朝から病院、午後レッスン、ソワレで観劇・・・と、
忙しい1日を過ごしてきました。
朝から病院の日はそれほどきっちり睡眠時間が取れないので、
声の調子がイマイチです・・・。
仕方ないか・・・。
手塚治虫原作の「アドルフに告ぐ」。
初演は8年前だそうです。
もちろん観てますw
今回は日本編、ドイツ編、特別編の3バージョン、更に
日本編とドイツ編は2チームに分かれているので、
全部で5バージョンの上演。
さすがに3バージョンのみの観劇です。
まずはドイツ編を観てきました。
アドルフ・カウフマン:山本芳樹☆
アドルフ・カミル:奥田努☆
峠草平:曽世海司
ヴォルフガング・カウフマン:船戸慎士
由季江:宇佐見輝
イザーク:藤原啓児
マルテ:大村浩司
アセチレン・ランプ:倉本徹
エヴァ・ブラウン:深山洋貴
アドルフ・ヒットラー:甲斐政彦
☆印以外はシングルですが、
一部ドイツ編のみの出演キャストがあります。
ドイツ人の父と日本人の母(由季江)の間に生まれた
ドイツ人のアドルフ・カウフマンと、
ユダヤ人のアドルフ・カミル。
同い年の2人は幼い頃は親友でしたが、
カウフマンがヒットラー・シューレに入学するためにドイツへ行き、
教育を受けるうちに2人の間の溝はどんどん大きくなり、
最後にはお互いに銃口を向け合うまでに・・・。
3人のアドルフを軸に、峠草平が狂言回しとして物語は進んでいきますが、
初演に続いて続投の曽世さん、やっぱりこの役ピッタリですね~
初演で覚えている場面は、曽世さんが誰か(多分ユキエさんだろうなー、と)をおんぶして
子どもができたことを喜ぶ場面の、
曽世さんのとても幸せそうな素敵な笑顔と、
仲原君演じる本多大佐の息子の自決の場面(多分日本編にしか出て来ない)。
この2つがとても印象的だったんですよねー。
で、今回ももちろんありました。
おんぶしているのは、やっぱりユキエさんで
(アドルフの父が死んだ後、峠草平と再婚するのです)
ユキエさんは瀕死の状態なので、そこまで幸せいっぱい!というわけではないのですが、
どんな状況にあっても生きることを諦めない逞しさ、
目の前のささやかな幸せを喜べる強さ、
そういったものが感じられる笑顔で、とても魅力的でした。
芳樹さんは、幼少期はいじめられっ子ということもあって、
ちょっとクネクネした感じがありましたが、
心の底からのナチス党員になってからの冷徹な雰囲気は
さすがでしたねー。
奥田君も負けてなかったかな。
叫ぶとちょっとセリフが聞き取りづらいところもあるにはありましたが。
そしてこちらも初演に続いて続投の
アセチレン・ランプの倉本さんと、ヒットラーの甲斐さん。
甲斐さーん!
本公演はちょーーーー久しぶり~~~~
どちらも、ビジュアルがピッタリなんですよ。
ヒットラーは、既に最盛期を過ぎている頃の様子だと思うのですが、
病的な表情、喋り方、しぐさ・・・
本物もこんなだったんじゃ・・・と思ってしまいます。
メインの役しか書いてませんが、
この作品、色んな役で次々と登場してきます。
ユダヤ人実業家を演じていた藤波君が、
後半ではヒットラー暗殺を企てるSSを演じていたりして、
なかなかシュールだなぁ、と。
そういうところも気にしながら観ると、
結構何度でも楽しめちゃいそうです。
作品としては、やっぱり重いです。
終戦後、パレスチナへ赴く2人のアドルフ。
ちょうど今、ISのこともあるし、
手塚治虫の先見の明を感じましたね。。。
周囲の状況の変化で立場が入れ替わり、
自身のアイデンティティすら危うくなるという、人間の儚さ。
亡くなった座長は、5年以上前から
戦後70年の2015年にこの作品を上演する!と決めて動いていらっしゃったそうですが、
今、上演すべくして上演された作品だな、と感じました。
終演後、ちょっとしたトークショーがありました。
若い劇団員は「玉音放送」を「たまおとほうそう」と読んだ話、
初演は地毛でいけてたけど、今回は諸事情wにより
頭頂部をドーランで塗って、庇前髪を付けることになった話(倉本さん)、
ヒットラーの独特のしぐさを16種類ぐらい身につけて、
その時の気分によって様々なしぐさが飛び出すのだけど、
気分が高揚してぴょーんと飛び跳ねるしぐさをした時、
八百屋舞台のために1回で止まれず、ぴょいんぴょいん飛び跳ねちゃった話、などなど。
(見られたかなーっておっしゃってましたが、ばっちり見ちゃいましたよw)
もうちょっと色々聞きたかったなー、という気もしますが、
楽しませていただきました。
日本編と特別編も楽しみですねー。
8/2まで紀伊國屋でやってますので、よろしければ是非!