猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レイン

2017-02-14 16:42:57 | 日記
1999年のタイ映画「レイン」。
タイ、バンコク。生まれつき耳が聞こえないコン(パワリット・モングコンビシ
ット)は、この大都会でたった1人で生きていた。ある日、コンが働く射撃場に1
人の男が現れ、次々と的を射抜いていく。男の正体は殺し屋のジョー(ピセーク
・インタラカンチット)。コンの視線に気づいたジョーは彼に銃を差し出す。コ
ンは最初の1発で的を撃ち抜く。それを見たジョーはコンを殺し屋として育て上
げ、一緒に仕事をするようになる。凄腕の殺し屋に成長したコンはある日、薬局
で働く少女フォン(プリムシニー・ラタナソパァー)と出会う。フォンは障害のあ
るコンに優しく接し、初めて人の優しさに触れたコンは人を愛することを知る。

オキサイド・パン、ダニー・パン共同監督作品。この人たちの映画って暗いなあ。
好きだけど。耳と口が不自由で、孤独に生きてきた青年コン。コンは射撃場で清
掃の仕事をしていたが、そこに現れた殺し屋のジョーに才能を見込まれ、殺し屋
として成長する。そんなある日コンは薬局で優しい少女フォンと出会う。コンは
フォンと度々会うようになり、筆談や身振り手振りで話をするようになる。人に
愛されたことも人を愛したこともないコンにとって、それは初めての心の安らぎ
だった。
ストーリーも暗いが映像も暗く、バンコクの繁華街の物騒な様子が伝わってくる。
障害のある孤独な主人公が殺し屋になってしまうところから、ハッピーエンドは
ないだろうと想像はつくが、コンの人生の悲しさが本当に繊細に描かれている。
セリフのないコン役の俳優はとてもうまいと思った。そして、人が死にすぎるの
も観ていて辛い。でも香港映画とかもこんな感じだなー。この暗さ、やるせなさ
がいいのだけれど。ラストはとても鮮烈で、そして切ない。このラスト、私はか
なり好きである。


良かったらこちらもどうぞ。オキサイド・パン監督作品です。
タイムリセット 運命からの逃走



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回転

2017-02-10 03:13:01 | 日記
1961年のイギリス映画「回転」。
ミス・ギデンズ(デボラ・カー)は家庭教師として田舎町のブライハウスという
屋敷を訪れた。そこでは、マイルスとフローラという幼い兄妹が長い間、メイ
ドのグロース夫人に面倒を見られながら暮らしていた。雇われて生活していく
うち、ギデンズは屋敷にいないはずの男の姿を屋上で見かけたり、湖の向こう
からこっちを眺める黒服の女の姿を見かけたりと、様々な怪奇現象に襲われる。
ギデンズはブライハウスについて調べ始めるが、自分の前任の家庭教師の女性
が悲惨な死を遂げていたことを知る。

モノクロのゴシック・ホラーである。古い映画なので今時のホラーのような派
手さや大がかりさはないが、底知れない恐怖を感じる古典的なオカルトという
感じ。ミス・ギデンズはブライ卿(マイケル・レッドグレイブ)に甥と姪の家庭
教師を依頼される。子供たちは両親を亡くし、唯一の身内であるブライ卿が世
話をしなければならなくなったのだが、ロンドンで働くブライ卿には子供たち
の面倒を見る気などなく、自分が所有するブライハウスで家政婦たちに任せき
りにしていた。子供好きなギデンズは楽しみにして出かけ、ブライハウスの周
囲の景色の美しさに感動する。子供たちもかわいくて賢く、生活を楽しんでい
たが、やがて不可解な現象に悩まされることになる。
この映画の怖さは、おどろおどろしい幽霊が出たり、妖怪のようなものに襲わ
れるそれではない。ギデンズが屋上を見ると、男が立っている。誰だろうと思
って屋上へ上がると、そこにはマイルスしかおらず、誰も見ていないと言う。
湖の向こうに女が立っていて、こちらを見ているが、やがて消える。窓に男の
顔が映る。何と言うのか、日本の昔の怪談みたいな怖さなのだ。廊下を一瞬誰
かが横切る、みたいな。じわじわくる怖さ。
ちょっと意外だったのは、ブライ卿が後で事件に絡んでくるのかな?と思って
いたが、何もなく冒頭だけの登場だったこと。何か関わっているんじゃないの
かなあ、と思っていたのだけれど。他にも疑問な点がいくつかあって、謎が残
ってしまったのが気になる。
この作品はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」という小説の映画化である。
小説は読んでいないが、心理小説の名作と言われているそうだ。確かに映画で
もギデンズや子供たちや家政婦の心理描写が秀逸。映画より小説の方がおもし
ろそうだ。デボラ・カーが美しかった。



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メニルモンタン 2つの秋と3つの冬

2017-02-09 04:24:22 | 日記
2013年のフランス映画「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」。
美大を出たものの、33歳になっても定職に就けずにいるアルマン(ヴァンサン・
マケーニュ)は、ジョギング中に知り合った女性アメリ(モード・ワイラー)に惹
かれる。ある日、夜道で2人の男に襲われそうになっていたアメリを助けようと
したアルマンは、逆に刃物で刺されてしまうが、この事件をきっかけにアルマン
とアメリは急接近する。

