90年作品。古墳の近くで起こった奇怪な殺人事件に巻き込まれたテレビ局員たちが、不思議な出来事に遭遇する様子を描く。昭和41年に放映されたTVシリーズの映画化だが、脚本は今回書き下ろされたオリジナルである。
私は本作をリアルタイムで観ているが、本編の前に上映された「ウルトラQ」テレビ・シリーズ2本の中のひとつ「1/8計画」が面白いと感じた。人口過密に悩む東京都が人間を8分の1の大きさに縮めてしまおうというプロジェクトを推進し、ヒロインがそれに巻き込まれるというストーリーだった。怪獣の登場しない「ウルトラQ」の代表作だが、今見直しても生々しさと不気味さ、そしてほんの少しの哀愁がただよう佳編であると思う。
で、映画の方であるが、今一歩の出来である。事件を追う主人公達が、やがて古代日本において重要な役割をはたした「海人族」の秘密に迫っていくという筋書き。すさまじい移動と俯瞰ぎみの広角撮影、逆光と極端なクローズアップを中心としたカメラワークは、作品のあやしげな雰囲気つくりに大いに役立っているし、火を吐く怪獣“ナギラ”は平成ゴジラよりずっといいし、吉野ケ里遺跡をはじめとするロケーションも悪くないのだが、いかんせんキャスト(柴俊夫、荻野目慶子、風見しんご等)が弱体気味で、感情移入がしにくい。
はっきり言ってこれは30分あるいは一時間のテレビ番組向けのハナシだと思う。映画の後半は完全にダレていて、「ま、どうでもいいや」って感じで・・・・。
監督は(今は亡き)実相寺昭雄。テレビ版「ウルトラ」シリーズにおける奇妙な感覚の作品はすべて彼の演出によるが、映画では思い入れが強いわりに独りよがりになるのが彼の作風だと私は思っている。当初この作品は平成ガメラシリーズを手掛けた金子修介が監督する予定だったのが、いつの間にか交替してしまったもの。私は今だ1960年代を引きずっていた実相寺のおじさんよりも、テレビ・シリーズを見て育った世代である金子監督の作品を観たかった。
私は本作をリアルタイムで観ているが、本編の前に上映された「ウルトラQ」テレビ・シリーズ2本の中のひとつ「1/8計画」が面白いと感じた。人口過密に悩む東京都が人間を8分の1の大きさに縮めてしまおうというプロジェクトを推進し、ヒロインがそれに巻き込まれるというストーリーだった。怪獣の登場しない「ウルトラQ」の代表作だが、今見直しても生々しさと不気味さ、そしてほんの少しの哀愁がただよう佳編であると思う。
で、映画の方であるが、今一歩の出来である。事件を追う主人公達が、やがて古代日本において重要な役割をはたした「海人族」の秘密に迫っていくという筋書き。すさまじい移動と俯瞰ぎみの広角撮影、逆光と極端なクローズアップを中心としたカメラワークは、作品のあやしげな雰囲気つくりに大いに役立っているし、火を吐く怪獣“ナギラ”は平成ゴジラよりずっといいし、吉野ケ里遺跡をはじめとするロケーションも悪くないのだが、いかんせんキャスト(柴俊夫、荻野目慶子、風見しんご等)が弱体気味で、感情移入がしにくい。
はっきり言ってこれは30分あるいは一時間のテレビ番組向けのハナシだと思う。映画の後半は完全にダレていて、「ま、どうでもいいや」って感じで・・・・。
監督は(今は亡き)実相寺昭雄。テレビ版「ウルトラ」シリーズにおける奇妙な感覚の作品はすべて彼の演出によるが、映画では思い入れが強いわりに独りよがりになるのが彼の作風だと私は思っている。当初この作品は平成ガメラシリーズを手掛けた金子修介が監督する予定だったのが、いつの間にか交替してしまったもの。私は今だ1960年代を引きずっていた実相寺のおじさんよりも、テレビ・シリーズを見て育った世代である金子監督の作品を観たかった。



