ゆんのひとり言

~iLYsゆんの推し事とスイーツを語るブログ~

「アンナ・カレーニナ(N)Studio Life」@あうるすぽっと

2018-06-05 12:00:00 | 観劇記&鑑賞記

今回のライフの公演は,トルストイの「アンナ・カレーニナ」です。
「大いなる遺産」と同じく,ジョー・クリフォード脚本。
そして,曽世さんが,タイトルロール!
ワクワクしながら観に行ってきました。

   

舞台は,全体的に黒。
奥の方にV字型の傾斜のある通路があり,
銀色の細い棒が無数に立ち並んでいます。
竹のようにも,枯れた木のようにも見えます。

日曜日にマチソワで観に行ったのですが,
マチネNチームのキャストは以下の通り。

アンナ・カレーニナ:岩崎 大★
アレクセイ・カレーニン:船戸 慎士
ステパン・オヴロンスキー:楢原 秀佳
ダリヤ・オヴロンスカヤ(ドリー):石飛 幸治
カテリーナ・シチェルバツカヤ(キティ):関戸 博一★
コンスタンチン・リョーヴィン:仲原 裕之★
アレクセイ・ヴロンスキー:笠原 浩夫

★印がWキャストです。
そしてロシア語って,苗字も男性形・女性形で変わるんですねー。

夫との冷え切った関係に疲れていたアンナは,
自身の不貞行為が原因で妻と喧嘩になってしまった兄に仲裁を頼まれ,
兄の住むモスクワへ行き,そこで若い将校・ヴロンスキーと出会い,恋に落ちます。
夫と子どもの待つペテルブルグへ戻るアンナを追い,
ヴロンスキーもペテルブルグへやってきて,
2人はやがて一緒に暮らし始めます。
世間体を気にして離婚に応じないアンナの夫。
そして社交界から締め出され,友人もなくしたアンナと
新しい事業を始めたヴロンスキーとは,徐々にすれ違い始め…

原作はもっとドラマティックなようですが,
舞台ではシンプルになっています。
子どもを持ち,地に足の着いた生活を営む
アンナの義姉(兄の妻)の妹・キティと,田舎地主のリョーヴィンと,
不安的な関係に思い悩むアンナとヴロンスキーとが
対比的に描かれています。
音楽も,明るいキティ,暗いアンナ

岩崎さんのアンナは華やかでとてもキレイ
なのですが,衣装の生地がてらてらしているせいで,
なんか安っぽく見えちゃうんですよね。
お顔立ちが派手めなキレイ系だから,ヴィオレッタみたいだなー,と。
他のご婦人方のドレスは,とても高級感溢れてるのに…
ちょっと勿体ないなーと思いました。
あと,欲を言えば,もう1着ドレスが見たいわ,とも

若き将校ヴロンスキーを演じる笠原さん。
もうちょっと愛が欲しいっ!www
いえね,この作品,最初から最後までアンナが不幸そうなんです。
そりゃ不貞行為ですから,最後は悲劇なんだろうな,というのは予想してますが,
最初はもうちょっと,2人きりの場面くらい
幸せそうでもいいじゃない,って思うんですよねぇ。
あまり2人の恋は描かれていないので,余計にそう感じるのかもしれないです。

アンナの兄・オブロンスキーを演じる楢原さん。
女好きで楽天家で,愛すべきダメ夫を好演です。
全体的に暗い人が多いので,この飄々とした楽天家ぶりには和みます。

そのダメ夫を献身的に支えるドリー。
キティとリョーヴィンの仲を取り持ったり,
友人を失ったアンナに優しく寄り添ったり。
理想的な女性ですね。

ヴロンスキーに惹かれていたものの,アンナに奪われ
一度は断ったリョーヴィンからのプロポーズを受け入れるキティ。
田舎での暮らしは楽園みたいなものだと思ってた…
結婚したら,好きな時に好きなだけお菓子を食べられると思ってた…
なんてお子ちゃまから,母へと逞しく成長していきます。
母は強し

田舎地主のリョーヴィンを演じる仲原さんは,
ちょっと頼りないけどやる気に満ち溢れた地主様。
農地は赤字だし,小作人にちょいちょいお金をあげてしまうところなど,
経営者としての手腕には不安も感じますが…
真っ直ぐでシャイなリョーヴィンは,とても魅力的でした。


15分後に食事して,27分に家を出る,など
ガッチガチに規則を決め,自らを律し,妻も縛り付ける
アンナの夫・カレーニン。
アンナが家を出てからも,頑なに離婚を認めません。
私は何も悪いことはしていない,無罪だ。
彼女は有罪だ。
なぜ有罪の彼女が楽しい生活を送れるよう手助けをしなくてはならないのだ,と。
有能な政府高官かもしれませんが,
一緒に生活するのは厳しいものがありますね

途中の会話がちょっと難解な部分もあったりして,
色々考えさせられる作品でした。
割と最近の新訳も出ているようなので,
原作を読んでみようかなぁ。

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