「洗い張り」をご存知でしょうか?
現在でも、高級和服などはこの洗い張りをするようです。
ネットで検索すると、「着物・和服のクリーニング・洗い張り」のCMが並んでいました。
チエちゃんのおばあちゃんは、初夏のお天気のよい日に、よくこの「
洗い張り」の作業をしたものです。
「洗い張り」というのは、丸洗いできない和服・着物の縫い糸を一旦、全部解いて、布地に戻して、洗います。
そのあと、糊をつけて、板張りにするか、絹物は伸子(竹ひごの両端に針がついたもの)張りにして、乾かします。
それから、もう一度仕立て直して、着物にするのです。
チエちゃんのおばあちゃんがやっていたのは、木綿ですから、板張りでした。
リンクしたサイトの絵を見ていただくと、お分かりいただけるのですが、専用の張り板があって、その上に、糊をつけた布を、濡れた別布でシワをのばしながら貼り付けていくのでした。
もんぺ姿にたすき掛け、頭には姉さんかぶりという井出たちで「洗い張り」作業するおばあちゃんの横には、いつもチエちゃんがいたのでした。
しかし、こうして「洗い張り」した布地を着物に仕立て直すことはなく、別の着物の継ぎ当てとかに利用していたように思います。
低血圧のおばあちゃんは、この作業の翌日、なかなか布団から起き上がれないのでした。
それなのに、なぜ、「洗い張り」にこだわっていたのかなあ?
あの張り板は、とっくの昔に処分されてしまったのだろうなあ・・・