萩原枯石の俳句に「八月や六日九日十五日」というのがある。数字を並べただけで、立派な作品になるというのも、それぞれの日が特別の意味を持っているからに他ならない。
先日、菅総理が九日を八日と間違えたが、それを批判するTVの某司会者が、十五日をお盆と解説したのには耳を疑った。たしかに十五日にお盆の送り火をするところも多いが、句の意味するところは終戦記念日であることは言うまでも無い。
コマーシャリズムに毒された現代では、毎日が記念日のようなものだが、史実に基づく記念日だけは大切にしたいもの。日本人にとって、八月は特別な月だが、三月十一日もまた忘れてはいけない日になった。五ヶ月前の今日を思い起こし、ふと、萩原の句に対する正解率はどれ位なのかと気になった。