毎年のように発生する集中豪雨期の河川の氾濫や土砂崩れに伴う被害。北陸地方でも、各地で被害が続出し、加賀の動橋(いぶしばし)地域では、昨日、1万戸に対し避難勧告が発出された。
今日も危険な状態は続いているが、テレビの現地中継を観ていたら、ある住民が、大丈夫との自分の判断で避難しない映像が映った。その民家の裏山は今にも土砂が崩れ落ちそうな気配で、リポーターが退去を勧めるのだが、「臨機応変に対応する」と言って、忠告に一向に耳を傾ける様子が無かった。
土地勘があるとの過信が言わせるのだろうが、土砂崩れの勢いは臨機応変に避けることが出来るはずもない。住み慣れた家を一時的であれ、離れることは辛いし誰も歓迎しない。個々の事情もあるだろう。しかし、事故が発生してからでは遅いのだ。
安全対策には一定の限界がある以上、自ら危険回避する勇気も必要だ。避難したあと、何事も起きず、自分の判断が正しかったと非難すれば良い。取り返しのつかない事態が発生したら、恨みごとも言えなくなる。行政機関の損な役割に同情したくなった。