チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

第159話 みなみ山のばか婿 その2

2009年01月23日 | チエちゃん
むが~し、むが~し、みなみ山さ、ばが婿がいだんだど。

あるどき、嫁様の実家さ よばっち 出がげで行ったんだと。

舅さまは、婿さまさ ごっつおうすっぺど思って こう聞いだんだと。

「婿どん、なに食うべなあ。

 手打ちが? ほれども半殺しが? みな殺しがいいべがなあ?」

ばが婿は、舅さまの言葉にびっくりして、逃げ帰ったんだど。

嫁さまが、「とっつあ、あんまり早かったでねえが? 

 なんにも ごっつおうになんねで帰ってきたのが?」と聞くと、

「おっかあ、おらあ、舅さまに殺されそごなって、逃げできたんだ。

 ごっつおうになっとごでねえべ。

 舅さまはなあ、手打ちが、半殺しが、皆殺しと言ったんだぞ」

「なんだべ。手打ちっつうのは、手打ちそばのこどで、半殺しは、

 ぼだもぢだべし、みな殺しは、うすもぢのごどだべした。」

それを聞いだ、ばが婿はよだれを垂らして、惜しがった、惜しがったと言ったんだと。



チエちゃんは、考えました。
一体、南山とはこの村の何処にあるのだろう?と。
きっと、ずっと、ずっと、南の方角にちがいない。
大人になったら、行けるのかもしれないと。

みなみ山のばか婿 その1は こちら → 第67話 みなみ山のばか婿



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