AIJ投資顧問による年金資産消失問題は、監査報告書の偽造・詐欺の様相まで呈して来たが、刑事事件として発展するかは、今後の捜査を見守るしかない。
そもそも、企業年金は「公的年金」ではなく、「私的年金」であり、企業の自己責任で行うものである。ましてや、問題が「代行部分の返上」に及ぶと、利害関係者が広範囲に及び、根が深くなる。
私の勤めていた会社も代行返上する際、独自の企業年金部分の減額を巡り訴訟に発展した。高利回りには、リスクが付きまとうのが当然で、経営基盤がぜい弱なら余計なことに手を出さないのが鉄則だ。
年金倒産する企業に対し、有識者から「国が何とか救済の手を」との意見が出ているが、身勝手だ。AIJのケースでは、倒産企業の分まで負担し、連鎖倒産に追い込まれる可能性を指しているが、「こんな筈ではなかった」ではなく、制度の不知を恥じるべきだ。