とてもユニークな恋愛映画。主人公のアルマンは、33歳の誕生日に、もういい
かげんこのままではいけないと思い、「仕事を見つける、運動を始める、タバコ
をやめる」と決意する。ジョギングを始めたお陰でアメリという女性に出会う。
メインの登場人物はアルマンとアメリ、アルマンの親友とその恋人だ。恋愛映画
なのだけれど、33歳といういい年齢をした男性たちの青春映画という感じもする。
彼らの日常に、ああこんなことあるよね~、こんな気持ちになることあるよね~
と、うなずきながら観てしまう。
アルマン役のヴァンサン・マケーニュってかなりハゲているのだけど…あの年で
気の毒だな。まあトレンディエンジェルみたいな人たちもいるし…。ラストは
ちょっと意外だった。アルマンがアメリを許すと思わなかった。私がアルマン
だったら無理だなあ。多分別れる。でもそれもアルマンの1つの選択なのだろう。
ビジュアル的にはアルマンより親友の方がかっこいいが、この物語はアルマンが
かっこよくないところがいいんだろうな。
メニルモンタンとはパリ20区の高台にある、昔から移民や地方出身者が多い街
なのだそうだ。いい雰囲気だった。




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ホーンズ 容疑者と告白の角

2017-02-04 02:44:09 | 日記
2013年のアメリカ・カナダ合作映画「ホーンズ 容疑者と告白の角」。
青年イグ(ダニエル・ラドクリフ)は、最愛の恋人メリン(ジュノー・テンプル)を殺された
ばかりか、その殺人の容疑をかけられ、街中の人々から白い目で見られていた。
絶望的な日々を過ごしていたイグは、ある朝目を覚ますと、頭に人に真実を打ち明
けさせる「告白の力」を持った不思議な角が生えていた。イグは角の力を使い、恋人
殺しの真犯人を見つけようとする。

ファンタジー・サスペンス・コメディ・ラブストーリーといった感じで、いろんな要素が
てんこ盛りの作品。イグの恋人メリンが他殺体で発見される。イグはひどく悲しむが、
前の晩に飲食店で2人が口論をしていたところを目撃されており、イグに容疑がか
かる。友人である弁護士のお陰で釈放されたものの、街の人々は皆イグを犯人だと
決めつけ、イグはマスコミに追われる。そんな時、ある朝突然額の両側に角が生え
てくる。イグは混乱するが、不思議なことに、イグの角を見た者は普段は喋らないよ
うな本音を口にしてしまうのだ。自分はゲイだ、とか、自分は露出狂だ、とか。角の
役割を知ったイグは、角の力で恋人を殺した犯人を捜し始める。
一応サスペンスなのだが、所々でコミカルなシーンがあっておもしろい。パトカーに
乗った2人の男性警官が実はお互い好意を持っていたことがわかるシーンは笑え
た。イグには数人の幼なじみがいて、彼らと遊んだりいたずらをしたりする子供の
時の回想シーンが度々挟まれる。メリンとも子供の時に出会い、それからずっと愛
し合ってきたのだ。そのメリンを失ったイグの悲しみは深い。
それにしても角が生えるなんて斬新なアイデアだ。それにダニエル・ラドクリフに角
があっても違和感がないのが不思議。最後は真犯人はわかるけれど、イグはかわ
いそう。ダーク・ファンタジーでもあり、サスペンスフルでもあり、感動的でもある、な
かなかいい映画だった。




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猫の鼻炎

2017-02-02 02:45:03 | 日記
うちには猫が3匹いるが、次女(皆血縁はない)がだいぶ前から鼻炎になってしまった。
くしゃみをしたり、鼻づまりですぴーという音を出していたり、最初は風邪かな?と思って、
そのうち治るだろうと思って病院には連れていかなかった。だがその状態が続き、なか
なか治らない。それに風邪にしては他の子には移らない。もしかして鼻炎?と思い、病
院へ行くと、そうだった。飲み薬(錠剤)を出されて1週間飲ませるように言われた。でも、
毎日朝晩格闘しながら飲ませるも、良くならなかった(むちゃくちゃ嫌がる)
それでもう1度病院へ。今度は抗生剤の注射をしてもらった。2週間効果が続く抗生剤
らしい。すると、数日で症状が治まってきた。良かった!注射すごい!とほっとしていた
のだが、いつの間にかまた鼻づまりやくしゃみの症状が出てきたのだ。それでまたも病
院へ。同じ注射を打ってもらったが、鼻炎の完治は難しいとお医者さんがおっしゃった。
特にこの子は18歳の高齢猫である。注射をすれば良くなり、しばらくしたら再発し、を
繰り返す可能性が高いと言われた。
残りの人生ずっと鼻炎を繰り返すのかと思うとかわいそうでたまらなくなった。ちなみに
私はアレルギー性鼻炎持ちで、鼻づまりの苦しさや不快感がよくわかるだけに、この子
もこんな辛い思いをしているんだな…と思うといたたまれなくなる。どうして鼻炎になっ
ちゃったのかなあ。起きている時もだけど、寝ている時に特にすぴー、ずぴー、と鼻の
音が聞こえてくる。苦しいだろうね…今回治ってもまた悪くなるんだろうね…子猫の時に
猫条虫がお腹にいるのが発覚して、家族全員大騒ぎになったことがあるけど(私は気絶
しそうになった)、それ以外はほとんど病気しなかったのに。
また悪くなったら病院に行こうね、なな。ななはおとなしくてお利口だね。

今日は映画ではなく猫ブログになりました。ご了承ください( ̄▽ ̄)




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