老いのひまつぶし

東海地方に在住の80才の男性です。
日常の喜怒哀楽を綴って行きます。

やっと、読み終えた

2014-03-11 09:36:08 | 読書
昨秋に読みたくて買い求めた葉室麟氏の直木賞作品 蜩ノ記 を先日やっと完読出来ました。

作品は映画化されて既にご存じの方が多いと思いますが、江戸時代の豊後の国の武士が訳あって、10年の期限付きで切腹を命じられそれまでを山村で幽閉生活を送った物語。

主人公戸田秋谷は江戸詰の時、家督騒動に巻き込まれ身に危険が迫った側室を匿い、その際若き武士を切り捨てた罪で切腹を命じられた。

幽閉生活は妻と息子と娘の4人暮らし、秋谷の仕事は藩主の家譜(三浦家譜)を仕上げる事になって居ます。

その秋谷を見張る為に派遣されたのが同じ藩士の若い檀野庄三郎、彼もまた些細の事から友人と喧嘩になり刄傷沙汰を起こして謹慎の身。

物語の入り口から緊張させる場面があり最初から急ぎ読み進みましたが、途中からは中身の影響を受け何故か身を正して読む物語かと思う様になりました。

大体、私は常に2~3冊を併読して読む癖があるのですが、この本については併読は駄目な気分になりました。

今年になり1月早々に目の白内障の手術を受け、左右の目の術後の回復を待ち2月後半から続きを読む事が出来るようになりました。

読み終えて感じたのは、主人公戸田秋谷氏の武士としての生き様が今の世代には無い素晴らしいものであったということです。

自らの命を限定されても何事にも迷わされる事無く、自分の置かれた場所で仕事を完遂する。

現代では癌病等で余命を限られた人は少なからず居られると思うのですが、そんな余生を自然体でどう過ごす事が出来るか考えさせる物語でした。

久し振りに読み終えたと感銘を受けた小説でした

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