っています。
これは青森県で農業クラブ全国大会が開催された時に
作られたリンゴのマスコットが原型。当時の名前はリンリンといいました。
今でこそ全国大会にはご当地マスコットがつきものですが
なんとマスコットが初めて登場したのは青森大会でした。
当時、全国大会事務局を担当していたので、県内の農高生の公募で決まった
大会マスコットのリンリンをどのように活用するか検討したのを覚えています。
大会は式典を含めて5つの会場で同時並行で行われます。
そこで各会場でこのマスコットを着ぐるみにして練り歩くという
アイデアを考えました。統一したデザインは事務局が示し
各校がいろいろ工夫しながら制作してもらました。
手作りのため中には歪んだ形のリンゴもありましたが、
名農が制作したものはとても上手にできていたのを覚えています。
このリンゴは全国大会終了後、名農が再アレンジして校内イベント用に
作り直したものだと思われます。「サクランボ坊や」という名前に聞き覚えがあるので
もしかしたらリンゴではないかもしれません。もちろん「錯乱坊や」ではありません。
後日、農業クラブ役員に聞いてみたいと思います。
今日は令和3年の農業クラブ県大会。
コロナの関係から研究発表など発表部門だけ規模縮小で行われます。
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