釧路のご当地ソングで思い浮かぶのは、美川憲一の「釧路の夜」。釧路川に架かる幣舞橋の袂に、その歌碑がある。これは、平成5年に発生した釧路沖地震の復興を祈念して、美川憲一がチャリティ・コンサートの収益金を寄付したのに感謝の意を表して、釧路観光協会が建立したものだ。
その歌碑の前に立つと、フルコーラスが流れるのだが、先の東日本震災の津波で、「電源ボックスが冠水し、使用不可」の張り紙がしてあった。歌碑は、川沿いの遊歩道よりかなり高い場所にあり、3・11震災の凄まじさを改めて思い知らされた。(写真はクリックで拡大)
さて、 「霧は降る降る 今日もまた 一人歩きのヌサマイ橋よ」と謳われる幣舞橋は、過去、幾多の災害で崩落を繰り返し、現在、5代目になるそうで、釧路地方の気候の厳しさを物語る。 全長124mの橋の特徴は、日本初の橋上彫刻「四季の像」があること。四つの像を、立つ位置を変えながら見上げると、釧路川の景観に溶け入るようで、旅情が一段と高まる。
幣舞橋横のフィッシャーマンズ・ワーフMOO(Marine Our Oasis)とEGG(Ever Green Garden)は、空港バスの発着場にもなっていて、多くの観光客で賑わっている。MOO裏の河岸には、出漁を待つ漁船が係留され、港町釧路の雰囲気が漂う。「船の汽笛も泣いている 女心も知らないで」と、「釧路の夜」の一節が口をついて出た。