平成元年より大阪~札幌間で運行を続けていた『トワイライトエクスプレス』ですが
残念ながら車両の老朽化を理由に来春、運行を終了します。
『カシオペア』のようにいずれは新型客車投入かな?なんて思っていたのですが
新たな客車新製の噂も無く消滅は時間の問題だとは思ってましたが
臨時扱いと言え、関西発着として唯一残っていた寝台列車だっただけにとても残念です。
24系25形寝台客車を用いて大幅な改造を施した濃緑の編成は登場当時、まだブルトレが
各地に残っていた影響も有るのですが特別感を感じながらもどこかで異端児の様な印象が有りました。
またその豪華さから来る料金の高さと運行区間を考えると私自身、恐らく乗る機会は無いだろう?
という想いも有ったので身近に見る列車で有っても縁遠い存在に感じていました。
撮影に関しても『雷鳥』や『日本海』撮影のついでといった感じでしたが本日
ちょっと撮りに行こうか?みたいな感じで『トワイライトエクスプレス』に会いに行きました。
残念ながら天気は曇っていて時折り薄日が射す程度です。
PENTAX K-3+smcPENTAX DA17-70F4 AL[IF]SDM
Avモード f11 1/800sec ISO500 +0.3EV (28mm)
昨日札幌を発った大阪行きのトワイライトエクスプレス。
手前に色鮮やかな稲の緑の色の絨毯をあしらいました。
稲にも少しピントが来るようにいつもより1段絞ってみました。先日ファームアップで得た回折補正は適用です。
もっとスッキリ晴れていれば琵琶湖の湖面もはっきり見えたと思います。
K-3+SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
Avモード f8 1/500sec ISO250 +0.3EV (240mm)
続いては大阪から下り札幌を目差すトワイライトエクスプレスも捉えました。
曇っているうえに付近は霞んでいたのであまり良い撮影条件ではないのですが・・・。
それにしても緑の中を行くトワイライトエクスプレスは結構絵になりますね。
濃緑に一本黄色のラインが走る編成が魅力的です。
引退前にしてそう感じる私はかなり鈍感ですね。
また機会が有れば引退までの間、またどこかで撮影したいと思います。
まだ周遊きっぷが健在だった頃、一人北海道を旅した帰りに偶然手に出来たシングルツインの部屋の中から函館湾に浮かぶイカ釣漁船の灯を見て旅の終わりに涙を流した日…、また家族旅行に選んだ道東方面旅行で手配した下り便の中、少し早めに起きてサロンカーの大窓から夜明けの函館湾や霧がかる駒ヶ岳に感動した日…、全てはこの列車だからこそ体験出来た貴重な思い出です。
観光列車的要素が強い列車だった故需要が下り便に集中してしまった事もデメリットとなってしまったかもしれませんね。でも個室料金が少々高いとはいえ、駅でマルスを叩いてもらい、空きがあれば手軽に乗れるこの列車を使った旅が教えてくれる世界はもう他にはないのです。(『北斗星』や『はまなす』は東日本エリアなのでこの際除外するとして…)
国鉄時代から連綿と受け継がれてきた長距離列車を使う『大』旅行の醍醐味がもう味わえないと思うと正直悲しいです。JR西日本もJR東日本も次世代クルーズトレインの運転計画を発表していますが、列車も目的地も初めからワンセットで提供されるそのプランはいくら設備が豪華でも少々気が引けてしまいます。でも、"廃止"と発表されてしまった以上、これも時代の流れと受け止めるほかはないのでしょう。ひょっとしたらいずれは私も、"鉄道旅"の残り香をたどるように、"新函館北斗"行『はやぶさ』の車窓から函館湾のイカ釣漁船の漁火を目で追いかけてるかもしれません。
2度の素晴らしい『トワ』体験をお持ちとは羨ましいですね。
時刻表片手に当たり前の様に走っていた夜行列車を活用した列車旅時代は去り
そして長距離列車による『大』旅行もいよいよ終焉を迎えていくとは残念な限りです。
私には残り香を辿る様な列車旅経験は殆ど有りませんが『現代』の鉄道で過去の思い出を
オーバーラップさせる旅もまた一興かも知れませんね。
25,000Vへの電圧の変更に対応した機関車を用意するのに数億円かかる事と、
第三セクター化された路線の通行料金の発生が挙げられます。
僕自身、JR北海道の不祥事続きで、新幹線が安全に走れるのか、激しい疑問を感じます。
何れにしてもこの緑の季節と紅葉、そして雪景色の中を走るトワイライトは来シーズンは
見られませんから今シーズンのうちに後悔無く撮っておきたいものです。
僕自身も逆に bigwest_1965さん の作品を見て、風景撮りに刺激されました。
大いに刺激されましたよ。同じポイントですぐ撮影に行こうかと思ったのですがtake44さん以上の写真は私には撮れませんので止めました(笑)。
とにかく今まで“トワ”の車体色と背景の緑をコラボしようと思った事が一度も無かったので
そういった面でも刺激的だったと思います。
「車体の老朽化」が一般的にも理解しやすい廃止の理由となっていますが実はそんな
理由が背後に渦巻いていたんですね。
EF81が牽引する旅客列車を撮影するのもこの“トワ”が最後かも知れませんね。
気負わずに楽しく撮れる範囲で楽しもうと思っています。