こよなく、惜しみなく・・・

能楽師のＫさん（８４歳）のパーソナルトレーニングで、昨日の指体操を行いました。
Ｋさんは　上手に、指体操をこなされるので・・・
「やっぱり、能をしていらした事と、この指の器用な動きやＫさんの若さや強さは　関係あるのでしょうね。
最近、フィットネス関連で、能や武道の身体理論を説いた本が　たくさん出版されているんですよ。」と言うと・・・

「指の動きは　どうですかね～？？？」と、Ｋさん・・・
Ｋさんの生徒さんで、世界的に有名なピアニストさんが　いらっしゃって、確かにピアノは　一流なのですが、能の仕舞は　なかなか上手にならないので困っている・・・との事。

「球技は　得意でも、ダンスは　ダメな人もいますよね～」と言うと・・・

「ダンスの動きと、能の仕舞は　違うんですよ・・・」
Ｋさんの目が　キラリ☆と輝いて、お話を続けられました。

「ダンスは　へそから、突っ込んで前に進むのですが、能は　つま先で探りを入れながら足を前に出し、そこに後から身体を乗せていくのです・・・・・・・・・・・
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能は　歩く動作だけで、その人が　どんな人かを現すのです。
静御前なら、しずしずと、このように歩くのです・・・・・・・・・」

もったないないほどの御高話を頂きました。

以前、「能に学ぶ身体技法」という本を読み、素晴しいＫさんの身体能力を見せて頂きながら、自分なりに分析をしていたのですが、お話して頂くと、ついつい私も質問などをしてしまい、あっと言う間にトレーニングの時間が終わってしまいました。

「教えていただいてばかりで、申し訳ありません。」と言うと・・・
いえいえ・・・と、なんとも言えない優しい目をしていらっしゃいました。

こんな私に　惜しみなく、能のお話をしてくださいました。
当たり前ですが、こよなく能を愛していらっしゃるんだろうな～。
まだまだＫさんの足元にも及びませんが、こんなふうに人に何かが伝えれるような経験や勉強を重ねたいと思います。