外出先から帰社後、遅めのランチをとりに出かけ再び会社に戻る時、一台のワゴンRが自分の前を通り過ぎようとした。ふとスピードをゆるめ、なかなか前を通り過ぎてくれない。
「なんだよ、このワゴンR!」と思って運転席を覗き込むと、見慣れた顔が!。
ライバル会社の営業マンで何かと顔を会わすことの多いKだ!。
スーツ姿でなく私服で、ニヤニヤとこちらを見てる。ふと視線をずらすと助手席には女の子の姿が!。
まさかあのKが女の子とデートだなんて!。そしてKはニヤニヤした顔のまま、自分の前を通りすぎて行った。バックミラーに映る顔もニヤついたままだった…
。
Kと言えば、仕事はきっちりやるタイプで商談も自分とかち合う事が多く、会社もモロにライバル会社。自分にとっては少々邪魔クサイ存在(笑)ながら、共通の得意先については情報交換したり、最近は仕事上の悩みなんかを話してくれたりする仲
。
さらに彼は遊びについても人一倍貪欲で、特にプロフェッショナルな遊び…、ぶっちゃけて言うと欲望をお金で処理することを趣味としてる男だ!(笑
)。
見た目も年下のクセにオヤジ臭く、いつもスポーツ新聞を抱え、「男の終着駅」臭がプンプン漂っていた。そんなKに彼女だなんて…。
早速Kの携帯に電話をしてみた。
「だめだめ、君がデートなんかしちゃっ。プロ一筋なんだろ
。」
「えへへ、彼女、高校の同級生なんすよ。こないだ久しぶりに再会して。へへへ。
」
「いやいやいや、そういうの似合わないって。だめだめ。がっかりさせんなよ。」
「えへへ、何すか、いいじゃないっすか・・・。本当の彼女っすよ。へへへ
。」
「今日は何?、もう一人で仕事納めしちゃったの?。」
「えへへ、会社には、親戚が亡くなったことにしてきました。へへへ。ですから会社の人にはこのこと言わないでください。ひひひ
。」絶対ばらす。
「夜、池袋で食事しようと思うんすけど、いいお店知らないっすかね?。へへ
。」
「サンシャインの地下に『てんや』があんじゃん。上天丼でも頼めばいいじゃん。」
「楽しい?。」
「めっちゃ楽しいっす。へへへ。」
くそー、あんにゃろうに彼女とは・・・。
驚きが大きくて、じっくり助手席の彼女の顔見るの忘れた。
でもなんか、人の幸せ見るのも悪くないかな。
とある得意先にKが苦しめられてたの知ってたから、こんな一面を見れて少しホッとした。
ちゃんと心安らかにする場所があったんだなあ…
。
今日の移動中のBGMは珍盤「The Rutles / Dirk Is Deaf」!。
ブート屋さんで見つけた一枚で、2004年に再結成されたラトルズのライブ盤。
もうメジャーと言ってもいいくらいの存在の彼ら。パロディといいながらもクオリティの高い楽曲で自身のファンも大勢生み出したことが確認できるライブ(しかも歓声は男ばっか…)。
ファースト・アルバムとセカンド・アルバム「ARCHAEOLOGY」からの選曲で、ラトルズのベスト盤的な内容。
バリー・ウォム(!)のドラムがいい感じ!。