元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

初冬の北九州市のオーディオフェア。

2018-12-07 06:39:37 | プア・オーディオへの招待
 去る11月30日から12月2日に北九州市のJR小倉駅の近くにあるアジア太平洋インポートマートで開催された、第32回九州オーディオ&ビジュアルフェアに足を運んでみた。もっとも、個人的にスケジュールが押していたのでフェア会場にいたのは3時間程度だ。それでも興味を覚えた出品物がいくつかあったので、簡単にリポートしたい。

 例年、このイベント(同じ主催者による福岡市の春のフェアも含む)では、一般ピープルには全く縁のない超高額品ばかりが並べられるのが常だった。しかし、今回は少し毛色の変わった製品も展示されていたようだ。伊CHARIO社のGHIBLIは明るい音色と温度感のある中域が印象的なコンパクト型のスピーカーであるが、係員が“このモデルの価格は38万円です。しかもスタンド込みの価格です”と説明すると、ギャラリー席はざわついた(笑)。



 木目の仕上げが美しく、正真正銘のメイド・イン・イタリーであるGHIBLIがこのプライスで買えるというのは、ちょっとした驚きだった。駆動していたプリメインアンプである伊PATHOS社のClassic Remixは48万円で、安価ではないのだが、犯罪的な高価格でもない。真空管とトランジスタのハイブリッド型で、エクステリアの質感は高くスタイリッシュ。衝動買いするリスナーもいるかもしれない。

 同じイタリアのメーカーであるSONUS FABER社の新シリーズであるSONETTOは、上位モデルでも100万円を切り、下位モデルならば20万円で買える。それでいて音はこのブランド特有の明瞭で色気のある展開を見せ、こういうテイストが好きなリスナーは満足出来るだろう。なお、製造は本国でおこなっている。

 岐阜県中津川市にあるキソアコースティック社のスピーカーは、優れたパフォーマンスを誇るものの、あまりにも高価だった。もうちょっと手頃な値段のモデルが欲しいという声に応えてリリースしたのが、新作のHB-N1である。外観は従来の機種よりは幾分簡素だが、小さい筐体から広大な音場を展開するという、まさしく同社の特質が活かされたサウンドだ。88万円と値の張る製品ながら、この性能を勘案すれば、決して高くはない。



 意欲的なデジタルアンプを発売してきたSPEC社は、国内メーカーとして新興ながらも地位を築いた感があるが、新作のRSA-M88はフラッグシップ機のRSA-F11に迫る駆動力と質感を達成している。価格は78万円だが、RSA-F11より50万円も安い。この価格帯の製品を買えるユーザーには、魅力的に映ると思う。

 もちろん、以上挙げた製品は一般ピープルににとって容易に手を出せる価格ではない。しかし、システム総額が1千万円とか2千万円とかの展示が多かった同イベントにあっては、リーズナブルなプライスに思える(笑)。

 また、いずれも価格を下げるために中国などで製造していないのは好感が持てた。以前の私ならば“コストの安いところに製造拠点を置くのは当然”と断言していたところだが、いくら製品管理をしっかりと行おうとも、やはりこういう“趣味性の高い製品”は、本国で作るに限るのだろう。

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