(原題:THE BEEKEEPER )お馴染みジェイソン・ステイサム御大主演のアクション編だが、彼が出た映画の中では一番面白い。何よりも話がよく出来ている。そしてそれを盛り上げる演出もある。もちろん、アクション場面については言うことなしだ。フラリと映画館(シネコン)に入って、肩の凝らない活劇編をチョイスしてみたら、思いがけなく引き込まれ得した気分になれるという、娯楽作品の王道みたいなシャシンである。
主人公のアダム・クレイは、アメリカの片田舎で養蜂家(ビーキーパー)として隠遁生活を送る謎めいた中年男。ある日、土地を提供してもらっている老婦人エロイーズがフィッシング詐欺に遭って全財産をだまし取られ、絶望のあまり自殺してしまう。復讐を誓うアダムは、詐欺グループを叩き潰すべく行動を開始。実は彼は世界最強のエージェント組織“ビーキーパー”に所属していたことがあり、並外れた戦闘力と独自の情報網を駆使してターゲットを追い詰める。
ネットにおける詐欺犯罪はどこの国でも問題になっており、これを題材にした時点でアドバンテージは確保されていると思うが、本作はさらに突っ込んだ筋立てを用意している。この詐欺組織のバックにはCIAなどの政府当局が控えているのをはじめ、大統領官邸も一枚噛んでいるというエゲツなさ。その詐欺行為でかき集めたカネがどのように使われているかが明らかになるくだりには、呆れつつも感心するしかない。
言い換えれば、今はここまで大風呂敷を広げないと単純な肉体アクション編は存在感を発揮できないのだろう。主人公の抜け目ない行動は御都合主義と映るかもしれないが、ステイサムのキャラの強さで押し切っていて、ある意味安心感さえ漂ってくる。また闇雲に大暴れしているようでいて、直接は悪事に関係の無い警察や軍の構成員たちはノックダウンさせるに留め、敵組織の幹部及びそれに雇われた悪漢どもは容赦なく始末するという、そんな“区分け”がキッチリ出来ているのも好印象である。
デイヴィッド・エアーの演出は闊達かつスムーズで、1時間45分という適度な尺も相まって実にタイトな感触だ。エミー・レイバー=ランプマンやジョシュ・ハッチャーソン、ボビー・ナデリ、ミニー・ドライヴァー、フィリシア・ラシャドなどの面子の仕事ぶりは申し分なく、ジェレミー・アイアンズが悪役に回っているのも面白い。なお、この映画内での大統領は女性である(演じているのはジェマ・レッドグレーヴ)。現実では女性が米国のトップに座るのは、まだ先の話だろう。
主人公のアダム・クレイは、アメリカの片田舎で養蜂家(ビーキーパー)として隠遁生活を送る謎めいた中年男。ある日、土地を提供してもらっている老婦人エロイーズがフィッシング詐欺に遭って全財産をだまし取られ、絶望のあまり自殺してしまう。復讐を誓うアダムは、詐欺グループを叩き潰すべく行動を開始。実は彼は世界最強のエージェント組織“ビーキーパー”に所属していたことがあり、並外れた戦闘力と独自の情報網を駆使してターゲットを追い詰める。
ネットにおける詐欺犯罪はどこの国でも問題になっており、これを題材にした時点でアドバンテージは確保されていると思うが、本作はさらに突っ込んだ筋立てを用意している。この詐欺組織のバックにはCIAなどの政府当局が控えているのをはじめ、大統領官邸も一枚噛んでいるというエゲツなさ。その詐欺行為でかき集めたカネがどのように使われているかが明らかになるくだりには、呆れつつも感心するしかない。
言い換えれば、今はここまで大風呂敷を広げないと単純な肉体アクション編は存在感を発揮できないのだろう。主人公の抜け目ない行動は御都合主義と映るかもしれないが、ステイサムのキャラの強さで押し切っていて、ある意味安心感さえ漂ってくる。また闇雲に大暴れしているようでいて、直接は悪事に関係の無い警察や軍の構成員たちはノックダウンさせるに留め、敵組織の幹部及びそれに雇われた悪漢どもは容赦なく始末するという、そんな“区分け”がキッチリ出来ているのも好印象である。
デイヴィッド・エアーの演出は闊達かつスムーズで、1時間45分という適度な尺も相まって実にタイトな感触だ。エミー・レイバー=ランプマンやジョシュ・ハッチャーソン、ボビー・ナデリ、ミニー・ドライヴァー、フィリシア・ラシャドなどの面子の仕事ぶりは申し分なく、ジェレミー・アイアンズが悪役に回っているのも面白い。なお、この映画内での大統領は女性である(演じているのはジェマ・レッドグレーヴ)。現実では女性が米国のトップに座るのは、まだ先の話だろう。