1月も終わりになって、ようやく今年最初のエンタメです。
しかもっ!!!
チケットを家に置いて仕事に行ってしまいました。。。
自分の中で、エンタメに対するプライオリティが
下がっているのかしら…なんて思いながら、
コクーンへ行ってきました。
あ、チケット忘れについてはリカバーできましたので
久しぶりの野田地図です。
今回は宮沢りえ&松たか子のW主演の舞台。
脇を橋爪功、大倉孝二、北村有起哉、小松和重、田中哲司
更にはコンドルズ、なんて面々が固めています。
もちろん、野田さんも。
舞台は火星。
そこに住む姉妹(宮沢&松)を軸にしたストーリー。
最近、野田さんの言葉遊びが控え目になったかな・・・?
という気がしていたのですが、
今回は健在でした。
分かりやすい…というか、
耳で聞いただけでも理解できる感じだったので、
無理なくついて行けました。
そして出演者が場面ごとに役代わりしていく様が見事!
主役2人とも、負けず劣らずの好演でした
一番驚いたのが、りえちゃんの声!
第一声を発した瞬間「…低い?!」と。
でもその低い声が、勝気な姉にピッタリ。
多分、喉を潰してしまってるんです。
でも、喉を使わない低い声の発声で安定していて、
全く気になりませんでした。
ただ、役代わりして4歳の子供を演じる時は、
ちょっときつそうだったかなー。
元々声は細い方だと思うのですが、
次の舞台でどういう「声」になっているのか、興味があります。
お松さんは張り上げなくても通りの良い、
良い声ですね~。
やっぱり良い女優さんです。
あとは有起哉さんもいい声だなーと。
決して二枚目ではないと思うのですが、
立ち姿は華があるし、カッコいいな~と
そして重要な役どころ‘パイパー’たちを演じる
コンドルズの面々。
パイプを連想させる特殊な衣装を身に付けているのですが、
それを見事に生かしていて、さすが、でした。
パイプの先に意志があるかのような操り方は見事!
席が前の方だったこともあって、
どれが誰だか分かりましたしね。
まぁオクダさんは体型で一目瞭然なのですけど(笑)
ストーリーはカニバリスムも出てきたりして、
結構ハードでした
が、そのものズバリを出さずに、
そこにあるものとして演技しているので
うぇぇ~、となることはありませんでした。
…いや。
そのものズバリを出されると、出てきた瞬間はうぇぇ~
となるのですが、ずーっと見てるうちに
違うものに見えてくるというか…
それに対する人間の愚かさ、滑稽さが見えてくる気がします。
逆に、今回のように観客の想像力に任せる場合、
拒絶反応がずっと続くのかな、と。
きっと長塚圭史だったらバーンと出てきちゃうのかな~、
なんて思いがふっと頭をめぐり、
「働く男」のラスト、池田成志さんが得体の知れない
どす黒いぐちゃぐちゃしたものを一心に頬張る姿や、
「Wee Thomas」で、死体を必死に解体する
中山さんたちを思い出しました。
どす黒いものは、本当にどす黒い気持ち悪いものにしか見えなくて、
それを決死の覚悟で食す池田さんの姿は、
逆に崇高なものに見えました。
この場面には必要不可欠なものだったと思います。
逆に、わーきゃー言いながら死体を解体する中山さんの姿には、
人間の小ささ、滑稽さが垣間見えて、
そんな場面なのに笑えちゃったりしたような…。
場面によって、小道具があることが効果的だったり、
無い方が効果的だったりするのかな。。。
何を伝えたいか、なのかな。。。
妙なところで語ってしまいました
ヘタをすると救いようがなくなりそうな作品だったのですが、
ラストにはちゃんと救いがありました。
繋がりそうで繋がらない、
会話になっていなさそうで会話になっている、
何とも詩的な…寺山をちょっと連想させるようなセリフを
朗々と…
「話す」「声を張り上げる」「語る」「伝える」
こういう場面ではどれが適当なのか、
私のボキャブラリーでは伝えきれないのですが。。。
舞台中央に手を繋いで真っ直ぐに立って
交互にセリフを発する2人(宮沢&松)の姿が圧巻でした
今回の舞台が火星だったせいもあると思うのですが、
前半の‘緊張’からラストの‘カタルシス’へ
という流れに、
山海塾に似たものを感じました。
山海塾の前回公演も、天空を感じさせるセットだったからかなぁ。
あと、音楽とか?
カテコはクアドラプル(4回)が出たのですが、
飛び跳ねるように袖にハケていく
お松さんの姿がとってもキュートでした